ザーゴは鹿島に何をもたらそうとしているのか 2021.3.13 J1 第4節 鹿島アントラーズ対サンフレッチェ広島

「さて、今日は鹿島対広島について考えていきたい」

「特に鹿島を中心に振り返っていこうと思う」

「最初にザーゴを連れてきた理由を考えていきたい」

「最初から試合内容をスルーしていくのか」

「どこかにザーゴを連れてきてくれた理由を偉い人が語っている記事があれば是非とも教えていただければと」

「つまり、ここから始まる内容は机上の空論なわけか」

「鹿島はブラジルとの繋がりが強く、突然にオランダ人監督を連れてくることは恐らくしない」

「昔の川崎ヴェルディみたいなことはしないと」

「しかし、欧州を見渡してもブラジル人監督の枚数は減っている」

「確かにアルゼンチン人監督と比較すると、枚数が減っているな」

「なので、世界的な流行とブラジルは断絶しているのか?となる」

「しかし、世界中でブラジル人は選手として活躍しているけどな」

「よって、鹿島は考えたと。ブラジル人だけどヨーロッパのやり方も熟知している監督はいないかと」

「その結論がザーゴか」

「ブラジルのライプツィヒグループを任されていたくらいだからな」

「ただ、ライプツィヒグループを脱出すると、急にポジショナルな方向に舵をとる監督が多いけどな」

「鹿島は優秀な高卒を育てることが上手い。しかし、優秀な高卒が覚醒すると、すぐに海外に行ってしまう。これでは本末転倒だ」

「柴崎岳、大迫、昌子、植田とさらっと名前が出てくるな」

「この流れを避けることはできない。できるとすれば、大卒の選手を獲得することだが、鹿島の文化にはなかなか合わないのだろう」

「大卒から海外もちょいちょい出てきているけどな」

「よって、主力に覚醒した選手が海外に移籍する→チームに大ダメージを減らすためにも、誰が出てもそこまで質が落ちないようにチームの文化を作り直すために欧州の方法論を知るザーゴを連れてきたのではと」

「机上の空論にしては長いな。確かに誰が出ても試合内容がそこまでブレないためには欧州の方法論がベターだからな。シンプルにブラジルでの評価が高かっただけかもしれないけどな」

「しかし、蓋を空けてみると、何とも言えない流れとなっている」

「やるせない流れだな」

「清水戦と広島戦を見たのだけど、課題は一緒なんだと。もっと言えば昨年からも変わっていない」

「自由と規律のバランスか」

「セントラルハーフのサリーや沖を中心にボールを保持する設計図の共有には成功していると思う。しかし、オープンな状態でボールを持っているビルドアップ隊から時間とスペースを前線の選手に効果的に繋いでいく形がない」

「自陣での規律と相手陣地での自由のバランスが良くないのか」

「ポジショニングバランスが良くない。誰が深さをとり、誰が横幅をとり、誰がライン間に侵入し、誰がピン留めをするのかがカオスすぎるのが現状だ」

「だからこそ、周りの選手と繋がれる今までの主力や、単独でも隙間でボールを受けられる選手が目立つ展開となっているのか」

「要するに個々がバラバラで戦っているようにみえる。それでもデュエル勝負で負けなければいいのだけど、鹿島はボール保持状態でのデュエル勝負で鬼だ!みたいな選手がいない。エヴェラウドもちょっと違う」

「ゴール前でのエヴェラウドは鬼だけどな」

「この試合を思い返してみても、相手の配置に対して、どうする?という解決策がチーム全体で共有されているようには見えなかった」

「もっと言えば、個々で絵がバラバラであり、ときどき共有に成功すると、一気に攻撃が加速するやつか」

「ま、この方法が鹿島らしいのかもしれないんだけどな」

「そうなると、なぜにザーゴを連れてきたのだ?となりそうだが」

「ポジショナルプレーでもストーミングでも選手が躍動していればいいんだけど、最近の鹿島はタイムリープしているように見えるからな」

「三歩進んで二歩下がるだな」

「というわけで、鹿島はただ風の中を迷いながら歩いているように見える」

「少し試合内容にも触れておくか」

「大嵐の中での試合で広島は早々にボールを繋ぐことを諦めロングボール合戦に出る。前線の質的優位を武器にセカンドボールを他の選手が狙う、という古典的な強さに苦しむ鹿島。そして広島が先制する」

