福岡対浦和から考えるにっちもさっちも

Jリーグ202627

はじめに

坊主憎けりゃ袈裟まで憎いとはよくいったもので、今季の浦和は新監督を迎えてから大騒ぎとなってしまっている。この大騒ぎの何が良くないかと考えると、そもそも目の前のピッチで起きていることを歪んで発表会をしてしまっているのではないか?という潮流だ。

そうはいっても、ハリルホジッチのいろいろに対する多様の解釈も含めて、人間の本質とはそういうものかもしれない。それぞれの観客のポジショニング、見る角度によって、現象の意味が変わることは世界中であるあるの現象だ。となれば、坊主憎けりゃ試合も悪く見えるのは正常な証拠なのかもしれない。

そういう意味ではスーパードライな吾輩も、そういったポジショニングによる発表会をしていることを自覚すべきなのだろう。実際に、柴崎岳に対して優しすぎませんか??という指摘がぼくの柔らかい場所を今でもまだ締め付けていることは内緒だ。

迷う渡邊凌磨

Twitterの世界にはきーすさんという名人がいる。名人曰く、【4141】でアンカーの脇が空きやすいってなんやねん!!とよく言っている。なお、昔のぼくは【4141】のアンカーの脇が空きやすいと言っていた。

今では、【4141】のアンカーの脇が空きやすいかどうかは、それぞれのチームの論理によるから、相手のインサイドハーフがどのようなルールで動いているかを観察してね!となる。結果として、この試合では浦和の【4141】はインサイドハーフの脇が空きやすくなってしまっていた。

浦和は基本的にハイプレッシングで、個々のバトルで負けないんだよ!という昭和的価値観で戦っている。でも、広島戦で露呈したように、だからといっても限界があると折衷案がひかれ、ハイプレッシングに行く人もいれば構える人もいるという混在した状況で試合を迎えている。実際に最初の守備者である小森はかなり慎重に振る舞うように変化してきている。

広島戦で叶わなかった景色を叶えるために、ボザの縦スライドがこの試合でもたくさん見られた。極端にボザが行うので、まれに金子がカバーリングしているのには笑った。

一方で、ボザと同じポジションである長沼は縦スライドをすることがほとんどなかった。むしろ、相手のウイングバックに対してサビオが下がってくる場面もあった。もちろん、師岡を長沼が見る形になれば、そのような役割分担も不思議なものではないだろう。

近年のハイプレッシングはマンマークで行われる事が多い。最初からマンマークで行うチームもあれば、ゾーンディフェンスからのマンマークの移行で実行するチームも多い。浦和の場合は、相手の配置にかみ合わせる作業をその都度に行っているように見える。守備の基準点の再設定を何度も行っているような感じだ。

結果として、福岡からみれば岡がフリーな場面が多く、岡には誰が寄せるの?状態になる浦和であった。別にこの位置でボールを持たせるという判断も悪くはないだろう。しかし、現実は辛く、岡からのロングボールによって、浦和が崩れていくのだからきつい。

となると、さあ、みんなで考えよう。岡には誰が行くのか?大会となる。

結論からいえば、サビオが寄せたり、渡邊凌磨が寄せたりする。でも、渡邊凌磨の周りには相手がたくさんいる。本来のマークだろうセントラルハーフもいれば、師岡も背中に隠れているし、前には岡がいる。あれ、チームの約束事がマンマークではないのか?となるのだけど、恐らくマンマークではないのだろう。

守備の目的はボールを奪う、ボールを前進させない、ゴールを守るなど状況によって目的は変わる。それぞれの選手の意思統一が大事になってくる。この意思統一が俺はマンマークで、あなたはゾーンで、あいつはゴールを守っていて、みたいな状況になっている。さらに、ワンツーで簡単に剥がされる場面も多い。マンマークならワンツーのツーについていってほしい。

渡邊凌磨の関わった失点は本当に気の毒だった。巻き戻してみてほしい。渡邊凌磨の周りに相手がたくさんいて、師岡はフリーでポケットに侵入している。なんでやねん。これが福岡の策略通りだったら凄い。なお、この試合の福岡は痛いほどに正しかった。それでも結果がついてこないところがサッカーのやるせないところである。

浦和が妙に逆転する理由

後半の浦和は迷う渡邊凌磨とミナミーノ二世を交代して【4231】にする。アンカー脇を埋めるぜという采配なので、きーすさんには叱られそうな采配だ。でも、プロでも行うのだから面白い話である。

