欧州の香りがとうとうした川崎フロンターレ 2021.3.6 J1 第2節 ベガルタ仙台×川崎フロンターレ

「さて、今日も川崎フロンターレを巡る旅を続けていく」

「今日の相手はベガルタ仙台。まさかの帰ってきた手倉森である。今年は帰ってきたシリーズが多いJリーグであった」

「この試合の川崎はターンオーバーを実行していた」

「それゆえに異なる表情を見せる川崎の振る舞いはなかなか興味深かった」

「川崎といえば、ヤッヒーから続くボール保持を基軸に添えているイメージがあった」

「しかし、今季の川崎を見ていると、プレッシングの強度のほうが目立っていている」

「この試合で言えば、ロングボールも多かった。ロングボールの的になれる小林悠の存在感によるものも大きかったが、ボールを失ったら失ったで奪い返せばよい!という雰囲気を感じさせるものだった」

「長短のパスを使い分ける、とはよく表現されるが、まさにそんな形だったな」

「はっきり言って、リヴァプールみたいだなと率直に感じたけどな」

「ボールを失ったときのプレッシングは鬼の強度を見せていた」

「開幕から継続して相手のボール保持をプレッシングで破壊していることは見逃せない事実だな」

「で、ボールを奪ったらボール保持を安定させるよりも相手のゴールに迫っていくことが多い」

「リードしているときもオープンな殴り合いをしているのはどうか?という疑問が今までの試合ではあったけれど」

「どうやらオープンな殴り合いもメインの表情であることは間違いないな」

「それを可能とするのが前線の選手の質の高さ」

「目の前の相手をぶっちぎることはできなくても、ボールを失うことないし、パスでチャンスメイクをするだけの力は持っている」

「強いな」

「えげつないほど強いな。ちなみにボール保持が巧みなチームは上手いと表現されるが、トランジションが巧みなチームは強いと表現されることが多い」

「つまり、上手くて強いのか」

「続いては川崎の配置について見ていく」

「基本的な配置は433」

「センターバックが果敢に運ぶこともあるけど、それは奥の手な雰囲気がある」

「ビルドアップではレアル・マドリーのようにインサイドハーフがボールを迎えにくる形が多い」

「そして、サイドバックが高い位置を取る。サイドバックとウイングでレーンを配分しながら、インサイドハーフを攻撃の起点にすることが基本形に見える」

「つまり、サイドバックとウイング、インサイドハーフのトライアングルで相手のサイドの攻略を狙う」

「433時代のマンチェスター・シティもこの形を好んでいたが、最近に見たレアル・マドリーのほうが似ている」

「インサイドハーフが降りる形も定跡になりつつある、ということだろうな」

「トライアングルの変化をもたらす形として、センターバックが持ち上がってきたり、アンカー、もう片方のインサイドハーフ、CFが近づいてきて三角形が四角形になることもある」

「この試合では橘田がよく右サイドに現れていた」

「ただし、基本は三人の関係性で行い、パターンとしてハーフスペース突撃を二連撃で行う形はこの試合でも見られた。特に山根が好んでこの動きを行っている」

「相手がハーフスペースを埋めるなら、最初に囮の動きでハーフスペースにいる相手を動かして、二発目が遅れてくる」

「この三人のコンビネーションは死ぬほど練習している、というか、阿吽の呼吸に高めているように感じるな」

「遠野も長谷川も大外レーンにこだわらず、他の選手が大外レーンを埋めてくれることで、幅広いプレーエリアでのプレーが可能となっていた」

「ただし、最近によく見られるのがハーフスペースと大外レーンではなく、大外レーンを二分割しているような配置だな。選手同士の距離がちょっと近い。でも、相手からすれば厄介な手になっているというか」

「相手が中央を固めているとかでなく、サイドからの崩しが普通にできることはえらい。今は中央圧縮の442や532が全盛期やからな」

「サイド攻撃を得意としているのはバイエルンに似ている。そして、相手がサイドを警戒するようになったらサイドチェンジや中央突撃で行くのだろうと」

「クロスに対して小林悠の裏に誰かが必ずいる形も非常に良かった」

「あれでゴールを量産しそうな気がする」

「ボールサイドでないハーフスペースに誰がいるかは地味に重要な項目となりつつある」

「CFでが自由気ままに動き回る時代になりつつあるからな。ゴール前に誰もいない状態を避けるためには突撃者が必要になってくる」

「というわけで、この試合の川崎の中身はかなり欧州の香りがした」

「逆に言えば、家長や三笘がいるときはこのように感じなかったことがちょっと面白い」

「それだけ彼らが試合にでているときは彼らの長所を発揮できるように調整している可能性はある」

「というわけで、この試合の川崎をまとめると、ストーミングみたいなハイテンポなサッカーを中心にしつつも、ときどきボールを保持する表情も見せていた。両者のクオリティは高く、えげつない強さであったと」

「リヴァプールみたいな時間もあれば、レアル・マドリーみたいな時間もあった」

「ちなみに、後半はかなり弛れた」

「前半で4-0になったのでしょうがない」

「途中から出てきた家長は相変わらずゆっくりとしていたし、三笘はエグいドリブルをしていた」

「ベガルタ仙台についても少し」

「長崎でモダンなサッカーに目覚めた!と言われていた手倉森監督だったが、川崎の強度に飲み込まれる形となった」

「マルティネスが途中から中央になったときはクレイジーだと思ったけどな」

「恐らく人の入れ替えによって守備の強度の調整を図ったのだろうけど」

「そういう問題ではない気がしたけどな」

「川崎のボール保持をガチで防ぐとすれば、451か541でトライアングルディフェンスに対して人が余る状況で迎撃を繰り返すしかなさそうだな」

「それか相手の枚数に合わせて死なばもろともプレッシングだろうな」

「後半は盛り返したけれど、相手の事情もあるわけで」

「というわけで、ベガルタ仙台目線からは多くは語れない試合となった」

「それだけ川崎の強度が鬼だったな」

「こうなると、次の川崎の試合のメンバーと試合内容が気になるところで」

「では、さらばじゃ」

コメント

  1. 川崎サポ より:

    試合分析とても興味深く拝見させていただきました。
    会話形式だと分かり易くて良いのですが、
    たまにどちらの発言かわからなくなるので出来れば文頭に、太郎「ほげほげ」のように名前を入れていただけると助かります。
    ご検討お願いいたします。

タイトルとURLをコピーしました