【第二節】Jリーグ短観シリーズ【柏対川崎、京都対浦和、鹿島対東京ヴェルディ】

J2025

はじめに

第三節が終わったのに、第二節の短観シリーズを書いている。時空がネジ曲がっているが、3連休と強制イベントの乱立により仕方ない。今季はできるだけ書きたいのだ。ただし、夜にブログを更新しても更新してやったぜ!感がまるでないので、できれば真っ昼間に更新がしたい。何の話だろうか。ちなみに第二節が終わったところの感想は、雑なチーム増えてる?です。あと、思い出しながら書くのが難しい。次回は対策をする。

柏レイソル対川崎フロンターレ

午前中に観たので、記憶に新しい試合です。昨年の井原監督のレイソルを観る機会はそれなりにあったので、リカロドでどれくらい変わるのだろうか?と興味津々だったのですが、この試合でも見事なボール保持、非保持で見事な設計を表現していました。

リカロドすげーーって思っていたのですが、スタメンを眺めると、昨年までのスタメンがほとんどいないことに気がつきます。細谷も微妙なプレーに終始していることを考慮すると、昨年の主力で今年も活躍しているのは小屋松と古賀くらいです。ジエゴもそこにいれていいのかどうか。つまり、強化部が機能したということでしょう。こういうときくらいは褒め称えたいものです。

ただ、リカロドのサッカーって配置をベースにしたボール保持によるコントロールだと個人的に思っています。表面上はボールを保持するという意味において、レイソルの下部組織と親和性がありそうみたいな。そんな感想を選手たちも言っていたので、これは面白くなるかもしれん!と予想してみたけれど、別に下部組織出身の選手が多く起用されているわけでもないので、思ってたのと違う感じです。

試合を振り返ると、熊坂が地味にキーマンになっていることにようやく気が付きました。ボール保持では、自分よりも前列にいる選手に時間とスペースを配ることはあまりせずに、延々とボール保持のリセットをしています。ボール保持の安定を少し優先しすぎやないか!というのが開幕戦の感想で、その感想はこの試合でもそこまで変わりませんでした。

気がついたのは身長の大きさです。あれ?センターバックよりも大きくない?です。なので、地味に空中戦で貢献できるんですよね。古賀、杉岡、原田ではスモールラインナップ感がありますが、熊坂が控えることでそれらの問題が消えます。三國に勝利した山田が柏への空中戦で想定よりも苦戦した理由は強風と熊坂。そして、特にネガトラでの存在感は異常です。昨年はこんなにいい選手だったなんて全然気がつかなかたっぜという意味でサプライズでした。

レイソルのボール保持の形は開幕から特に変わらずです。【325】を基本としながら、相手のハイプレには小島を使って打開する。基本的には意地でもつなぎます。ボールを保持することで試合の主導権を握りにいっているからです。前半でもう試合終了だぜって場面でもキーパーから繋ぎにいった場面にチームとしての哲学が染みていました。普通なら蹴っ飛ばして試合を終わらせるところなのに。

【2】の役割は熊坂がサリーをしたり中央にいることが多く、原川を解放することが多いです。もともとひとりポジショナルプレーもこなせる原川からすれば、周りに合わせて最適な立ち位置を見つけることは難しい作業ではないのでしょう。さらに、前列にはリカロドサッカーの肝であるフリーマンをこなせる渡井とよしおがいるのがずるいです。彼らは自分の持ち場を離れてビルドアップの出口となり、全体の立ち位置を動かすことを得意としています。

その他では原田の攻撃参加による非対称性とか、裏返すと、左サイドは機能しているのか?とか色々とツッコミどころはあるので、どこかのチームが暴露するのを待ちたい。あとプレッシングの設計が見事。細谷がセントラルハーフを抑えてサイドから出てくる形には妥当性しかなかった。

