変化するシメオネと不変のジダン 2021.3.8 LaLiga 第26節 アトレチコ・マドリー対レアル・マドリー

「さて、次はマドリード・ダービーを振り返っていきたい」

「調子を落としているけれど、首位に位置しているアトレチコ・マドリー対調子が良いのか悪いのかいつだってわからないレアル・マドリーの試合」

「マドリード・ダービーといえば、チャンピオンズリーグのファイナルが嫌でも脳裏に浮かんでくるな」

「ボールを持たされて混乱に陥ったアトレチコ・マドリーやな」

「ボールを保持できないといけないし、ボール非保持もできないといけないことをあれほど具現化した試合はなかった」

「今や万能型であることを多くのチームが求めているとは思うのだけど、そのきっかけとなった試合がチャンピオンズリーグ・ファイナルというのは色々な意味で象徴的だな」

「で、その後のアトレチコ・マドリーはボール保持にも意欲的に取り組んでいて、この試合でもレアル・マドリーを相手にボール保持でタコ殴りにしていた」

「前半限定だけどな」

「アトレチコ・マドリーの配置を自分は31411と表現しているんだけど」

「その心は」

「コレアとジョレンテのレーンが重なることが多いからだ」

「スアレスの仕事をできるだけ減らそうとしているように見える。ロングボールの的やワンタッチで相手をいなすポストプレーは秀逸なスアレス。だが、全ての仕事をスアレスに投げるよりは、ゴール前に集中してもらいたい。そのためにコレアがスアレスの仕事を引き受けているように見える」

「だからスアレスと並列で並んでいるというよりは、スアレスをおとりにして、コレアはボールを引き出す動きを引き受けているというか」

「で、コレアがインサイドレーンを空けたときはジョレンテが突撃してくると」

「バグというほどのものではないが、このように重なる配置によって、数的優位が生み出され、ポゼッションの逃げ場として機能することもある、ことは見逃せない」

「どこまで考えているかはわからないけどな。ただ、スアレスの仕事を引き受けている役割なので、この役割がジョアン・フェリックスだとやっぱり何か違うというか」

「シンプルに5レーンに並べてもいいような気がするけどな」

「ビジャレアル戦ではあっさりと捨てたシメオネ式のポジショナルプレーだが、この試合では前半は継続」

「その理由がカラスコとトリッピアーにある」

「左に配置されたカラスコは突破のドリブルもできるし、味方にスルーパスも出せる無双状態だった。特にレマルとのコンビネーションは抜群だった」

「右のトリッピアーはクロスやスルーパスで試合を作ることができる」

「この両翼が揃うと、シメオネ式ポジショナルプレーは機能性が遥かに増す」

「チャンピオンズリーグのチェルシー戦も楽しみだな」

「しかし、後半になると、雲行きが怪しくなってくる」

「前半にリードを許した絶対王者ことレアル・マドリーは死なばもろともな雰囲気を出してくる」

「さらに言えば、スアレスの登場により相手陣地からのプレッシングという選択肢ができても時間限定なアトレチコ・マドリー」

「そんな状況でモドリッチやクロースを起点とするビルドアップを邪魔できるわけもなく」

「なので、今季のアトレチコ・マドリーは451や541を使う機会が増えているかもしれない」

「541のほうがシメオネ式ポジショナルプレーに移行も簡単だしな」

「レアル・マドリーで目立っていたのは両サイドのレーン配分」

「アセンシオもロドリゴもサイドバックと連携できていたと思う」

「このあたりはどのチームも当たり前のようにこなしてくる時代になった」

「しかし、破壊力に乏しい」

「レアル・マドリーはクロースやモドリッチがうますぎるので、センターバックが攻撃に絡む回数が少ない。なので、後方にいても意味がないと飛び出していくナチョにはみんなが驚いていた」

「それに位置的優位さえ獲得できれば、あとはどげんかできてしまうタレントが揃っていた」

「かつてはマルセロにクリスチャーノ・ロナウドだからな」

「今はそうではない。それゆえにベンゼマがサポートに来ることもあるのだけど」

「ベンゼマが降りてできた前線に誰もいないことが多い」

「これではボールは保持できるけど、ゴール前に迫力がない問題になってしまう」

「それゆえにアトレチコ・マドリーにカウンターを喰らいまくるが、残念そこはクルトワで防いでいくところはレアル・マドリーらしい」

「で、ベンゼマ周りを解決したのがカゼミーロだった」

「クロースとモドリッチが降りてカゼミーロが上がっていく形はレアル・マドリーの古き良き形だとは思うんだけど」

「このような進化の仕方をするとは予想もしていなかった」

「ナチョが上がっていたことと同じように、後方にいても仕事がないカゼミーロを前に送っていたレアル・マドリー」

「そんなカゼミーロとの華麗なワンツーで同点ゴールを決めるベンゼマ」

「餅は餅屋理論になるのだが、あのときにアトレチコ・マドリーの配置は整理されていなかった」

「中央を埋める選手がジョアン・フェリックスになっていたからな」

「それでもやってほしかっただろうけどな、シメオネからすれば」

「位置にいてやられるのと、そもそも位置にいないでやられるのでは意味がぜんぜん違うからな」

「よって、試合は同点で終了となる」

「この試合のシメオネの采配は物議を醸し出しそうだった」

「左サイドで機能していたカラスコとレマルをサウールとジョアン・フェリックスに交代している」

「ジョアン・フェリックスが登場して541に変更したので、全ては既定路線だったのだろう」

「問題になるのはボール保持で逃げ切りを図ることは可能だったのか?となる」

「ボール保持も守備だからな」

「そのためにはボールを相手から奪い返す必要がある」

「しかし、インサイドハーフがどこまでも降りていくレアル・マドリーからボールを奪い返すのはちょっと体力がいる」

「だったら撤退したほうがまし、という選択肢は理解できる」

「前線にスアレスを残したままで、エンジン全開でプレッシングに行くことの勝率を考えると余計にな」

「で、守りきりに失敗すると」

「オブラクのファインセーブもあったので、相手に決定機を与えていたのも事実だった」

「そういう意味ではカウンターでとどめを刺せなかったことが本当に痛い」

「反省点はそっちに置くべきか」

「ずっとボールを保持するレベルまではたどり着いていないし、相手もレアル・マドリーだからな」

「レアル・マドリーの底力やろうな」

「底力と言っておけばいい的な」

「そんなレアル・マドリーについて少し」

「アンチェロッティのころからやっていることは大きく変わっていない気がする」

「アンチェロッティの発明は偉大だったな」

「それでも結果を残しているのだから意味が不明だ」

「個々の質の高さがえぐいし、彼らが能力を遺憾なく発揮できる体制にあることの正しさだな」

「ただ、今日のメンバーを見ていると、前線の駒はどうなんだろう、と思うけどな」

「そのあたりはチャンピオンズリーグで試されるとしてどうなるか見てみよう案件」

「両チームともに勝ち抜ける確率はあると思いますので」

「みんなでどうなるか目撃してみましょう」

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