はじめに
さて、気がつけば3期目といつまで続くんだ森保監督の日本代表。カタールワールドカップが終わったあとに、「今度こそ君だけは、幸せにしてみせるよ」と言わんばかりに、2期目に突入するかなと、当時は予想していたが、まさか3度目があるとは予想だにしていなかったわけで。
しかも、アジアカップまで限定。言われてみれば、近年の日本代表はタイトルから遠ざかっている。キリンカップはタイトルに数えるのかどうか。というか、国際戦のタイトルマッチなんて数えるほどしかないじゃないか!とツッコミたくなるつぶやきだった。
というわけで、アジアカップで優勝、さらに親善試合もできる限り勝ちまくることで、FIFAランキングを上げる必要がある日本。ずいぶんとシッチャカメッチャカなオーダーであるが、「今度こそ、うまくやってみせるよ」ばりにタイムリープしている日本代表についてみんなで考えてみたい。
松木の右ウイングバック起用の意図
堂安のサウジアラビアには行かへんで!報道とともに、松木の「右ウイングバック」という言葉が流れてきた。ワールドカップを経て、堂安と中村敬斗のウイングバックはやはり無茶だった!という結論が出た!と個人的に思っていたので、松木の「右ウイングバック」はシンプルに驚いた単語であった。なお、左ウイングバックには中村敬斗が元気よく出場していた。
アジアカップ以後に監督になる大岩監督は【4123】と【4231】のハイブリッドのようなサッカーをするイメージがある。まあ、その2つを行ったり来たりをわざわざ書くことでもないくらいにスタンダードになっているけど。もちろん、配置でサッカーをやるわけではないが、いわゆるウイング気質、ボールプレイヤーをウイングバックで起用する方法を大岩監督が踏襲するとは少し考えにくい。
となると、アジアカップ以後のことを考えると、ワールドカップの反省も兼ねて、チーム森保もノーマルな選手起用になるかなと勝手に予想していた。選手起用の癖がなくなることで、新しい4年間への歩みを始めるんです!というアナウンスにもなり一石二鳥ではないかと。
しかし、森保監督の選択は、ワールドカップの延長戦であった。鈴木唯人、佐野航大の起用も含めて、もしもワールドカップで彼らが使えたら!みたいな「if」を感じさせる采配が余計にワールドカップの延長戦を感じさせる文脈を強化したことは間違いない事実だろう。
考えとしては2つある。後述するが、親善試合の一発目は欧州組のコンディション不良に悩まされることが多い。「合流したばかりの選手はあんまり起用しないよ」と監督の発言にあったように、初戦よりも次の試合のほうが日本代表の選手たちは嬉々としてプレーすることが多い。
だからこそ、コンディションがあんまり良くないだろう初戦は慣れ親しんだ形でサッカーをすることを選んだ可能性はある。次から新しいことをやるよ!というのは理にかなっている。実際に試合をみても、これまでの森保監督の【325】をそのまま素直に実行しているように見えた。
ワールドカップの少し前から見せたインサイドハーフの集合こそ少ないものの、インサイドハーフの内側から外側への動き、佐野海舟や田中碧のサリー、サリーに連動して+1になる鈴木唯人、両センターバックの攻撃参加と、これまでの詰め合わせであった。
つまり、新しい形は次節から説。
もうひとつの説は、結果を出さなければいけないなら、このままでいいよね説だ。特に日本代表が3バックを導入した理由は、アジアカップでハイボール大作戦に屈した文脈がある。実際に、中村敬斗、堂安のウイングバックでアジア最終予選を圧倒的に勝ち抜いたことも踏まえると、この配置でアジアカップも戦い抜くほうが結果が出る可能性は高い。
それでもウルグアイ戦は相手のハイボールに苦しむ場面もあり、さらに中村敬斗サイドを執拗に狙ってくるウルグアイの長所とのかみ合わせは不運だったのかもしれない。後半に登場した相馬も裏を取られて危ない場面があったとは裏腹に、相手のウイングとマッチアップする松木はまったく記憶に残っていないので、ウルグアイは右サイドアタックを得意としている可能性が高かったのだろう。
まとめると、2戦目、3戦目と観ていかないとわからないだろう。どこかで4バックもやると予想しているが、3バックで駆け抜けたらまじでびびる。でも、そっちのほうがアジアでは結果が出る!というのは間違いのない事実だろう。
肉でも魚でもない試合になった理由
