「チーム森保の感想文の次は読書感想文となる」
「岩瀬健さんが書いた本だな。正確に言うと、サッカーライターの清水さんとの会話形式で構成されている本となる」
「トップチームの監督経験者が書いた本となると、https://amzn.to/3tIwovB」
「ポジショナルフットボール実践論か」
「渡邉さんの書いた本は、渡邉さんが実行したポジショナルプレーについてを趣旨として書かれている。結果として、ベガルタ仙台での取り組みについて詳細が載ることになり非常に評判が良かった」
「今回の本の趣旨は【伝え方】となる」
「よって、大宮でどのようなサッカーをしようとして、こんなトレーニングをして、これが良かった、もう少しこうすればよかった、という内容にはなっていない」
「大宮での日々も振り返って、選手に対してもっとこんな伝え方があったのではないか?を中心とした振り返りになっている」
「伝え方か」
「大事やろ」
「伝え方について伝えたい!という動機の根源は若手指導者とのコミュニケーションから来ているっぽいけどな」
「おまえら、ちょっと頭でっかちやで。実際にオレも苦労しているから同じ罠にはまらないようにしてんとや!という親心か」
「むろん、本人の反省もあるんだろうけど、主軸は若手指導者への伝言に感じるところがあったな」
「渡邉さんの本と合体すると、密度が濃い物になるかもしれない」
「それは次回に期待するとして、内容についてふれていこうと思う」
「第一章は伝え方とJの監督のリアルについてふれられている」
「選手によっては戦術的な指示や答えを求めているわけでもないし」
「コーチと監督は全然違うし」
「最後の仲介人の話とかは唐突で驚いたな」
「最も興味深かった部分は采配についてだろうな」
「試合中の采配を4つに分類していたことはわかりやすかたったし、想定外に対してどうすんねんのくだりは良かった」
「サッカー指導者あるあるだもんな」
「試合中の想定外にどのように対応するか」
「チームで練習をしていないことに試合で取り組まなければいけないこともあるもんな」
「そういう意味では練習で想定内を増やす!って考えは王道だろうし、そもそも事故以外の想定内と想定外をなくしてしまう、ってのが未来の考え方なのかもしれんし」
「なんにせよ采配の話は興味深かった」
「つまり、具体的な事象よりはこういう話が多いと」
「ただあれだな」
「なんだ」
「戦術的な指示や答えを求めていない選手たちがいる!ってのはそれなりに刺激的で色々な思惑に利用されそうだな」
「事実なんだからしょうがないやろ」
「相変わらずのスーパードライということで」
「第二章はサッカーの戦術とはなにか?」
「ここでも伝え方が大事だとなっている」
「サッカーの論理と選手の感情の整理とか秀逸だったけどな」
「ポジショニングの軸となる基準と、基準からはみ出る部分を選手の感覚として許容する部分と」
「岩瀬さんのボール保持におけるスペース、ポジショニング、タイミングの整理は勉強になるけどな」
「良いタイミングってなんやねん!という部分は良かった。キーファクターであるもんな良いタイミング。」
「あとは言葉にとっても気をつけている印象を受けたな」
「スペースを作るはちょっと違うとかな。先に章になるけど、コーチングとコミュニケーションとかな」
「第三章はゲーム分析」
「岩瀬さんが実際にどのように試合を分析して、また相手のどこを見て対策を考えるかの部分は興味深いやろ」
「そう言われればそうやな!って部分が多いけど,大切なことは繰り返し目の前に現れる法則だからな」
「特に相手の守備のルールについてしっかり見ている部分は最重要なところだったな」
「意外とみないもんな」
「SBとCBの間をどのポジションの選手がカバーするかを必ずチェックするようにしようぜ」
「他にはなにかあったか?」
「映像にメンタルがうつっていないと、結果に引っ張られすぎないってところはみんなメモっておくように」
「第四章は練習設計の考え方について」
「ターゲット論とノンターゲット論は最高だったな」
「ここのくだりは常識かもしれんが、練習にテーマを設けないとあかん症候群の人には読んでほしい」
「年がら年中、高い位置からの守備の改善、中盤でボールを奪う守備に対する攻撃の改善、相手を自陣に引き込んでからのカウンターの改善とかやらんやろ」
「唐突にJFAっぽくなったな」
「練習設計の4つの柱も良かったな」
「そのなかでもプレービジョンの浸透・増幅が面白かった」
「伝え方でも苦労するところだな」
「ここはレイソルでの話が面白くて」
「鹿島のユースもやっていたけど、2対2や3対3のダブルボックスでとにかく強度をあげる」
「次の試合の対策とは関係なくやる」
「当たり前の基準として練習で強度を出さないといけない環境設定だな」
「第五章は育成に携わるものとして」
「岩瀬さんのイメージはもともとそっちだもんな」
「ここは第六章とまとめて振り返りたいんだけど」
「なんでや」
「レイソルユースといえば、ボールを保持するサッカーを基調としていて」
「昔から有名だな」
「433=レイソルユースだったのだけど、岩瀬さんがそこをいじった話をしている」
「指導者界隈では有名な話かもしれんな」
「そのあたりについてふれられている」
「ネットでは読んだ記憶がないから貴重かもしれんな」
「あとは本書を読んでのお楽しみということで」
「最後に戸田さんが登場していろいろと暴露してこの本は終わっている」
「なるほど。では最後に率直な感想を」
「伝え方が趣旨の本なんだけど、シンプルに岩瀬さんのサッカーに対する様々な考え方にふられることが面白い」
「采配の整理、練習設計の考え方、試合分析するときのピッチの分け方とその理由、攻撃の3つのキーワード、ゴール、スペース、ボールを奪い合うのがサッカーとか」
「そこだけをピンポイントで抜き出してくると、必読感が半端ないな」
「ま、言われてみれば当たり前なのかもしれんけど、サッカー指導者としてこれくらいは自らも整理してすらすらと話せるようにならんといけんぞという基準としては最適なものとなっている」
「岩瀬さんは間違いなくもっと深く潜っているだろうからな」
「というわけで、指導者の人はおすすめです」
「ここまでは考えているやろ!という基準が手に入ります」
「踏み絵みたいだな」
「ちなみになんだけどな」
「なんや」
「岩瀬健といえば、プロポーズ大作戦の主人公と同じ名前なんだ」
「ケンゾーか、懐かしいドラマだな」
「当時はいじられていたかもしれんな」
「ではまた」
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