このようなボール保持を重視する柏の姿勢をスルーするように川崎は時間を過ごしていきます。今季は【442】のゾーンディフェンスをちゃんとやるよ!というわけで、マルシーニョも守備をしています。3バックにどのように立ち向かうか?と観ていると、配置を動かすよりは全体をコンパクトに保ち、無理をしない形で前進できるものならしてみなよ!という大人な解決策で迫っていました。

ただし、延々とボールを持たれると疲れてくるのも事実なわけで、川崎からすればそこまで相手の攻撃は脅威ではない!といいたいけれど、それなりに危ない場面があったよね、みたいな試合。相手との相性が悪いとも言えるし、こういう相手をプレッシングでねじ伏せるようになったら、川崎はえぐくなりそう。そういう意味では再戦が楽しみ楽しみ。

川崎の非保持は良いんだけれど、ボール保持がいまいち掴めていない。個々の選手の力量に支えられている感じ。いい意味で。密集アタックはなくなってきたけど、ほんのり密集をしている気がする。そういう意味では川崎らしさは別になくなってないとも言えるし。家長がいないだけかもしれないけど。このあたりはもう少し様子を観たい。ただし、このセントラルハーフコンビなら勝手に交通整理をしてくれそう感が強い。現状はシンプルにウイングとサイドバックに攻撃参加に橘田がうまく絡み合っているという感じでしょうか。

京都サンガ対浦和レッズ

開幕戦で岡山に負けたことで、監督にめっちゃ叱られていそうな京都。なので、この試合では火事場のクソ力を発揮していた。犠牲者は言うまでもなく浦和。リーグ戦ってときどきこういうめぐり合わせがあるのでやってられない。もちろん、逆のこともあるけどさ。

昨年の終盤も鬼の強さを発揮していた京都は、異文化交流みたいな試合だった。育ってきた環境が違うから好き嫌いは否めないように、育ってきた環境によって選手には様々な武器が付与されている、、はず。で、似たような武器を持った選手を揃えたほうがチームとしての力は増すのだけど、京都の場合は本当にいろいろな人がいる。人生は勢いが大事、みたいな選手もいれば、相手のギャップを探しながら常に立ち位置を模索するような思慮深い人もいる。

なので、試合中の表情もコロコロと変わる。恒例になっている原大智へ放り込んだり、立ち位置を意識したボール保持に傾倒したり。そしてその変身のトリガーがあるようでないようでどうなんでしょう?という感じ。これだったら繋がなくて3トップに放り込んだほうが勝てそうな気もするところだけど、みたいな。実際に広島の3トップとのドンパチにも勝ちそうだし。

浦和からすると、ハイプレに苦しんでいた感じ。神戸は多少は構えてくれたこともあって、渡邊凌磨を前に出す時間があったのでしょう。確かに神戸戦は【433】チックだもんな。セントラルハーフからインサイドハーフに可変してさらに裏に飛び出すなら理不尽なようで理不尽ではない。この役割をグスタフソンや安居に行わせるのは少し無謀かもしれない。だったら、最初から【433】でよくない?ということは言わない。

神戸戦のプレーに迷いがないように見えたことは、それだけ自分たちの立ち位置が整っていからなのではないだろうか。で、この試合は京都のハイプレでその時間が与えられずに渡邊凌磨の怪我による途中交代でこんがらがったというか。もうちょい蹴っ飛ばすかなと予想していたが、グスタフソンの登場で繋ぐ感じになったことは意外だった。ただし、グスタフソンがいても大幅に変化しないところは、昨年とやり方が変わったからなのかなと時の変化に思いを馳せるところで。

そして、神戸戦で機能した浦和の【442】プレッシングはこの試合では機能せず。原大智の位置が変幻自在することもロングボール争いで後手に回った印象を受ける。ロングボールの起点を抑えるか、終点を抑えるかは永遠のテーマだけれど、思い切ってラインを上げたいところ。でも、そうなると、キーパーの守備範囲も重要になってくるので、どうなるかは観てみたい。おれたちはいつだって【442】でやるなら、プレッシング開始ラインよりも、FWからDFまでの距離のほうが大事だったり。中途半端が最も危ない。

