「さて」
「なんや」
「今日からワールドカップが始まる」
「始まるな」
「初戦はカタール対エクアドルだ」
「地味だな」
「しかしあれやぞ、アジアカップで見事なサッカーを披露したカタール対キリンカップで日本を苦しめまくったエクアドルの対決なのでなかなか興味深い試合になるかもしれない」
「代表戦に興味があまりないだろう癖にカタールとエクアドルの試合を見たことあるのちょっとおもしろいな」
「日本の対戦する相手が欧州を除いてバージョンになったから中堅国に詳しくなるのしょうがないやろ」
「逆に欧州のチームはユーロやネーションズリーグでチェックが可能となると、世界各国のサッカーが要チェックできるようになっているということか」
「それはさておきワールドカップだな」
「ワールドカップだ」
「どんなことを注目してみるかを教えて欲しい」
「どれだけのチームがえぐい完成度を披露してくれるかを楽しみにしている」
「代表チームなのにえぐい完成度か」
「流石にクラブチームと比較するのは質に問題が出てくるけどな」
「質はチャンピオンズ・リーグのほうが上か」
「上やな」
「はっきり言うんだな」
「クラブチームの完成度と代表チームの完成度は少し違う。クラブチームの完成度が最強の俺たちを目指すとすれば、代表チームの完成度は自分たちの完成度を目指しつつも、相手をどうやって倒す?ということに全力を注ぐチームが多い」
「なるほど。相手への対策をがっつりやってくるということか」
「リーグ戦でそれをやっても、長期的に見るとどうなん?となるが、ワールドカップはトーナメントだからな」
「前回のドイツ対メキシコのように奇襲でもなんでも勝てばOKとなる」
「フェルナンド・サントスのポルトガルもわけのわからないことをしながらEUROで優勝したもんな」
「なので、代表の試合に限っては自分たちにベクトルを向け過ぎるとやられる傾向にある」
「クラブチームでは相手の対策を自分たちのサッカーで凌駕することも可能であるけれど代表では難しいということか」
「せやな」
「話を戻して日本代表の練習試合たちを思い出してほしいんだけど」
「キリンカップも含めてだな」
「ハリルホジッチの頃から感じていたんだけど、代表のサッカーに求められるスタンダードのレベルがちょっと上ってきている」
「スタンダードのレベルとはなんだ」
「戦術的にレベルが上ってきている」
「なるほど」
「代表のサッカーは集まる回数が少ないしすぐに解散してしまうから完成度をあげられないというけれど、お前らいつなにしたん?なんやねんこの完成度は!!というチームが増えてきてる」
「しかも日本と同格か、ちょっと下?みたいなチームに異様な完成度のチームが多いんだろう?」
「戦術的にはフルボッコにされながらも我々の代表は勝ちを拾ってくるのでしぶといのだが」
「流行りの言葉を使えばコスパの悪い試合となっている」
「こっちのほうがスーパーレアがたくさんいるのになんでこんなに苦戦してんねん、みたいな」
「東京オリンピックのニュージーランドとか衝撃だったろう」
「直近のカナダもえぐかったし、チュニジアも良かったし、エクアドルも良かった」
「アメリカはへんてこだったけどな」
「それにしてもなぜにこんなにまともなチームが増えたのか?」
「それは戦術のパラダイムシフトが起きたからだろう」
「でたな、パラダイムシフト」
「325の442殺しとかサリーで相手のプレッシングを剥がすとか仕込むのに時間かからないからな」
「イタリア代表は325でユーロを制したイメージすらある」
「となると、今大会も325とポケット攻撃とビルドアップでサリーが流行するとして」
「最先端はなにか?というと」
「ノリだな」
「ノリか」
「5レーンのいいところは均等に選手を配置する補助線としての役割になるんだけど、実際にユニットとして機能するか?が大切となる」
「さらに5レーン対策の5バックも流行りに流行っているからな」
「なので、相手の配置を見てギャップに移動したり、空白のレーンを作ったり、数的優位を作って殴りにいったりと」
「それをノリという名のプレー原則を装備するチームがでてくればいいけど、流石に代表レベルでそれをやってくるチームがあるかは謎だな。一見すると、自由にやっているだけ、という場合もまじでありえるからな」
「立ち位置も相手次第になるわけか」
「こんなところで整理すると」
「どれだけのチームがプレーモデルを確立し、論理的なジャイアントキリングを起こせるチームを作ってくるかと」
「相手への特異な対策によるジャイアントキリングが起きるかと」
「ジャイアントなチームはどれだけ相手をみるか、それとも自分たちにベクトルを向けるかと」
「まだまだへんてこなチームは存在するのかと」
「見どころはたくさんだな」
「では、ついでに日本代表についても触れてみたい」
「ボール非保持で飯を食っていくと宣言しているので、個人的には厳しいなあと思っている」
「なんでや」
「ドイツもスペインも試合を見たけど、ビルドアップがべらぼうにうまい」
「うまいな」
「たぶん、リヴァプールのプレッシングでもかわしそうな雰囲気がある」
「ノイアーもウナイ・シモンも逃げないもんな」
「あんなんボールを奪うの無理やろ」
「3トップは全員前田大然とかでないと無理やで」
「で、我慢して相手のミスを誘発しカウンターで仕留める何だと思うけども」
「きついな」
「前回のように相手が退場してくれれば何とかなりそうだけどな」
「そんな奇跡がまた起きたら色々と疑われそうだな」
「となると、そんな相手のボール保持をどうこうするには、自分たちのボール非保持の時間をどうこうよりも相手から少しでもボールを取り上げたほうが良い」
「そうなるわけか」
「で、どうせ相手もプレッシングに来るんだろうから、そのときに裏に蹴っ飛ばす仕組みと空中戦で競り合ってのトランジションの準備をしておく形なら可能性がある」
「伊東や前田の裏に蹴りまくって、セカンドボールは鎌田回収か」
「相手が来なければボールを持ってのんびりしていればいい」
「のんびりしてられるかは微妙だな」
「なので、まあどのようなプランでいくかが楽しみだな」
「お前だったらどうするねん」
「523一択だな」
「フランクフルトのカバーか」
「それ以外に手はないやろ」
「森保監督が4231の強度増し増しプレッシングでスタートし、後半から三笘で、残り10分で3バックをやってきたらびびるな」
「手の内を明かしたままだからな」
「なんにせよ、ドイツを相手に勝ち点0だとゲームオーバーの可能性が高いので」
「ドイツ戦にすべてをぶつける日本の生き様を見届けようと思う」
「ではそんなところで」
「ワールドカップを楽しみましょう」
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