カタールワールドカップの全体総括をしよう

2022 FIFA World Cup

「さて」

「今回はワールドカップの総括をしていきたい」

「さよか」

「最初にフランスとアルゼンチンの特徴から振り返っていく」

「あれだろ、守備をしない2人がいるチームが勝ち残ったとか言うんだろ」

「違う、そうではない」

「そうではないのか」

「考えていきたいことは個々の配置の優先順位についてだ」

「配置に優先順位なんてあるのか」

「配置というより、個々の立ち位置の話になるかと思う」

「では、はりきっていってみよう」

「配置的優位性を語る象徴的なエピソードはコンテの[3142]によって、イタリアから4バックが絶滅の危機に遭遇したことだったな」

「だったなと言われてもな。ただ、マルキージオを筆頭とするインサイドハーフの走って死んでシステムだったことはよく覚えている」

「では、時代はすすみ[325]が世界中で導入され、前回のEUROでイタリアが見事に優勝してしまった」

「そんなイタリアは今回のワールドカップにいないけどな」

「ここでクイズ大会を開催しようと思う。唐突だけどな」

「なんだ?」

「みんなにも考えてほしいんだけど、今日は[325]、もしくは[3151]で相手を苦しめるんだ!!ってなったときに配置をどのようにして決めるでしょうか?」

「いや、最初から配置が決まっているやないか」

「その通りで最初から立つ位置が決まっている」

「クイズになっていないな」

「では、次のクイズは立つ位置が決まっているとして、これはチームの約束事として決まっているのでしょうか?」

「それはそうやろうな」

「そのとおりで相手も関係ないところががある」

「確かに相手は関係ない雰囲気は感じるな」

「そうはいっても相手が5バックでレーンを封鎖してくるとこれは困ったねとなってしまう」

「なので、マンチェスター・シティは遊びにあふれているという話になるんだろう?」

「それはまた別のお話だ」

「別なのか」

「マンチェスター・シティは5レーンの後ろに後方支援を常駐させて5トップに厚みをもたせたり、レーンを空白にして守備の基準点をなくしたり、別の誰かがスペースアタックをするやポジションチェンジによる個性の差で迫ることで、またちょっと違うレベルに到達しているからな」

「確かに別の話だが、アルゼンチンとフランスの話はどこへ消えたんだ」

「で、昔にリヴァプールはポジショナルプレーでない何かをやっているとつぶやいたことがある」

「突然のリヴァプールだな」

「ポジショナルプレーがゾーンディフェンスと同じような階層に位置するならば、リヴァプールがポジショナルプレーでない何かをやっていることなんてないんだけどな」

「結局のところ、何がいいたいのか」

「マンチェスター・シティが同じ立ち位置に固執しないように、多くのチームは配置を決めたあとに遊びやバグが存在している。もちろん、最初の立ち位置から動かないチームもあるけどな。で、そのときの無秩序の中に存在する秩序のルールが少し違うように思える」

「つまり、がちがちのマンチェスター・シティや立ち位置を固定するチームとリヴァプールは違う優先順位で無秩序のなかの秩序を保っているという話か」

「恐らくはそのバランスが揺らいでいるためにリヴァプールはちょっと調子を落としているのかもしれないと勝手に予想している」

「で、リヴァプールやフランス、アルゼンチンは何を優先に秩序を保っているのか」

「キリアンとメッシに決まっているやろ」

「とうとうキリアン呼びになったのか」

「表記がブレるからな。エムバペかムバッペやエンバペかわからなくなるから」

「すでに何を言っているかわからないな」

「マンチェスター・シティは無秩序にしても秩序が保たれる理由はユニット構成が巧みだからと思っている。彼らは誰とでも繋がれるし、最小のユニットでも誰でもプレーができるし、枚数を増やしても問題ないとくる」

「で、アルゼンチンはどうなる?」

「アルゼンチンの最初の巧みさは、メッシの位置に応じてバランスを維持できるAlexis Mac Allisterの抜擢がスタートとなる。それまでは相方にディ・マリアとアレハンドロ・ゴメスだったので、それは無理というものである。特にアレハンドロ・ゴメスは自由人でこそ真価を発揮するイメージが強い」

「つまり、メッシの立ち位置を基準として、周りの選手の立ち位置を調整していったわけで、さらにアドリブでそれに対応できる選手が台頭してきたわけか。リヴァプールも前線の3トップの立ち位置を基準とするところがあったもんな」

「アルゼンチンの場合はさらにメッシ抜きでもサイドユニットを機能するようにして、メッシを+1としたり、エンソ・フェルナンデスにボール運びを任せることもメッシの役割を減らす意味で大きかった」