結論から言えば、それなりに本気で挑んできたウルグアイを相手に、のらりくらりとしながら、最終的に勝ちきる日本代表という構図は何度も繰り返されてきている。我々世代は海外サッカーへのリスペクトが過ぎるので、ウルグアイに勝つなんてすげーな!となるが、ここまで繰り返されると、試合に勝つことを評価しすぎることもまた違うのかもしれない。
日本もウルグアイも、選手によってコンディションにばらつきがある試合となった。日本は前田大然がワントップで起用された。谷村海那は基準を満たせなかったのかどうかが気になるところだ。合流して即スタメンで前田大然を起用しなければならなかった理由がどこにあるのかは誰かに聞いてきてほしい。なお、佐野航大は期待満点だったからだろうという理由で納得できる。
佐野兄弟のセントラルハーフコンビはいい場面もあれば良くない場面もあった。特に佐野海舟はらしくないミスを連発していたが、後半に登場する鎌田も伊東も、普段ならしないようなミスパスをしていたので、欧州から帰国で即試合はこちらの想像以上に大変なのだろう。
この状況に拍車をかけたのがウルグアイのハイプレッシングだった。【4312】をベースに、ときには佐野兄弟にマンマークで仕掛けてくるウルグアイのハイプレッシングに対して、日本は時間とスペースを貯金することないまま、前線にボールを届ける場面が多かった。松木が空中戦の的になる場面に期待したのだが、記憶にない。なお、松木を前に押し出す形は準備されていたのだけど。
頑張る堂安と前田大然だったけれど、ハイボールを収めるのは上田綺世である。でも、上田綺世はいないので、日本は困ったときにロングボールを効果的に使うことができなかった。となれば、地上戦で頑張ろうとなり、早川が困る場面が何度も観られる展開となり。そのうちにひとつが失点に繋がった試合となった。
ウルグアイのビルドアップには、前田大然を中心にハイプレッシングで対抗する姿は、森保監督らしいチームだった。10分過ぎから日本がミドルプレッシングに変更する場面ではベンタンクールのサリーが観られ、日本のウイングバックの前後を狙うウルグアイの意図はなかなかおもしろかった。
日本からすると、3バックの迎撃で役割分担はできていた。けれど、ときどき個の能力ではがされれてフィニッシュまで持っていかれる場面がたびたびあり、ウルグアイからしても、日本のハイプレッシングをビルドアップで突破する→無理ならロングボールや前線の選手に早めにボールを入れるがそこそこ機能していたので、無理をする必要もなかった。
というわけで、どちらがボールを保持するでもなく、どちらもボール保持の時間を長くして試合をコントロールしようという雰囲気もなく、交互に前線の選手が殴りながら試合はたんたんと進んでいった。この流れは日本が先制することで、その雰囲気を増していくことになる。
で、この膠着状況を破壊する日本のスタメン組の登場というストーリもよく見かけたよなーというか。時間がたつにつれて親善試合名物というよりサッカー名物の無秩序な時間で個々のフットボーラーとしての質が試される時間に元気な上田、久保、伊東はずるい。あと、ポケ凸をする選手は純足のほうが絶対にいいと思っているので、堂安は左シャドウにチャレンジしてほしい。無理かな。
後半もウルグアイの局地戦に苦しみ、枠には飛ばなくてもシュートを打たれまくる早川。早川にはJリーグのシュートとどう違いましたか?と誰かに聞いてほしい。何となくびっくりしているようなプレーが多く見られた、いつもの早川ならキャッチするボールも弾いていたのが気になるところだ。
それでも新たなパルプンテ枠こと塩貝が二度の強引なドリブルからの上田にお膳立てをお願いするキャラ変に成功し、最後のウルグアイのパワープレーをカウンターに繋げ、久保、伊東からの上田でダメ押しを決めるのだから日本はやっぱり強かった。
ひとりごと
再現性のない再現性というか。いや、もちろん、勝つのは大変なことなんだけど、試合内容まで再現しているかのように錯覚するチーム森保であった。ただし、日常の続きが、あの非日常での結果に繋がるか?というと、その角度からは新たなチャレンジは見られなかった。これが初戦だからか、終わりなき日常が続いていくのか、残りの試合を楽しみにしたい。

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