なお、安居と瀬古を並べたからと行ってセカンドボール争いが優位になったということはない。もともとハイプレッシングでセントラルハーフを相手陣地に動員すれば、セカンドボール争いなんて無理なもんは無理である。このあたりのバランス感覚で福岡は後手を踏むことになったのはまた別の仕組みゆえだろう。

アンカーが動きすぎてはいけないけれど、マンマークの世界でそれが正解かどうかはわからない。安居の登場で瀬古がボールを受けるために動ける範囲が広がったことで、福岡のプレッシングはだんだんとずれていくようになる。

このプレッシングを修正するために名古が登場して、Jリーグでお得意のCFをトップ下のようにして、マークをはめる業を披露する。例えば、瀬古を碓井が、安居をセントラルハーフのどちらかが見る形になると、セカンドボール拾う隊にウイングバックを動員する必要がある。でも、この布陣でのウイングバックの役割は、浦和のサイドバックを担当する狂気を見せないと、相手にビルドアップの出口を与えることになる。

さらにポポとこころをいれるが、厄介なのはボザ。ポポに空中戦で完勝。妙に空中戦に強い宮本も含めて、セットされた状態での浦和は空中戦に強い。なお、セットされていないと、セカンドボール争いで後手を踏むことが多い。

福岡からすると、リードしている状況からマークをはめるよりも【541】で撤退したほうがいいのではないかと。このときにミドルプレッシングからのハイプレッシングの移行を狙っているように思えたが、浦和のサイドバックは狂気の高い位置に移動することで、福岡のラインは自然と下がっていった。

浦和の攻撃で興味深いのはペナ幅での攻撃だろう。ときどき幅を使った攻撃もするのだけど、基本はペナ幅にいる。そしてゴール前の人数がとにかく多い。幅を使っていないのでごちゃごちゃもするのだが、サビオを中心とするコンビネーションによる中央突破は相手の配置をめちゃくちゃにする場面が多かった。ちなみに宮本まで上がってくるので、相手からすれば、ボールの出どころを抑えにくいことは間違いない。

配置がめちゃくちゃになると、福岡もカウンターに出ていきにくくなる。さらに、ボールを失った瞬間の切り替えを浦和は改善気味にあるので、力技だけど、浦和のターンが続くと、幅を使ったクロス連打にゴール前に飛び込んでくる選手の枚数も多いとなる。

なので、浦和が火事場のクソ力を出しやすい。特に金子の存在が大きい。困ったときにサイドから仕掛ける金子。金子を追い越すボザ、金子にはダブルチームで対応する福岡。フリーになる宮本みたいな構図。そして増えていくセットプレー。

ただし、勇気を持ってカウンターに出ていくと、浦和の守備は怪しい。宮本、根本ともにさらされた一対一には強くない。このあたりの肉を切らせて骨を断つ感は鬼。なお、西川がすべての尻拭いをしている。今季の西川はえぐい。失点数は多いけど、止めまくっている。

同点になったときに福岡がハイプレッシングを再開するけれど、ロングボールを蹴られたときに勝てるかどうかが福岡の怪しさであった。後ろの選手が耐えきれるかどうかって大事な世界線。特にハイプレッシングのときは。逆転ゴールのきっかけはここ。でも、その流れが後半から見られていた。

リードしてからの浦和は危なっかしい場面を作られながらも何とか逃げ切って終了。というわけで、まとめていきたい。

ひとりごと

浦和のハイプレッシングはマンマーク志向だけれど、両サイドで差異がある。

マンマークなんだけど、自陣からの守備ではその都度でマークの相手が変わるケースが多く、ときどき選手が迷っている。

福岡も浦和もセントラルハーフをハイプレッシングに動員したときに蹴っ飛ばされると、セカンドボールを拾われがちになる。

セントラルハーフの背中に選手がいると、セントラルハーフが前に出ていきにくくなる。浦和にとっての師岡、福岡にとってのサビオ。

相手の守備のルールにもよるが、瀬古は相棒がいるほうが輝く。なお、植木も同じ。植木が左サイドバックの位置で起点になっているのはよかった。もう1人がいるからもう1人が自由になれる。

福岡はハイプレッシングで導き出されるロングボールやセカンドボール争いで相手との優位性がどちらに転ぶか的なことが命運をわけそう。

浦和のペナ幅アタックは切り替えと相手のカウンターを止めることが多い。あと、自由なポジショニングを許し、ゴール前に人を送りまくることで、相手が混乱する。

でも、勇気をもってカウンターに出ればご褒美がまっている。でも、金子がめんどい。あとサビオもめんどい。

コメント

  1. 匿名 より:

    きーすさんね笑

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