サッカーの面白い戦術分析を心がけます

らいかーるとによるマッチレポが中心。サッカーの分析を通じて、サッカーの奥底に迫っていきましょう

正体がまだ掴めないチームと変わっちゃったチーム 2021.3.4 J1 第11節 川崎フロンターレ対セレッソ大阪

   

「さて、鉄は熱いうちに打て!とはよく言ったもので、昨日に行われた川崎フロンターレ対セレッソ大阪を振り返っていく」

「今回は川崎フロンターレについて想いを巡らせていこうかと考えているが、最初にセレッソ大阪について少し」

「監督がロティーナからクルピに代わり、流行りの時を戻そう!を体をはって行っているセレッソ大阪」

「ただし、引っ張りだこのやっひーを下部組織に招集するなど、下部組織から世界へ!という文脈のチームを再構成したいようだ」

「でも、スタメンで最も活躍しているのが大久保嘉人だけどな」

「てっきり、西川くんと心中するつもりなのかなと外野は思っていたが、そうでもないようで」

「若い選手を監督が起用する気あるの?どうなの?が何気に最も大事だからな」

「瀬古とヨニッチ!みたいな若手とベテランの組み合わせだとロマンがあるけど、若手と若手では、、ちょっとどうなの?というのもあるしな」

「CBならなおさらだな。でも、ダンクレーを獲得したので、まあ、あんまり若手を使う気もないのかもしれないけど」

「ロティーナ時代と比べてどんな印象を持った?」

「ロティーナは試合をナギ節にするのが得意だったな。ボール保持、ボール非保持の両方を巧みに利用して、試合を支配している印象を受けた。この試合ではボール保持がメタメタになってたので、ああ、本当に変わっちゃったんだなと実感することになった」

「ボール非保持はさすがだったけど、耐えきれなかったな。ボール非保持局面があれだけ長いと、ボールプレーヤーをたくさん起用してもちょっと難しいかもしれない」

「一番切なかったのはキム・ジンヒョンだった」

「バックパスでボールを受けまくるキム・ジンヒョンが試合を重ねるごとに上達していくのは最高の娯楽だったな」

「しかし、この試合ではパスコースがない!と絶望するキム・ジンヒョン。清武が助けに来ていたのはデジャブだったけどな」

「そんなキム・ジンヒョンの苦悩からも昨年と今季の違いが見られるセレッソ大阪であった」

「で、話題は川崎フロンターレにうつると」

「今日もよくわからなかったな」

「なので、川崎フロンターレを見ても、なぜわからないかについて考えていく」

「基本的な振る舞いは、ボール保持による試合支配。ボール保持を可能にするために速さと早さを両立させたプレッシングを行う」

「プレッシングがなかなか協力で、前節のマリノスも今節のセレッソもボールを持とうとする意思は見られたが、相手チームの意思をあっさりと砕いていたな」

「で、この試合のセレッソ大阪は442の中央圧縮で川崎フロンターレに対抗していたと。しかも、リードしている時間が長かったこともあって、セレッソ大阪は割り切って撤退することも可能となっていた」

「序盤の川崎フロンターレは旗手が目立っていた。やっていることはカンセロに近いし、三笘へのパスラインを創出するために偽サイドバックをやっていることも懐かしかった」

「最近の偽サイドバックはウイングへのパスライン創出よりも、自分が活きる場面が目立っているからな」

「で、川崎フロンターレの面々は旗手も含めてシンプルにうまい。目の前の選手を普通に剥がすこともある」

「パスを回すだけでもめんどくさいのにドリブルで剥がしてくるということか」

「しかし、時間の経過とともに旗手も目立たなくなっていく」

「これがよくわからないと」

「旗手はシミッチの横という偽サイドバックの王道だけでなく、本当に幅広く動いていた。ただし、そのポジショニングに約束事があるようには見えなかった」

「むろん、周りの状況を見て決めているとは思うんだけどな」

「もともと川崎フロンターレの面々は止める蹴るが異常にうまいこともあって、狭い距離でも平気で息ができる。それゆえに配置が粗くても個人が活きれてしまう場面が多い」

「なので、ピン留めなんかは好んで使っているようなんだけれど、細かい配置を全体で調整しているようには見えない」

「各々の判断に任せているということか。あとこの位置でも私は大丈夫です、みたいな」

「かっこよく言うと、有るとすればスタンドプレーから生じる、チームワークだけだってやつか」

「ただし、決まり事もある。例えば、ビルドアップは間違いなく全体の位置を調整している」

「この試合ではインサイドハーフの降りる動きをきっかけにボールを運ぶ場面が目立っていたもんな」

「また、ハーフスペース突撃もチームとして仕込まれている」

「川崎フロンターレのハーフスペース突撃で面白いのは一の矢で終わらずに二の矢があることだろうな」

「このあたりのバランスはもうちょっと見てみないとわからない」

「現状の理解としてはビルドアップはデザインされている。サイドバック、ウイング、インサイドハーフのトライアングルも仕込まれている。ハーフスペース突撃も仕込まれている。ただし、再現性が怪しいということか」

「再現性がないってことではないんだけどな。恐らく個々の裁量に任されている部分も大きいと思う」

「仕込みと個々の裁量とそのバランスみたいなものか」

「もちろん、どこのチームでもボールを持っている選手の判断が尊重されるのは間違いないんだけど、ボールを持っている選手の周りの景色に再現性があったりなかったりするというか」

「それの良さもあるんだけどな」

「曖昧すぎると、旗手みたいに機能している時間と機能していない時間がはっきりし、その理由も謎みたいな」

「機能している時間とそうでない時間というと三笘はこれから大変そうだな」

「ダブルチームどころか、トリプルチームで対応されていたな」

「で、後半は大外レーンとハーフスペースを行ったり来たりしながら、ビルドアップでも谷口のロングボールやインサイドハーフの降りる動きから発生するズレによって得られた時間と有効利用することができていた」

「このように理由がわかりやすいといいんだけどな」

「前半の三笘も脅威だったけどな。左サイドに常駐しながら右利きで、縦にも中央にも突破できるから鬼だな」

「他に言い残したことはあるか」

「そういえば、川崎フロンターレのようなチーム、アタッキングサードにおいて選手の位置が個々の裁量で決まるチームは欧州にもたくさんあるんだけど」

「あるんだけどなんだ」

「そういうチームって中心選手がいるもんなんだな」

「中心選手の動きにあわせて周りの選手が位置を調整するってことか」

「でも、川崎フロンターレにはそういう選手がいない」

「それもわかりにくさの原因か」

「あとは試合の終盤になると、オープンな殴り合いを挑むのがちょっとおもしろい。この殴り合いはマリノス戦でも見られたけど、ボールを保持して試合を終わらせることはできるはず」

「でもやらないな。一度えぐいカウンターをくらったときはびびったな」

「リードしているチームがやっていいことではないが、オープンでもクローズでも殴り勝ってきた証でもあるんだろうな」

「強さを見せつけるというか、余裕というか」

「なので、3-2というスコアだったけど、試合を見た人はスコア以上に川崎強いなという印象を受けたに違いない」

「今日はそんなところで」

「川崎フロンターレをめぐる旅はもうちょっとだけ続きます」

 - 2021年度Jリーグ