リヴァプール対策を炸裂させたグアルディオラの頭のなか 2022 4.11 プレミア・リーグ マンチェスター・シティ対リヴァプール

2021/22欧州サッカー

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多人数によるビルドアップの理由

「最初の差し合いはシティの前進に対して、リヴァプールの前進させないだった」

「シティはベルナルド・シウバとロドリを横に並べる形で奇襲を仕掛ける。奇襲要素を強めた最大の理由はロドリが右でベルナルド・シウバが左に配置されたことだった」

「サイドバックエリアに逆足を配置を捨ててまでこの配置にこだわったグアルディオラの思いはいかに」

「おそらくリヴァプールの配置への牽制やろうな」

「いつだって自分たちのサッカーを貫くリヴァプールのプレッシングはジョタの位置の選手が相手のアンカーを捕まえながら徐々にプレッシングのスイッチを入れる形を得意としている」

「この試合もジョタはロドリを見る役割でスタートしたようにみえた」

「でも、ロドリの横にベルナルド・シウバがいる。しかも、ジョタからすれば右手側にいる」

「なんでやねんとジョタは思っただろうな。二人いるやんけど!みたいな」

「で、デ・ブライネも両方のハーフスペースを持ち場としているからたちがわるい」

「マネとサラーも外切りでシティのセンバにプレッシングをかけるよりも、シティの起点になりまくっているサイドバックを警戒している雰囲気だったしな」

「なので、動くはキャプテン・ヘンダーソン」

「ベルナルド・シウバを見ながら、シティのセンバに襲いかかるプレッシングは見事だったな」

「ボールを奪うというよりは脅し的な要素が多いんだろうけどな」

「というわけで、リヴァプールのプレッシングは中盤はそのままロドリとベルナルド・シウバを担当し、ジョタが追いかけ回す形に落ち着くこととなる」

「そんなこんなをしているうちにシティが先制する」

「クイックリスタートからのデ・ブライネミドルが炸裂する」

「その前のスターリングの決定機の演出もデ・ブライネだった」

相手にボールを持たせるメリットとデメリット

「先制したこともあって、シティは4231で撤退な雰囲気をみせるようになる」

「自陣に枚数を揃えているものの、ボール保持を許されたリヴァプールは急にいきいきするようになる」

「サラーにボールが入りまくるようになったからな」

「そんなこんなをしているうちにチアゴ・アルカンタラのサイドチェンジをきっかけとして、クリアーボールを拾ったロバートソンのクロスを逆サイドバックのアーノルドが折り返してジョタが決める」

