鹿島対浦和から考えるビルドアップとはなんぞやの巻

J2025
久々にJリーグを見た。
チャンピオンズ・リーグばかり見ていると、どうしてもチャンピオンズ・リーグが基準になってしまい、比較してしまうクラスタ。いやいや、別物と考えろや!というツッコミは甘んじで受け入れよう。この比較に関してだけは、不器用なのだ。以前に、セリエAを見たあとに高校選手権を見て、後悔したことを覚えている。見るなら、選手権を見てから、セリエAを見よう。何の話だ。
というわけで、多くの人を絶望に導いている浦和レッズさんの試合を見ようと思った。ついでに、鹿島も鬼木監督になってから、興味津々になってきているので、一挙両得とはこのカードのことだってやつ。
試合を振り返る前に、ざっくしりした感想を言うと、両チームはなんだか似ているなと。配置が一緒だったというよりは、プレーの基準が似ているように感じた。無理矢理に地上戦を選ばなかったり、スタンドアローンで戦えることがデフォルトだったり。ちゃんと比べると、バイエルンとPSGのように違うんだけど、強引なカテゴライズをすると同じになるというか、相似形というか。
で、本題の試合へ。
前半は浦和レッズがボールを持つ展開が多かった。鹿島が持たせてくれた面もあるけれど、持たされていたというほどに浦和にとってもネガティブなものではなかった。
根本、宮本の本本コンビは、精度の高いロングキックとフリーになった選手を見つけボールを通すのが上手。個の能力でどげんかするタイプのセンターバックなんだなと。そんなキックできるんですね!というパターンが多かった。
鹿島のプレッシングに対して、準備されたデザインを披露する場面も多く、ビルドアップに取り組んでいるんですよ!というのは本当だったんだなと。ロングボールも多かったけれど、それはそれで。ただ、この部分もスタンドアローンなんだな!というところが、スコルジャらしさなのか、浦和らしさなのかはわかりませぬ。
後半は鹿島がボールを持つ展開が多かった。浦和が持たせてくれたとも言えるし、浦和の体力が落ちていったからとも言える。前半の浦和のボール保持と比較しても、鹿島のボール保持は、より効果的に感じる要素が強かった。その要素はなんやねん!という話が本題になる。
鹿島のビルドアップは、濃野がいなくなり、3バックでビルドアップの形になる。かっこよく言えば可変式なのだけど、このように可変すれば、配置のかみ合わせで得するんですよ!という発想が非常にJリーグらしい。実際に時間の経過とともに、よりよくなっていった。
浦和からすれば、ハイプレマンツーの余波というか、なんというか、ゾーンディフェンスがあやふやになっていた。ハイプレマンツーからのゾーンディフェンスの移行は世界中で行われている、ハイからミドルへの移行なんだけれど、意外とグラデーションが難しい。あのひとはマンツーで、あの子はゾーンの約束事で動いて混乱することがあるある。
そこへ中央へ移動してきた鈴木優磨のフリーマンでより混乱に拍車をかけた鹿島が試合巧者でしたと。それにしても田川、レオ・セアラでフィジカルで無理がきくのはずるかった。相手がサイドバックなら鈴木優磨もそのポイントに無理なくできるのもずるい。
で、本題へ。
ときどきロングボールもビルドアップだ!というのだけど、それは決して間違っていない。ただし、ロングボールによって前進に成功するとは、ロングボールがマイボールになったことを意味する。
でっていう。
マイボールになりました。でっていう。
マイボールになってもそこから相手のゴールまでたどり着いたり、味方の攻撃参加を待つためにボールをキープできなければ、ビルドアップが成功したと言いたくない気持ちになる。もちろん、ヴィニシウスとエムバペみたいに、ソロで相手のゴールにたどり着けるなら、曖昧な裏への放り込みもパス成功率にカウントされるし、ビルドアップ成功になる?!のか。速攻やカウンター成功ってほうがしっくりくるけど。
そう、つまり、でっていうが鹿島のほうがうまい。スペインの言葉を借りれば、鹿島はみんなで一緒に前進している。浦和は前進しているけど、みんながバラバラで前進している。だから、ボールは届くんだけど、そばに誰もいない。まだまだソロでの活動は続く、みたいな場面が多い。それでもどうにかする金子はえげつないけれど、オリーセとルイス・ディアスでも連れてこないと大変そう。でも、彼らもここまで孤独ではないような。
鹿島のほうが選手の個性によって、ピッチの景色は変わるんだけど、味方をスタンドアローンにしていい場面とそうでない場面の切り分けが上手。そして、味方がそばにいるときのコンビネーションの意識も強い。
浦和はそのあたりが絶妙にかみ合っていない。なので、精度の高いクロスを放り込んでみる、もしくは誰かがソロで何とかする!みたいなゴールが多そうな気がする。ソロを導くのは誰かのひらめきてきな。スルーパスみたいなね。でも、ロングクロスに誰があわせるねん!なので、カウンターやサイドアタッカーの個人技爆発が多そう。
で、ウイングの個人技爆発にはライマーとスタニシッチが必要なんだけど、そういう仕事をサイドバックがやる雰囲気はあまりない。長沼は多少はあるか。サビオが内側に行く習性もあって。
このあたりがうまく機能するようになれば、結果が出なくてもなんとかなりそうだけど、そういうわけではないのが厳しいところで。
というわけで、みんなで前進できているかどうか。みんなで前進できていなくてもソロで何とかできるなら別にいいんだけどね、が今回の学びでした。
ではまた。

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