パコ・ヘメス対4-4-2 ~ラージョ対エルチェ~

Paco Jémez

勝つか負けるか、引き分けなど考えられないという代名詞を持つパコ・ヘメス率いるラージョ。しかし、開幕して2試合はなんと引き分け。勝つか、負けるかそれが重要だと言っておきながら、引き分け祭り。そしてこの試合ではとうとう引き分け以外の結果が出た。そんな記念すべき第3節の相手はエルチェ。知っている選手はコロミナスくらいか。

myboard

マヌーショではなく、レオをスタメンに起用したラージョ。その他では、左サイドバックをインスーアに代えている。

myboard1

ラージョはいつもの変化を見せる。相手が4-4-2だったこともあって、アトレチコ・マドリー戦の再現を狙う。しかし、サッカーは相手のあるスポーツ。エルチェがアトレチコ・マドリーと同じ動きをするとは限らない。

myboard3

デポルティーボ・ラ・コルーニャが見せたように、サイドに流れる選手も積極的に捕まえに行くエルチェ。しかし、エルチェの狙いとしては、マンマーク気味のプレッシングをかけることで、ラージョのミスを誘う。そして、ショートカウンターを仕掛ける展開に持ち込みたかったのだろう。前節で見せたように、ラージョはジュニアなミスをすることも大いにあるので、計算としては間違っていない。間違っていたのは設計の問題であった。

myboard2

ラージョはキーパーへのバックパスを交えながら、相手の守備の形を観察。ずいぶんと前から奪いに来るけど、ブエノがフリーであることに早々に気がつく。そして、ブエノはビルドアップを助けるポジショニングができる選手なので、早速ボールを引き出すために動き始める。よって、ラージョは相手の守備を分断する格好で試合を進める機会を何度も手に入れることができた。

myboard4

何を捨てるかが重要。ブエノを捨てている場合ではなかったエルチェ。また、マンマークでいっても得られるメリットもそんなになかった。プレスがはまったとしたら、ラージョはボールを蹴っ飛ばす。自然の摂理に逆らってまで地上戦に命をかけているわけではない。よって、エルチェは1列目に頑張れ作戦に切り替える。このような状況になると、ラージョは簡単にボールを保持できるようになる。バエナも相手の間でボールを受けることをまったく躊躇しないどころか楽しみ始める。こうして自陣エリアの支配に成功したラージョのボール保持率は70%を超えることととなった。

試合展開はラージョがボールを保持して仕掛ける。エルチェは耐え忍ぶ展開となる。しかし、先制点を決めたのはエルチェ。直接フリーキックをアルバカルは左足で叩きこんで先制。直後にラージョの後方からのビルドアップから最後はカクタが決めて、あっさりと試合は同点になる。今までの試合と同じように、ハーフタイムや試合の終了が近づく時間帯になると、相手の寄せの距離が甘くなり、より自由にプレーできるラージョの面々が目撃されている。

後半になると、エルチェがちょっとだけ前に出てくるようになるが、試合への影響は大きくなかった。しかし、決して技術があるわけでもないチームの宿命か。中盤でボールを失うと一気にカウンター発動。序盤にイエローをもらったアブドゥライエ・バは相手をスルー。ゼ・カストロは間に合わずにジョナタスに華麗にゴールを決められる。怒り心頭のパコ・ヘメスはまさかの変身をチームにかす。

myboard5

ゼ・カストロのワンバック。思わず笑ってしまった。アキーノとカクタが相手のサイドバックと対峙したら、中央の選手が相手のサイドバックとセンターバックの間を走り抜けてエリア内に侵入する形を何度も行った。そして、相手のゴール前をクロスが横切る形が何度も繰り返される。同点ゴールも時間の問題かと思ったが、相手のシュートがバエナに当たって方向が変わり、まさかの3失点目をくらう。さすがにこのシステムでは守りきれるなんて都合のいいことも起きなかった。

それでも諦めないラージョはロスタイム直前にPKを奪う。これをブエノが決めて、最後に猛烈なパワープレーを見せるが、ゴールに届かずに終了。こうしてホームで2-3という派手な打ち合いをしたラージョであった。

myboard6

サイドバックが高い位置を取れないときは、ブエノ、レオがサイドハーフの役割を行う。おまけでした。

コメント

タイトルとURLをコピーしました