【201920シーズン】シメオネの挑戦は続く【第4節から第8節まで】

独り言

さて、フットボリスタ様!の指令により、アトレチコ・マドリーのセンターバックについて書いたのだ。らいかーるとが書いているだと!?と言って立ち読みしたり買ってくれたりする人が数人はいると思う。そして、こう思ったに違いない。短い!!!!!っって。というわけで、今回はおまけです。本書を読んでこれも読めばアトレチコ・マドリーがよく分かる!というものになっている、、はずです。

最初に結果だ!

VS レアル・ソシエダ 0 - 2

VS ユベントス 2 - 2

VS セルタ 0 - 0

VS マジョルカ 2 - 0

VS レアル・マドリー 0 - 0

VS ロコモティブ・モスクワ 2 - 0

VS バジャドリード 0 - 0

いつか帰るところ(FFⅨ)

ユベントス戦以降は失点がゼロである。得点も少ないが、今季のアトレチコ・マドリーはボール保持に傾倒しているから、守備のバランスがちょっとおかしいのではないか?というのが世間の見方だったはずだ。しかし、レアル・ソシエダにボコされてからのシメオネは「もう、やってられない!!」と叫んだに違いない。

レアル・ソシエダ戦はすでに忘却の彼方なのだが、この試合ではレアル・マドリーから武者修行に来ているあの人のパフォーマンスが素晴らしかったことや、アトレチコ・マドリーのボール保持なんてまだ出来損ないだ!というプレッシングで、アトレチコ・マドリーがやられたと曖昧な記憶をしている。

よって、シメオネは考えた。もう【3142】とか【4312】とか無理だよねって。というわけで、アトレチコ・マドリーは早々に【442】に、つまり、いつか帰るところに帰っていったわけである。

しかし、ボール保持を諦めては意味がないと。なので、【442】からの可変式を採用することにした。ありがちな可変式はセンターバックの中央に移動するサリーだろう。しかし、トーマスに普通のサリーをやらせる気がないシメオネは、サウールやコケに普通でないサリーをやらせることにした。普通でないサリーとは、降りる位置がセンターバックの中央ではない、左センターバックの左手に降りるサリーのことだ。しかし、サリーに普通も普通でないもあるのかと考えると、よくわからなくなってくる。つまり、センターバックの中央には降りない、ということだ。

こうして、サイドバックの高い位置、サイドハーフのライン間、2トップを、同時に実現することに成功している。

ボールが保持とか非保持とか、攻守が一体とか

【442】⇔【3142】を行き交う中で、シメオネのチームはトランジションをあまり重視しないというか、ボール保持にある意味でこだわりをもたなくなった。【442】から離れた期間で観られたアトレチコ・マドリーの不安定さはボールを失った瞬間の振る舞いにある。だったら、ボールを保持しなければ良い。ボールを持たなければ、ボールを失った瞬間は訪れない。

というわけで、アトレチコ・マドリーは前半は【442】で相手にボールをもたせる、後半は自分たちがボールを持つ、というように、両者を両立させるというよりは、はっきりと時間帯によって使い分けるようになっていった。是が非でもボールを保持したいという状況を捨てたことによって、アトレチコ・マドリーはちょっと異質な変化を遂げようとしている。

ユベントス、レアル・マドリー、セルタ戦でそれらは顕著に現れた。相手がボールを保持するなら耐える。自分たちがボールを保持できるなら保持する。特に最近の試合で存在感を発揮しているのはトーマスだ。かつて、チャンピオンズリーグのファイナル(?)だったか、セミファイナルだったかは忘れたが、途中から出てきたのに、特に何もしようとしなかった頃が懐かしい。今ではシャビ・アロンソのような振る舞いをしている。必見。

今後のアトレチコ・マドリーの未来予想図

【4312】でも【3142】でも良いのだが、アトレチコ・マドリーがボール保持でやろうとしていることは、【442】に回帰してからも大きく変化はしていない。2トップを基準としながら、近くに選手を配置(トップ下とか)することで、中央からのコンビネーションを模索しているのは間違いないだろう。ちなみに、ユベントスのサッリも中央からのコンビネーションにとらわれているように見える。向こうの場合は、それしかない、という結論になっているだけかもしれないが。あくまで今は。

そして、サイドからの強襲はサイドバックに託されている。特にブラジル代表にまで上り詰めたレナン・ロディは間違いなくブレイクするだろうし、トリッピアーの早めのクロスも相手にとっては驚異になっている。そして、決められた選手ではないのだけど、彼らをサポートするインサイドハーフ突撃も行われるので、アトレチコ・マドリーの攻撃はなかなか多彩だ。

しかし、肝心の中央のコンビネーションは、狭いエリアでのプレーを得意とする選手が少なければ、コンビネーションも合わないと踏んだり蹴ったりだ。また、相手ががっつり撤退すると、アトレチコ・マドリーのサイドバックは前線で孤立する運命となる。というわけで、出てきた解決策がボール保持も【442】というのはなかなか興味深い。サイドバックの孤立を防ぐためにサイドハーフとサイドバックを連携させるためのピン留め、という呪文のようなタスクを担える選手を探している。

というわけで、ボール保持をしたときに【442】でも【3142】でも良いのだけど、インサイドハーフかトップの選手がサイドに流れ、高い位置のサイドバックの選手を少し下がらせるだけで、相手はちょっと嫌な気持ちになること間違いなしである。お前は高い位置に上がってくるトリッピアーのマークだから!と言われたのに、気がつけば、ジョアン・フェリックスがそばにいるのは悪夢だ。

というわけで、今後の注目は、サイドに流れるのは誰?サイドを助けられるのは誰?中央の狭いエリアで活動できるのは誰?サウールはいくつのポジションをこなすことになるのだろうか?である。

ひとりごと

センターバックについては、フットボリスタを読んでください(・∀・)

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