鹿島アントラーズ対東京ヴェルディ

開幕戦で散々だった鹿島アントラーズ。左サイドに松村、右サイドに小池。神戸もそうだけど、サイドバックの選手を一列前で使う策が流行っているのだろうか。

しかし、この配置ががっつりはまる。裏に走るよりは降りたいレオ・セアラと鈴木優磨。多少はレオ・セアラが裏狙い多めだったけれど、基本的には二人とも降りがちであった。そんなツートップに合わせて、裏に走れる松村、立ち位置を調整できる小池によって、前線のバランスが崩れなかったことが大きい。小池がサイドにはるわけではないので、濃野の飛び出しも可能になっているところがにくい。

実際の鹿島の配置とは異なるのだけど、2トップが降りてきて、ウイングが裏に飛び出すような形は、ちょっと前のブライトン風味。別に意識はしてないけれど、CFがCFらしく振る舞うことは必ずしも求められる時代ではないというか。

個人的に感じたのは鬼木監督ってキャスティング主義な印象はないので、選手の個性で解決するタイプなのねと驚いた。ただし、小池はもう少しボールに絡むと思ったけど、周りの味方の位置を優先する立ち位置で味方のプレーエリアを確保するタイプであった。小池がサプライズだとすれば、もうひとつのサプライズが樋口だろう。

サガン鳥栖時代に大ブレイクを果たした樋口はサイドとインサイドを主戦場としていた印象だが、まさかのアンカーの役割であった。これがなぜかはまる。動きながらボールを受けて味方にパスを繰り返してチームを支える樋口がハマっていた。確かに日本代表を思いだしてみても、柴崎は相棒に基準点になってもらい、本人は浮遊していた印象がある。ほら、序盤は遠藤とコンビを組んでいたし。

堅実な樋口のプレーとときどき垣間見せる柴崎の天才性の相性はいいかもしれない。ただし、問題は荒木である。鈴木優磨だけでなく、レオ・セアラまで降りたいとなると、荒木の居場所はあるようでない。このあたりをプレー原則で整理できるか?鬼木監督なのか、当面は個性の組み合わせによる解決を狙っていくのかは鬼のみぞ知る。

Jリーグ全体で個性による解決や個性の組み合わせによって改善するケースが目に映るけれど、プレー原則による解決も観たい。誰が出てもある程度は変わらんみたいな。プレー原則のうえに個性が乗っかるのが理想で、プレー原則なしに個性で解決してもその選手への依存度が必要以上に上がりすぎてしまうような。でも、そういうもんか。

東京ヴェルディは、メンバーは変わらないといいたいけど、見木システムをやめたことで、セントラルハーフコンビを解放できていないことがきつい。たぶん、このコンビは同じ場所でプレーすることで良さがでるタイプではない。相手がそれを許してくれればいいけれど。

ひとりごと

思い出しながら書くのがむずい。

気になった選手シリーズ。

柏は熊坂と原田。熊坂は本文で触れた。原田はベン・ホワイトロール。3バックの攻撃参加。

川崎は山本と河原がずるい。橘田が控えているのもずるい。

京都は福岡が異文化の中心にいる。どこか他のチームでセントラルハーフをやらせてみたい。平戸は福岡の攻撃参加に合わせてバランスを取れるところが秀逸。そもそも攻撃参加をする意味があるのか?と思うけど、田中聡リスペクトみたいなものだろう。

浦和は特になし。長倉がもっとみたい。クロス爆撃に合わせるのがサンタナだけではもったいない。

鹿島は樋口と小池をどこまで引っ張るか。柴崎がどうなるかは心配。荒木には頑張ってほしい。

ヴェルディは、セントラルハーフコンビに頑張ってほしい。

コメント

タイトルとURLをコピーしました