【第8節】Jリーグ短観シリーズ【浦和レッズ対清水エスパルス、サンフレッチェ広島対鹿島アントラーズ】

J2025

はじめに

春休み、油断していたぜ!こんなに忙しいとは!!みたいな日々です。そしてJリーグ、こんなタイミングで水曜日に試合をするなんて。いや、春休みだからやるのか!!と、普通の感性からは程遠い日々を過ごしています。気がついたら鹿島と浦和の試合しか見ていないので、今週は色々なチームをみたいけれどチャンピオンズリーグも架橋なんですよね。労働が邪魔とが思わないけれど、時間がない。

浦和レッズ対清水エスパルス

水曜日の埼スタ決戦。埼スタまで行こうかと当日まで悩んでいたが、雨が怪しすぎたのでやめてしまった。浦和が勝利したことを考慮すると、無理矢理にでも行けばよかったのかもしれないし、自分が行ったら負けていたかもしれない!とオカルトを持ち出してみる。

試合を思い出してみると、浦和が颯爽と先制して、その後はミドルブロックで構えて、清水のサイドチェンジにきりきり舞いにしながらも、高木と住吉の位置を清水が入れ替えたことで、サイドチェンジが減り、我慢大作戦へと変化していった。清水サポの人にはこの2人の位置を入れ替えた理由を教えて欲しい。松尾対策?どちらかというと、浦和に合わせたように見えた。

清水は【523】で構えて、浦和は自陣からのビルドアップを志向。西川の出番が多かったような。で、個人的にスコルジャのチームはある程度はやりたいことは完成している派なので、その色がこの試合ではさらに濃くなっているように感じた。問題は効果的に機能する気配がないことだろう。

チームの主力として、心中相手は渡邊凌磨とサビオ。渡邊凌磨の変幻自在の立ち位置は、渡邊凌磨の裁量の大きさを知るところとなった。サビオも同じで、サビオが大外と内側を行ったり来たりすることは、左右のサイドで差がない。石原が内側に移動してサビオへの花路を作り、松本が奥を取りに行く約束を見ていると、感じるものがたくさんある。

マンチェスター・シティが猫も杓子も【325】を広げていくなかで、彼らの立ち位置は【325】がスタートでそこから立ち位置が変化することで、全体への影響を及ぼしていくことが多かった。ボールを持ったときの個性に大きな差はあれど、動き方に選手によって差があったかというとそんなことはないことが特徴とも言える。例えば、デ・ブライネが大外レーンに降りながら流れてくる形は、フォーデンだって誰だってやるでしょうという話。

で、全体配置が先のチームと、個人の立ち位置が先のチームもある。クロップ時代のサラーなんかはさまにそれ。サラーの移動に対して、周りの選手が立ち位置を調整する。フィルミーノのスペースメイクもサラーたちを輝かせるための一歩。現象としては似ているんだけど、出発点の思想が異なるというか。

で、浦和の場合は、サラー役を渡邊凌磨とサビオがやっているように見える。2人が自由に振る舞い、各々の良さを発揮していくなかで、周りの選手は立ち位置を調整する。だから、安居と松本が重宝され、孤独にアタックできる松尾が出番を得ると考えるとしっくり来る。だから、渡邊凌磨の離脱は本当に痛かったのではないかと。本当の闘いはこれからだぜ!みたいな。でも、清水戦で機能しなかったように、たぶん、この先は行き止まりです。

プレッシングを眺めていると、サイドハーフの役割がぼやけている、というよりは、セントラルハーフの仕事が多すぎる感。インサイドレーンの守備はサイドハーフがやってもいいのではないか?派閥なんだけれど、浦和のサイドハーフはサイドバックと連携してカバーリングを行う場面が少ないような気がする。いつもセントラルハーフが信じられない距離を走っているというか。ヘグモ時代の伊藤敦樹も恐ろしい距離を走らされていたような。このあたりは要調整なのかもしれない。つまり、ハーフスペースを誰が守るんだ問題。

清水は後半の3トップがスタメン組?!だとしたら、松崎が報われているようで嬉しかった。この試合では決定機を外してしまったけれど。引き続き、頑張ってほしい。

サンフレッチェ広島対鹿島アントラーズ

スキッベ監督ってどういう評価なんでしょうか。ブレないところはえぐいんですが、同じ方法論で延々と殴り続ける強さを延々と継続している気がしています。いや、それでも結果が出ているんだから問題ないやろ!と言われればそうなんですよ。だから、別に文句はないんです。

セントラルハーフが前線に加わっていき、前線の立ち位置がカオスになるところや、3バックの攻撃参加とやっていることは選手が変わっても変わりません。ただし、選手の個性が盤面に影響を与えることは別によしとしている気がします。それがチームの利益になるならば、チームとしての幅を見せつけることにもなるからです。

前線の流動的な立ち位置の変化もバグといえばバグだし、幅といえば幅なんですよね。3バックが耐えきれるか、3バックが耐えきれないときにラスボスの大迫がどれだけ良い意味で試合を壊すか、そして得点を決めまくるストライカーが出てくるかどうかが昨年と同じ課題になりそうな予感です。問題はこの課題をクリアーする気があるようには見えないところ。でも、この課題を解決しようとして、今の良さがなくなることのリスクのほうが大きそう。

マンマークや前線の制限で相手の良さを消しながら、困ったときのロングボールに屈強な3バックが対応し、流動的な立ち位置と後方からの攻撃参加で攻撃に厚みを加えて試行回数を増やしていくサッカーは、確かにJリーグで猛威を振るうことは間違いないわけで。そんな広島が抱える課題みたいなものを解決するのは選手の個性やアドリブだったりするのかもねと感じる試合でしたとさ。

で、鹿島。芸はかわらないけれど、段々と上手になってきている気がする。特に舩橋と樋口のコンビがスタメンで、最後に柴崎と三竿に交代する采配が面白かった。広島のマンマークをかわすために機動力のあるコンビで臨み、試合が落ち着いた最後には別にそんなに動く必要がないので、柴崎の必殺技に期待みたいな。時間や展開を味方につけたような采配。

この試合では早々に濃野と小池の位置を入れ替えたのも面白かった。相手に捕まり気味のなかで、小池による立ち位置による優位性やバランスの維持よりは、濃野のスペースアタックでかき回すが間違いなく正解。そして鈴木優磨がゴール前から離れてしまう問題については、レオ・セアラ、チャブリッチ、その他面々の突撃でなんとかしつつ、セントラルハーフの攻撃参加で撹乱と芸が染みてきている。

時間とスペースを繋げないけど、ボールはめっちゃ蹴られるコンビも徐々にチャレンジはしてきている。安西は相変わらずうまい。ポポビッチの遺産である左サイド密集攻撃は今季も活用できている。あとはフィニッシャーの問題だけ。レオ・セアラがちゃんと決めたり、セットプレーが今季も決まったり、濃野が今年はどれだけ決めるのか問題。あとは鈴木優磨をフィニッシャーとして前におけるかどうか。

ここまでの結果は、内容と比較すると少し出木杉くん感はあるけれど、根拠も備わっているので、しぶとく強く生き残っていくのではないかと。ただ、鈴木優磨とレオ・セアラによるハイプレッシング合戦と、ボールを持って時間を稼ぐことはまだできないことの合せ技に少しの不安は残るところですけどね。

ひとりごと

これで追いついたぜ。ここから逆襲が始まる。

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