「広島はサイドハーフを入れ替えて守備固め。このあたりの時系列は忘れた。人を変えて守備を修正するところがにくい」

「で、広島は人への意識がましましなこともあって6バックになっていた。日本代表の原口が行うSHのSB化が両サイドで行われた」

「6-2ではきついわけで、浅野が降りて6-3-1が完成する。浅野の動きがアドリブでないとしたら、6バックになることは計算済みだったのだろうな」

「で、鹿島のターンが延々と続いていく」

「清水戦でもそうだったけれど、鹿島のエグいところは配置が整理されていなくても殴り続けることで決定機を迎えるところだろうな」

「時間の経過とともに、絵が共有されていくというか、突然に答えにたどり着くというか」

「ただ、犬飼と町田の攻撃参加の効果は疑問だったけどな」

「確かに彼らがあの位置まで上がることによるメリットがよくわからなかった。むしろ、カウンターで怖くないのかなと」

「ちなみに、631の攻略で大事なってくることは3の両脇を何度も何度も使うことだろう」

「あの位置からデ・ブライネクロスが鉄板となる」

「最後は中央突破で同点に追いついたのは立派だったな」

「その後のスクランブルアタックは実らなかったけどな」

「この試合の影の立役者は沖だろうな。あのカウンターでとどめを刺されていたら試合は終わっていた」

「キーパーにはその日の結果を左右する場面が一試合に一回はあると言われ、その場面で止められるかどうかでキーパーとしての価値が決まるといわれている」

「そういう意味では沖はナイスプレイだった」

「ある意味で鹿島らしい試合だったと思うけれど、鹿島がザーゴに何を求めているかでこの試合の評価は変わってくる」

「たぶん、勝てばよかろうもん、という文化からの脱却というか、若手の海外流出に対してどうしていく?!という戦略があるだろうからな」

「ま、良い意味で何も考えていないかもしれないけどな」

「それはそれでこのよくわからない状況を解決するものにはならないだろうからな」

「開幕戦で感じたように、選手同士の相互作用が復活するまではこんな感じの試合内容が続いていくのかもしれないし」

「ところで、サンフレッチェ広島にも触れて見ようと思う」

「タフなチームだったな。日本はクリエイティブでタフな選手を育てる、という標語があるんだけど、タフなチームが多い印象だな。アビスパ福岡もタフだったし、昨年の宮本ガンバもタフだった」

「タフとはどういう意味だ?」

「球際、切り替え、我慢、献身性だ」

「やってないない選手もいそうだけどな」

「それも含めてタフというか。例えば前線の選手が守備のタスクが軽めで後方の選手の守備タスクが重ければ、後方の選手はタフになるだろう」

「それは良い意味でのタフなのかわからなくなるな」

「ボール非保持のデュエル勝負は果敢に行うけど、ボール保持のデュエル勝負は局地戦に全てを託すというか」

「試合に勝つ!というよりは負けない!を重視しているように見える。乾坤一擲!!みたいな」

「広島もガンバくらいボールを持てれば、周りの声も静まるような気がするんだけど」

「ボール保持できれば勝てるわけではないからな」

「そのあたりはサンフレッチェ広島がパルティード・ア・パルティードなのか、もっと大きな視点で動いているのかはサポーターの人に調査を任せるとして」

「ただ、相手からすると非常に厄介なチームになっていると思う」

「ある意味でカオスだからな」

「それでは今日はこんなところで」

「さらばじゃ」

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