PSGの【334】を匂わせる戦術についてみんなで考えたくて

開幕戦で3バックを全員左利きで揃えるような歪なスタメンを披露したパリ・サンジェルマン。二戦目になり、ようやくガチスカの全容が見えてきて安心している。3バックのうち二人は、未だに左利きだけれども。ちなみに上記はモンペリエ戦のスタメンだ。

というわけで、いつものごとく、相手を除外する机上の空論でやっていく。机上の空論場と誰かに言われたのだけど、九龍城とかけているのだろうか。

開幕戦の配置を【3151】と表現して、それも別に外れていないのだけど、【334】とするほうがしっくり来る。世界最強左サイドバックにノミネートした記憶のあるメンデスが、地味に3バックのセンバをやらされているところが面白い。メンデスに不平不満はないのだろうか。一方のハキミは、ときにはCFの位置にいて驚かせてくれている。

パリ・サンジェルマンの配置がなにか?は、ハキミの位置で決まりそうな予感。でも、どれでもいいけど。大事なことは位置よりも役割。3バックを仕切るのは、たぶん、マルキーニョス。この試合で起きた乱闘騒ぎでも、落ち着いた振る舞いを見せていた。パチョはまだ馴染んでいない雰囲気を醸し出しているが、ポテンシャルは抜群。左利きなこともあって、メンデスが攻撃参加しても、利き足の並びで問題は起きない。

攻撃参加するメンデスはやはり厄介なのだけど、バルコラが大外に陣取っている関係で、あまり積極的ではない。バランスの維持を強く指示されている可能性もある。この試合で目立ったのは、3センターの誰かがサポートに来たら、前に上がっていく形。サリーに合わせて可変しているというべきか。

右サイドはデンベレとハキミが仲良しであることをアピールしているようである。そして、健康なデンベレは理不尽枠として健在。マルキーニョスが攻め上がってくることはないので、仲良しコンビをサポートするのは3センターの誰かが基本路線となる。なお、アセンシオが登場することもあるが、稀。

基本的にはバルコラがえぐい。シーズンが終わる頃にはブレイクしているかもしれない。特にはメンデスも来るが、それは最大火力が必要になったときだろうか。この試合ではデ・ブライネが得意としている降りる動きでヴィティーニャたちがスペースメイクをして、バルコラがスペースアタックをするシンプルな形も利用していた。足元で受ける形と、スペースで受ける形。

さて、ここからが本題。

パリ・サンジェルマンの3センタ-こと、ヴィティーニャ、ネヴェス、ザイールエメリは、懐かしの森保ジャパンの3センターを彷彿とさせる。エクアドル代表に破壊されたアレ。ただし、完成度は雲泥の差がある。まるで、守田、田中、遠藤をディスっているようだけれども、パリ・サンジェルマンのトリオは、いくらまで値上がりするんだろうと心配になるくらいに様々な能力を兼ね備えている。

【334】だとすると、最初に目につくのは左ハーフスペース要員はいない。ここに3センター+アセンシオの誰でもいいから移動して構わない。もちろん、移動しなくても構わない。3センターから移動すれば、ダブルセントラルに移行するし、アンカー+トップ下のような形も可能だ。アセンシオが移動した場合は、デンベレたちが中央を使う可能性もあるし、3センターが前に出ていっても良い。

3センターの全員が、アンカー、インサイドハーフ、トップ下、その気になったら裏抜け要員をこなすことができるので、このエリアのポジションチェンジというよりは役割を交換する動きはスムーズに行われる。誰がどの位置で、どの役割でもこなすことができるからだ。特に3センターは時間とスペースを味方に配る、無駄にしないことは当たり前で、自らドリブルで時間とスペースを作ることだってできてしまう。

ゾーンディフェンスとマンマークのせめぎあいのなかで、近年は人を基準とする守備戦術が流行ってきている。その解答のひとつがポジションチェンジアタックになるのだけど、パリ・サンジェルマンの3センターはちょっと捕まえきれない。少しでもフリーにすると、ボールを運ばれるし、サイドチェンジもされてしまう。

だからといって完全に捕まえれば、サリーと裏抜けを行うようなメンツなので、ポジションチェンジに縦への移動を加えてきて、そこにアセンシオと、ときどき他の人まで混ざってくると、もうやってられなくなる。【325】、【3124】、【3214】、【3151】、【3142】と考えただけでも、様々なパターンが可能となり、これを選手の位置を入れ替えながら行うことができるわけだ。

ちなみに、プレッシングの強度も鬼。彼らが最初の防波堤となり、大抵はボールを奪ってしまう。時間を稼げば、ヌーノ・メンデスやハキミの快速コンビも守備に間に合うし、最後に控えるのはマルキーニョスとドンナルンマというめぐり合わせだ。

というわけで、チャンピオンズリーグで死の組み合わせに放り込まれたけれど、それなりにやってくれそうなパリ・サンジェルマンであった。

ひとりごと

たぶん、センターフォワード次第だろうな感があるけれど、ゴンサロ・ラモスが怪我でしばらくは欠場なので、コロムアニにするのか、アセンシオパターンで3センターと役割を一部共有するのかは、始まってみないとなんともいえないだろう。チャンピオンズリーグで早々に優勝候補に当たって惜しい試合を繰り返しているイメージが強いので、今季も要チェックチームである。

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