~アッレグリの手のひらで~ ユベントス対ラツィオ

マッチレポ1415×プレミアリーグ

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セリエAの首位攻防戦。ポグバが離脱してから3バックを見せているユベントス。対するは連勝街道まっしぐらのラツィオ。3バックへの準備をどれだけしてきたか注目される。

■4-3-3のゾーン・ディフェンス

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ユベントスの3バックに対して、ラツィオは4-3-3のゾーン・ディフェンスで対抗。

ユベントスは後方の数的優位を利用して、ピルロに時間とスペースを与えるか、センターバックの運ぶドリブルからボールを前進させることを得意としている。よって、ラツィオは3バックに3トップを当てることで、最初に運ぶドリブルを阻止する狙いを見せた。そのために、強烈なプレッシングでブッフォン経由で攻撃をやり直させるのではなく、ユベントスのセンターバックにボールを持たせても、ドリブルで運ばせなければ良いというものであった。

中央を閉じられているユベントスの手はサイドにボールを運ぶ。しかし、ラツィオのサイドバックも暇を持て余していたので、ユベントスのウイングバックはラツィオのサイドバックに捕まってしまう場面が多かった。

よって、ユベントスは時間のあるセンターバックからのロングボールに対して、テベス、マトリ、マルキージオ、ビダルが相手の裏に飛び出す形で攻撃を組み立ていった。ボールを失っても後方に選手がたくさん残っている攻撃によって首位攻防戦をスタートさせる。

■ラツィオの選手配置の意図

システムの噛み合わせを狂わせる3バックの攻撃を防ぐことに成功したラツィオ。序盤こそはユベントスのプレッシングに対して、キーパーにボールを戻す→ドカンと蹴っ飛ばす場面が目立っていたが、徐々に攻撃の形が見えていく。

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ユベントスは5-3-2で守備を固める。または5-3-1-1でカウンターのために人を残す。定跡としては、相手のウイングバックの前のスペースを使う。ユベントスは3センターでスライドで相手のサイドに対応し、前線の選手でサイドチェンジを阻む狙いがある。ラツィオはクローゼとアンデルソンをサイドに配置した。しかし、アンデルソンはフリーに、クローゼはクロスの的が本職。よって、攻撃の流れの中でどんどん中央に流れていった。

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というわけで、無理難題。ラツィオの攻撃が中央による習慣があることを考えて、ユベントスは3バックを採用したのかもしれない。

以上のような膠着状態の前半戦。ユベントスが2得点。事故のようなトランジションからのテベスと、ボヌッチのスーパーカウンター。ユベントスからすると、ちょっとLuckyな前半戦だった。

■4-3-3→4-4-2

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後半の頭からカントレーバが登場。4-4-2に変更し、特に右サイドからの攻撃が目立つラツィオ。バスタも積極的な姿勢を見せることで、ラツィオは効果的に相手のエリアで試合を進めるようになっていく。ラツィオが相手のゴールに迫るようになり、ブッフォンの出番が増える。守備機会の増えたユベントスの選手にイエローが提示されていく展開へ。それでも5バックで守っていればどうにかなるという実験も兼ねていそうなユベントス。

アッレグリの采配はマトリ→モラタ。ロングボールとカウンターの向上。ペレイラ、ストゥラーロを体力の浪費が激しいインサイドハーフに配置する。あくまで形を崩さずに。Jリーグでは5-4-1が流行っているが、意地でも5-4-1にしないのは、おそらくカウンターを意識してのことなのだろう。ラツィオは選手配置を変えながら攻撃を延々と仕掛けていくが、アッレグリの考え通りに崩し切れず。そして、最後にカタルディが退場するおまけつきで試合を終えた。

■独り言

サイドバックがボールをもったときに縦のパスラインを用意できないと、なかなか厳しいという試合であった。後半の修正、内容を考えると、2位にいることも納得できるラツィオの試合だったが、勝てばOKのユベントスの前に散る。ただし、3バック対策をしたラツィオの攻撃がまったく機能しなかったことを考えると、相手を意識しすぎたのかもしれない。アッレグリは不動。ラツィオは動きまわる。この差はいかに。

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