5レーンをめぐる攻防とワントップとトップ下の未来 2021.3.1 LaLiga 第25節 ビジャレアル対アトレチコ・マドリー

「さて、今回はビジャレアル対アトレチコ・マドリーを振り返っていきたい」

「この試合を選択した理由は、プレミア・リーグに飽きてきたことと、この両チームに興味があるからだ!」

「ビジャレアルはヨーロッパリーグは勝ち残っているけれど、リーグ戦は不調らしい」

「アトレチコはチャンピオンズリーグで切ない負け方をしているけど、リーグ戦では首位。ただし、最近は調子がよくないみたいだけどな」

「アトレチコはシメオネ式ポジショナルプレーに近年は取り組んでいる」

「昨年のマドリード・ダービーは、トーマス・パーティーを中心にボールを保持して試合に臨んでいるアトレチコの記憶がある」

「相手をどこにしてもボールを保持するんだという意思を貫こうと思えば貫ける雰囲気は出てきている」

「しかし、勝てるかどうかは別、という世界線にいたので、後半は442に戻すことも多かったと記憶している」

「ネタバレをしてしまうと、この試合は開始15分で442に戻している」

「今期が首位にいる理由はなんじゃろう?と考えると、スアレスが得点を決めまくっているから、としか仮定できない」

「得点を決めてくれるスアレスだが、アトレチコの最大の長所であるプレッシングの強度を落としていることも見逃せない事実だけどな」

「早速だが、試合内容に話を移していく」

「シメオネ式ポジショナルプレーは343と3412の合いの子のような雰囲気だった」

「コケはアンカーのつもりでプレーしていたように感じたけどな。ジョレンテとコレアのレーンが重なるんだけど、それがバグとして相手に襲いかかるというか」

「ただ、ビジャレアルのボール保持の前にたじたじになる場面が目立った。いわゆるコケの脇を使われる場面が目立った。アンカー脇という王道だな」

「ビジャレアルは中盤に時間とスペースを味方に配給しまくっている選手がいた」

「誰かな?と調べてみると、パレホ。ヘタフェ時代から考えると出世したものだと」

「ここからが本題になるんだけど、ビジャレアルのボール保持の形が面白かった」

「たけふさくんのライバルだったChukwuezeは右の大外レーンを主戦場とする」

「左ウイングかなと思っていたモイ・ゴメスとトップ下だったトリゲロスはハーフスペースを分け合っていた」

「で、左サイドバックのペドラザが左の大外レーンを主戦場として、エースのモレノが中央レーンと」

「で、後方に控えるのがパレホとカプエ」

「猫も杓子も343だな」

「そういう色眼鏡で見ているだけなのかもしれんけどな」

「これがアトレチコ対策なのか、いつものビジャレアルなのかはビジャレアルをいつも見ている人に譲るとして」

「コケの脇でプレーするトリゲロスたちに手を焼いたシメオネは442にさっさと変更する」

「ビジャレアルは中央3レーンの使い方が巧みだった」

「相手の隙間で活動することが得意なモレノが中央レーンに閉じ込められないように、モイゴメスたちがレーンを交換したり空けたりしていたからな」

「それで右サイドからはChukwuezeがアイソレーションで迫ってくる」

「完全にビジャレアルのペースかと思いきや、先制したのはアトレチコ」

「しかし、試合の流れはビジャレアル!を証明するのが後半のシメオネの修正」

「後半から541に変更」

「意図としてはリードしている。5バックのほうが3バックへの変化は楽。そして、5レーン攻撃をしてくるビジャレアルにマンマーク気味に対応する意図もあったのだろう」

「ボール保持はあんまりだったけどな」

「しかし、相手のミスに乗じてジョアン・フェリックスが追加点を決める」

「ただし、その前にビジャレアルは選手交代で面白い采配をしていた」

「なので、それについて話したら今回は終わりということで」

「5レーンでレーンチェンジをしたり、5レーンからいなくなったりという配置は、相手からすると、非常にめんどくさい」

「迎撃型の3バックが登場した背景にはライン間のポジショニングへの対応という背景があった」

「で、今はさらにライン間からい動きまくる時代になってきている」

「でも、最終的に5レーンに戻ってくるんでしょう、というよりはゴールに来るんでしょ、だったら待っているよ、5レーンを埋めてね、そんなターンになっている」

「シメオネは6バックで世界を驚かせていたけどな」

「で、ビジャレアルの手は面白かった」

「エストゥピニャンを入れて左サイドの質的優位を確保する。両サイドからえぐい選手が仕掛けてくる状況を作ることで、大外レーンをスルーさせないようにする」

「王道だな」

「次にバッカを入れて相手のセンターバックに基準点を作る。最後にトップ下にモレノを配置する」

「実際にはトップ下だったか怪しいけどな」

「この手法の面白いところは、古来から伝わるピン留めをCFで行い、あとの二人は自由にするところにある」

「実は昔々オランダにヒディンクさんという有名な体育教師がいたんだけど」

「体育教師はファン・ハールだったような気がするけどな」

「ヒディンクいわく、相手が3バックでこっちが1トップだったら勝ちらしい」

「さすがシステムかみ合わせ論の国だな」

「でも、真理もあって、たしかに両脇のセンターバックは何をするねん、となる」

「余談ですけど、中央の3レーンにFWっぽい選手を使わないと、スペースの突撃回数が減る、という問題が起きる」

「降りて4レーン!などのポジションチェンジをしていても、ゴールからは遠ざかっていくわけだからな」

「誰も飛び出してこないなら、そのエリアを捨てるという危険な賭けも成立するわけで」

「ちなみに、シティはギュンドアンとジェズス、チェルシーはヴェルナーとマウント、バルサはデ・ヨングが飛び出してくることでこの問題を解決しようとしている」

「だから、後半からバッカを入れてそのエリアを狙える選手を入れるのは理にかなっている」

「そして、ハーフスペースで捕まっていた選手を自由にすると。トップ、トップ下で3バックに挑むのはちょっと面白いかもしれないな。あえてレーンを重ねると」

「しかし、ビジャレアルは追加点を決められないまま、試合を終える」

「めっちゃチャンスもあったけれど、なぜか守りきれるアトレチコ」

「流石としか言いようがない」

「ただし、シメオネに修正を何度もさせたビジャレアルの攻撃やバッカ後の猛攻も含めて、ビジャレアルの振る舞いを否定することは難しいけどな」

「負けたから簡単に否定できるけどな」

「それがとても世知辛い世の中だなと思う」

「最後にたけふさくんについて少し」

「この試合を見れば誰でもわかるが、Chukwuezeはちょっとえげつない」

「大外レーンであの仕事をしろ!というのは無茶だな」

「となると、モイ・ゴメスとの争いになるわけだが」

「チャレンジしてほしかったな」

「ヘタフェでも試合に絡めていないようなので」

「独特な移籍マーケットでの振る舞いをしているたけふさくんなので」

「次の一手が非常に興味深いのだけど」

「意外とレアル・マドリーに残ったほうが良かったかもしれんな」

「たぶん、枠の問題が大きそうな気もするけど」

「そんな未来に期待して」

「さらばじゃ」

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