「絵に書いたような大外アタックだな」

「大外アタックは最強なので、みんな練習してください」

「グアルディオラ的にはオレの技を真似するなよ!と思ったかどうか」

「ちなみにドルトムント時代のトゥヘルは大外アタックが大好きだった」

「もはや標準装備されているということか」

マンチェスター・シティの大外からの前進

「というわけで、試合は振り出しに戻り」

「シティがボールを保持する時間がだんだんと増えていく」

「プレッシングに関しても、シティは撤退をやめて序盤戦のように相手陣地から攻撃的な振る舞いに出る」

「4231と442のあいの子のようなプレッシングだった」

「リヴァプールはボールを延々と保持する意思をみせるかなと思ったが、速攻を武器にしているわけで」

「逆にシティは延々とボールを保持する意思をみせた」

「リヴァプールは主にヘンダーソンがプレッシングのスイッチをいれていたけれど」

「エデルソンでリセットするシティの前進に苦戦していたな」

「サラーとマネはサイドバックの守備に奔走していたしな」

「また、プレッシングのスイッチをいれたいヘンダーソンの近くにデ・ブライネが現れてのピンどめはなかなか効いていたと思う」

「18分のベルナルド・シウバのロングボールにウォーカーが抜け出した場面はちょっと面白かった」

「おれはここまで下がらないといけないのか?というマネの心の声が聞こえた気がする」

「そして時間がたってもリヴァプールのプレッシングがはまる気配はない」

「スタートは433縛りが苦しめている感は否めないな」

「シティはロドリとベルナルド・シウバがサリーをするようになり2-2から3-1の形になり、サイドバックが大外レーンを駆け上がるようになる」

「マネとサラーもついていくか怪しくなる」

「最初からあの位置まで下がったら6バックになってしまうから下がらないよ!というサラーたちの気持ちもよくわかる」

「しかし、そのために中央3レーンに位置するシティの3トップがにくい」

「にくかったな」

「フォーデンがゼロトップでなかったことは意外だった」

「ただ試合を見ていくとその理由は明白だった」

「この試合でゼロトップをやらない」

「やらないのか」

「そもそもデ・ブライネがトップ下だしな」

「さらに左ハーフスペースの住人には左ききを起用したかった」

「そのこころは」

「ハーフスペース突撃をしたときにそのままフィニッシュにいけるからな」

「右ハーフスペースにジェズスもそう考えると論理的やろう」

「カウンターでクロスをあげるときもフィニッシュにいくときも利き足サイドのほうが効率が良い」

「速攻を中心とするこの試合で別に切り返す必要はないと考えたんだろうな」

「話を戻すと、ベルナルド・シウバとロドリのサリーは多人数によるビルドアップでボール保持者をオープンにすることが目的だった」

「リヴァプールも常にボール保持者の前にプレッシング要員を作ることはできなかったな」

「迷うサラーとマネ、そしてヘンダーソンとチアゴ・アルカンタラ」

「ジョタも一人で延々と走るわけにもいかないものな」

「ボール保持者をオープンにし、自陣でボールを保持することで可能となるものは」

「精度の高いロングボールを蹴る起点とサイドバックが上がる、つまり、自分たちの望む配置を作る時間と手に入れることができる」

「よくできたところで」

「35分にはシティが追加点を決める」

「これもお馴染みのハーフスペースから大外アタック」

「飛び出したのが右利きのジェズスでよかった瞬間だな」

「マフレズでも普通に決めそうだけどな」

「残り時間が少なかったこともあって、撤退の雰囲気を出さずに前半を終了することに成功したシティ」

変身はしないのか、しなかったのか

「そして試合は後半へ」

「47秒くらいで同点においつくリヴァプール」

「サラのスルーパスに飛び出したマネの位置も大外からだった」

「時代は大外だな」

「まさにウイングストライカーは言い得て妙だな」

「そして試合展開は前半と同じような形に収斂されていく」

「リヴァプールもボールを保持して試合をコントロールできそうなんだけど、良い意味で速攻を仕掛けてしまうところは性なのだろうな」

「後半のリヴァプールは多人数によるシティのビルドアップに対して、ヘンダーソンとチアゴ・アルカンタラを出して果敢に挑んでいくか」

「自由にさせないは達成したが、シティの大外からの前進を防ぐことはできなかったな」

「タイミングを奪うだけでも上出来と考えるべきだろう」

「ただし、試合をコントロールする権利は依然としてシティが保有していて」

「ジェズスの個人技による決定機やスターリングのおしくもオフサイドなどなどシティペースで試合が進んでいった」

「そろそろ選手交代で流れをかえたいところだろうな」

「最初に動いたクロップ」

「69分にジョタ→ディアスが登場。恒例のマネが中央へ」

「74分にスターリング→マフレズ。この試合のスターリングはファン・ダイクとマッチアップする場面が多々でちょっと大変そうだった」

「よって、フォーデンが左、ジェズスが中央、マフレズが右へ。そして82分にグリーリッシュが登場して利き足をがらっと変更する」

「77分にはヘンダーソン→ケイタが登場したことを忘れているぜ。83分にはフィルミーノも登場している」

「ただ、試合の展開は徐々にシティだったな」

「リヴァプールもときどきえぐい一撃をかましそうな雰囲気はあったのだけど、ボールを奪えないことが辛い」

「ただし、シティもマフレズとグリーリッシュの登場がいつもの形に回帰するポイントになるかと思いきや、基本的にそのままだったな」

「相手を押し込んで時間をさらにコントロールする意思はあったかもしれんが、ベルナルド・シウバの役割がこの試合は変更なしだった。つまり、変身はなしだった」

「ロスタイムにはリヴァプールが攻め込む場面もあったが、最後の最後はデ・ブライネを起点とするカウンターでマフレズに決定機が訪れる」

「が、残念ながらスコアは動かずに試合は終了した」

マンチェスター・シティの振り返り

「マンチェスター・シティは自分たちのボール保持による試合支配を実行しながら、大外レーンからの奇襲を延々と仕掛け続けていた」

「サイドバックが飛び出していく形を中心としたところがにくい」

「オシム理論やな」

「サイドバックが攻撃参加をすれば、相手のウイングは守備に奔走するしかなくなる。そうやってロナウジーニョを試合から追い出せばよいのだ」

「しかし、ロナウジーニョは守備に奔走しなかったというオチになる話なのだけど」

「サラーとマネをスルーすることは怖いけど、フィニッシュで追われればOKだからな」

「実際にこのコンビを守備に奔走させていたことはにくかった。いい策だったな」

「サラーたちが守備に奔走すればOK。守備をサボってもフリーで抜け出せるからOK」

「その時間を稼ぐための多人数によるビルドアップ」

「そんなに運動量を必要としないことからフリーマンとしてデ・ブライネがトップ下で振る舞えることも含めて立派だった」

「ただ、変身をしなかったことは手を隠しているのかどうか気になるな」

リヴァプールの振り返り

「リヴァプールは基本的に自分たちのサッカーを貫いてこの地位までたどり着いている」

「マンチェスター・シティがどのようにボールを保持するかで試行錯誤しているなかで、リヴァプールはサッカーの攻略法をまるで示しているように、大きな変化はない」

「変化があるとすれば、起用する選手による個性の差だろう」

「ただ、フィルミーノの役割をこなせる選手をそのまま見つけてくるとは思わなかったけどな」

「だから、良くも悪くも変わらないリヴァプールがこのシティの策に対してどのように向き合うのかは興味深い」

「ところでリヴァプールは本当に変わらないのか、変わるとしたらどのタイミングになるのか?」

「サラーの移籍やろうな」

「サラーか」

「リヴァプールのサッカーの根底にあるものはサラーやマネをどのように活かすかだと思う。その過程でフィルミーノも同時に活きる役割を見つけたことは流石だった」

「別にただのワントップを連れてきてもいいっちゃいいもんな」

「サラーの位置にあわせてアーノルドやヘンダーソンは自分たちの立ち位置を決めている感は強い」

「だから、チームを構成する中心となる選手が変われば、不変のリヴァプールも少し変わるのではないかと」

「それがいつになるかはクロップのさじ加減次第になるのかどうか」

「乞うご期待」

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