「フランスはどうなる?」

「キリアンの位置に応じて攻撃参加するラビオ、テオ・エルナンデスはキリアンとのユニット構成で力を発揮していた」

「デンベレサイドはデンベレが大外に立ちながら右サイドバックは自重する傾向にあったもんな」

「ヴィニシウスばりに前に居残りハーフスペースから大外レーンを旅するキリアンはとても楽しそうだった」

「パリ・サンジェルマンではネイマールとメッシがいるから、ここまで自分を中心に秩序が作られることはないもんな」

「で、残った無秩序を秩序に変換する作業をグリーズマンに一任する」

「一任するとは言い得て妙だが、ブラック企業も真っ青なグリーズマンの仕事量だったな」

「ブラック企業なのに真っ青になるのか」

「最初に振り返っていくから始めて終わる気配まるでがないな」

「というわけで、フランスもアルゼンチンも振り返ってみれば現在サッカーひとつの流れだったなという話で」

「レアル・マドリーがべらぼうに得意としている全体よりも少ユニットによる優位性をピッチ全体に広めていく様子は見事だったな」

「他に言い残したことはあるか?」

「ボール保持による守備は多くのチームができるようになってきたのは時代の流れだなと感じている」

「グループリーグはその消極的な姿勢が目立つ試合も多かったけどな」

「過激派は減ったなという気もしている」

「アメリカやカナダ、アフリカ勢の座して死を待つなら戦って死のう感は強かったな」

「これらのチームを岡ちゃんは楽しくみていたのではないかと」

「ではここから質問に答えていきたいと思う」

「質問が来ているのか」

「本当に来ている」

「代表チームのクラブ化の是非について教えてください」

「クラブ化の定義が怪しいところだな」

「本大会は別として、日本代表は川崎フロンターレ化で最終予選を突破し、E-1では横浜Fマリノス化していたけどな」

「本大会ではサンフレッチェ広島化と言えなくもないだろう」

「恐らくはスペインのバルサ化、ドイツのバイエルン化で失敗しているやん!といいたいのかもしれない」

「そんなことをいったら、フランスやアルゼンチンはレアル・マドリーを参考にしていたことは間違いないけどな」

「元ネタを考えるときりがなさそうだな」

「イングランドだってマンチェスター・シティ味はあっただろう」

「薄味だけどな」

「なので、代表チームのクラブ化は用法・用量を守りながらご利用くださいというところだな」

「続いての質問にいこう」

「ワールドカップは4年後にありますが、4年間の積み重ねとはなんなのでしょうか」

「幻だろうな」

「幻なのか」

「4年間があれば何がどうなるかわからないやろう」

「中島翔哉がここまで存在感を消すとは想像できなかったな」

「クラブ化の話に少し戻るけれど、4年間同じ選手を呼び続けるならば、積み重ねに意味は出てくると思う」

「しかし、4年後もその選手がトップレベルに位置しているかは非常に怪しいかけになるし、逆転現象もがんがん起きるだろう」

「4年後もほぼ残っていそうな冨安でさえ、怪我がちという問題を抱えている」

「で、今度は選手を入れ替えながら進めていくと、チームとしての積み上げが可能なのか問題が出てくる」

「チーム森保のチームビルディングを思い出すと、どうしても選手を固定することのメリットが大きそうだもんな」

「話し合いの中心選手たちが次は一斉に呼ばれませんでした!ってなったらどうなるんだろうな」

「歴史の語り部はどこかに存在するとしてもか」

「なので、どんなサッカーをするかを考慮して目の前の試合に常に向き合いながらも4年後に面白そうな選手に先行投資をするくらいがベターなのではないかと」

「誰が覚醒するかはわからないので、色々な選手にチャンスを与えながらか」

「そういう意味ではラージグループではなく、同じような選手を呼び続けるクラブ化はあまりよくないとは思っている」

「では、次の質問に行く」

「まだあるのか」

「今回のワールドカップが世界のサッカーのトレンドに影響を与えるのでしょうか」

「与えない」

「では、次の質問に行く」

「与えないやろ」

「ワールドカップが毎年あるなら影響ありそうだけどな」

「4年に1度だからな」

「世界中からCFが減っている気がしますが気のせいでしょうか」

「気のせいではないだろうな」

「ぜんぶスペインが悪いやろ」

「スペインの育成が世界中に広まった結果、世界中にえぐいセントラルハーフが誕生してきているからな」

「運べるセンターバックも増えてきているしな」

「一方でCFはまじで減ってきている」

「なので、育成年代を過ごす皆様、CFとして一流を目指してください。希少価値で溢れています」

「アヤックスでクドゥスがCFを押し付けられているのなんて気の毒でしょうがないな。代表でのプレーを見ていると」

「アヤックスのクドゥスもなかなかえぐいけどな」

「最後の質問になります」

「とうとう最後か」

「森保監督の日本代表の評価はなんだかんだ難しいと思いますが、チーム森保から学んだことを教えてください」

「直球にみせかけた変化球だな」

「学んだことを教えてくださいだぜ」

「やらないことには理由があるかな」

「その心は」

「恐らくだが、本大会の日本の反省はボール保持の精度アップとボール保持の時間を増やすことや撤退した相手からどのように点を奪うのか?になると思うんだけど」

「コスタリカ戦とクロアチア戦を振り返るとそうなるやろうな。あとはボールを回復するまでの時間短縮と奪ってからのカウンターの再現性か。」

「でも、最終予選から代表を見続けてきた吾輩からすると、433には可能性を感じていた」

「チュニジア戦で捨てた433か」

「でも、本大会で433をやらなかったやろ、できそうな場面でも」

「確かにコスタリカ戦とクロアチア戦はできそうだったな」

「でも、やらなかったことには理由があると思っていて」

「どんな理由なんだろうな」

「それを今度聞いてこようと思っている」

「壮絶なネタバレか」

「壮絶なネタバレは本でできればと思っている」

「ここにきて宣伝か」

「ここまで読んだ人なんてそういないから、誰も怒らないやろう」

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「この本にはマッチレポのほかに対談が載ることになっている」

「対談では壮絶なネタバレを行う予定なのか」

「マッチレポではピッチで起きていることを」

「対談では壮絶なネタバレを」

「その2つを組み合わせて点を線で繋ぐ作業を皆様に楽しんで貰えればと」

「なお、対談はまだしていないので」

「聞いてほしいことがあれば、らいかーるとまで連絡をしてください」

「ではまた」

「最後にここまで読んでくれた方のためにがちで選んだベストイレブンを置いておく」

「ガチか」

「少しだけ遊んだけどな」

「ではまた」

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