「さて、今日は鹿島対名古屋の試合を振り返っていきたい」
「今季になって初見の名古屋について色々と語りたいところだが、鹿島を中心に振り返っていく」
「今日の鹿島は荒木と松村がスタメンに起用されていた」
「実は昨年から感じていたことなんだけれども」
「なんだ?」
「後半に選手交代したあとの鹿島は、選手の配置が整理されていることが多かった」
「ザーゴの修正が上手いということか」
「シンプルに若手のほうが個人で隙間でボールを受けられるし、トランジションの速度にもついていける!そんな理由が大きいと思うんだけど」
「チームの抱えている問題を選手の個性でどうにかする!という采配か」
「で、この試合はそれとはまた別な修正な雰囲気を感じることができる試合だった」
「そんな雰囲気について詳しく見ていくとしよう」
「ついでに名古屋についてもちょろっと触れることができればと」
「大雨、強風とグランドコンディションもあまり良くない試合だったこともあって、名古屋は完全に割り切ったサッカーをしてた」
「やっひーの遺産を利用してプレッシング耐性の強さを見せつける場面はほとんどなかったな。これが日常なのか、コンディションによるものなのかは、毎回見ている人に任せるとして」
「そんなロングボールを根性でマイボールにできる山崎、マテウス、相馬は流石だったな」
「ボールを地道に繋げなくてもロングボールがマイボールになるならば蹴っ飛ばせばいいわけで」
「それに対して、鹿島は愚直にボールを繋いでいた」
「ときどき放り込む場面もあったけれど、放り込むことはいつでもできるからな。どちらかと言うと、自分たちでボールを保持する道を選んでいるようにしか見えない」
「で、この試合は荒木が得意の隙間でボールを受ける動きや、高校の先輩である吉田に果敢に挑む松村が印象に残っている」
「ただ、選手の配置は今日もめちゃくちゃだったな」
「時間帯は忘れたが、左サイドのエリアでボールを持っているときに、みんな集合してきたからな」
「広島戦の反省もである、誰が横幅、誰が深さ、誰がライン間を取るのか問題はカオスだったな」
「そうなると硬い硬い名古屋の守備陣を越えてランゲラックに届くか?というとなかなか届かない」
「名古屋の守備についても少し触れておこう」
「名古屋の守備の特徴はセントラルハーフの過負荷にあるけど、セントラルハーフコンビは過負荷を単なる負荷としてか考えていない説だな」
「例えば、アンカーの降りるサリーとか偽サイドバックは相手の基準点を狂わすために行われる。そして、このときに大事なことが誰の基準点を狂わせるか?という狙いにある」
「運ぶドリブルが何となくスペースに運ぶのではなくて、誰をひきつけて誰をフリーにするかを明確にしたほうが良い説と似てるな」
「で、結論から言うと、誰の基準点を狂わせるか問題で狙われるのは相手のサイドハーフで有ることが多い」
「なので、サリーなどによって数的優位になった相手のビルドアップ隊に対して、サイドハーフを前に出すと相手の思うツボとなってしまう。なので、チームシメオネはセントラルハーフががんがん前に出てくるようになった」
「必然か、偶然か、名古屋もセントラルハーフを前に出す形となっている」
「セントラルハーフコンビはチャレカバの関係が成り立っているけど、サイドハーフの絞りはそこまでだったな」
「本来は前に出てきたセントラルハーフの空けたエリアを逆に利用されることもあるんだけど、そのエリアをもう片方のセントラルハーフのプレーエリアの広さで防護しているのは流石のフィッカデンティだな」
「後半に松村のそのエリアを使われたときはヒャっとしただろうけどな」
「相手のカバーよりもはやくセントラルハーフの空けたエリアを使う、もしくはダブルセントラルハーフを両方ともに動かせるかは名古屋攻略のヒントになりそうだな」
「ただし、名古屋はそういったチームの弱点をカバーするだけの個人の裁量も認められている気配がある」
「柿谷が戻ってきたり、DF軍団が迎撃したりするからな」
「逆に言えば、ターンオーバーするのは大変そうだけどな」
「ちなみに、攻撃はサイドバックとサイドハーフとときどき前線の選手が連携してサイドの奥を取りに行くことが多い」
「これはこれで原始的だな」
「古来から伝わっている作戦が現代に残っている意味を考えさせられるな」
「で、話を鹿島に戻そうと思う」
「鹿島はサリーを常套手段にしている関係もあって、センターバックが攻撃に参加することが多い」
「しかし、センターバックの位置がサイドに寄り過ぎたり、前に行き過ぎたりと何だかバランスが悪い」
「そして前線も選手がわんさかいてバランスが良くない」
「強引に数字で表すと、[3-1-6]みたいになっている」
「で、途中で怒りの4枚替えを敢行するザーゴなんだけど」
「この変更で[4-4-2]が[4-4-2のひし形]になった」
[で、当たり前のようにサリーをするんだけど、サリーをした先にインサイドハーフがちゃんといた]
「つまり、通常の形をサリーで変更すると、ビルドアップの出口があるようでない。だから、センターバックの位置も狂っていく」
「しかし、交代後の形でサリーをすると、インサイドハーフがちょうどいい位置にいる」
「そして前線の枚数も2トップとトップ下と横幅を取る人と地味に役割分担ができていた」
「たまたまなんだろうけど」
「偶然だろうな。ただ、偶然に配置が整理されることが多すぎてちょっと不思議な気持ちになるな」
「ただ、犬飼が退場してこの形もすぐに終わってしまったのは残念無念だった」
「全体の配置は数字にしか過ぎないので、大切なことは配置を整理するルールになっている」
「しかし、鹿島は全体の配置をいじることで、配置が整理される状態になることが多い」
「または、個人戦術で相手を殴れる選手がいると、阿吽の呼吸でどうにかできることもしばしばである」
「そんな現状から見いだせることがあるかどうかというと」
「別にない」
「ないのか」
「机上の空論だからな」
「そんな視点で見ると面白いよ!という話で」
「鹿島サポからすると、全然面白くないやろ」
「それにしても速攻が見られないな」
「ここまで速攻をやらないとなると、やらないと選択しているとしか思えないけどな」
「確かにボールを保持したいけどできない!はたくさん見かけてきたけど、速攻がしたいけどできないは見たことがないもんな」
「というわけで、鹿島はボールを保持する形でどげんかできんとこのままの状態が続くということか」
「では、インターナショナルウィークのお休みを使って改善をされることを祈りながら」
「さらばじゃ」
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