ガットゥーゾの策略とビルドアップとサリーの目的を考える~バレンシア対バルセロナ~

2022/23欧州サッカー

「さて」

「今回はリーガ・エスパニョーラで行われたバレンシア対バルセロナを振り返っていきたい」

「最初に考えたいことはガットゥーゾの策略となる」

「バルセロナの[433]に対して、バレンシアは[5212]で臨んだ」

「ボール保持のバレンシアは[433]だったこともあって可変式を採用しているガットゥーゾだった」

「[5212]のプレッシングを選択した理由を考えていく」

「バルセロナのセンターバックに2トップで同数を揃える」

「アンカーのブスケツにトップ下の選手でマンマークを実行する」

「二人のセントラルハーフでバルセロナのインサイドハーフをマークする」

「最後に5バックによって、バルセロナのウイングへ執拗なマークを実行できるようにする」

「ちなみに5バックへの変化は中盤のフルキエが行っていた」

「トップ下への移動はウイングのクライファートが行っていた」

「へんてこな可変だったこともあって、可変がいまいちはまらないとフルキエが移動するサイドのアンス・ファティが躍動する論理的な展開だった」

「その代わりにガヤがそばにいる環境を設定できたことで、デンベレはいつものような迫力を出すことができなかった」

「そういう意味おいてガットゥーゾの策略ははまっているようにみえる」

「策略に続きはあるんだけど、次にビルドアップの目的について考えていく」

「ビルドアップの定義は各国のFAによって異なっている」

「ゴール前まで、相手陣地まで、相手のファーストラインをこえるまでと様々なゴールが設定されている」

「そんななかでビルドアップのゴールまでの道のりによくあるのがボール保持者をオープンにするというものがある」

「ビルドアップの出口が一列前の話なら、ボール保持者をオープンにするは最初の一歩な気がする」

「で、オープンな選手が保有している時間とスペースを配っていくと」

「この試合において、バルセロナは最初からオープンな選手が用意されていた」

「配置の噛み合わせでいうと、サイドバックだな」

「というわけで、ポジションを動かす必要もなくサイドバックにボールを届ければオープンな選手が作れるバルセロナはサイドバックから試合を作っていくことを選択する」

「これが罠なんだろうな」

「相手がどこから攻めてくるかわかっていれば対処のしようがあるからな」

「特にこの試合は左サイドバックを本職とするバルデが右に配置されていたこともあって、ボールを持たされて困っていたな」

「5バックで待ち構えてるもんな」

「さらにバルセロナのサイドバックがボールを持って攻撃を仕掛ける→ボールを奪ったら前線の3枚でサイドバックの裏を強襲するガットゥーゾの策略が待っていた」

「特に左に配置されたリーノはなかなかおもしろい選手だった」

「バレンシアに誤算があったとすれば、サイドにボールがあるときにクライファートが守備に熱心でブスケツをあけてしまうことがおおかった」

「なので、ブスケツ経由でサイドチェンジに成功すれば、アンス・ファティの出番となる」

「アンス・ファティはシュートまで持っていくスキルがべらぼうに高い」

「一つでも決めていればバルサの未来はアンスと共にあるとか言われていそうだな」

「レヴァンドフスキに依存!とか言われなくなるのにな」

「前半を振り返ってみると、ガットゥーゾの策略に四苦八苦しながらもボールを動かしてバレンシアのゴールに迫ることもできていたので、良くもなければ改善が必要!というほどの内容でもないというか」

「で、後半になってもガットゥーゾの策略が炸裂する」

「ウイングバックへの可変を行っていたフルキエが今度は最前線にいた」

「中盤の選手にお前は前からいけよと指示されていったら周りが連動していなくて怒っていたフルキエ」

「試合のなかで役割が変わりまくる選手はときどき見かけるが、この試合のフルキエもなかなか意味がわからなかった」

「まとめると、後半のバレンシアは[4312]のような形にしてバルサのサイドバックへもプレッシングをかかるようにした」

「リーノとクライファートがインサイドハーフ兼サイドハーフのような守備の役割を忠実にこなしていた」

「前半と異なるプレッシングスタイルを後半の頭から行うことで、開いてい対応を迫る策略となっている」

「ハーフタイムを挟ませないことが非常ににくいところだ」

「で、この変更にバルセロナが対応するまでの時間に何かを起こしたかったバレンシアだが」

「ゴールを決め前に無情のハンドを実行」

「触る必要がまったくなかったので切ないところである」

「57分にバルセロナは怒りの三枚替えで修正をはかる」

「この交代で面白かったところはウイングを同時に交代したところだ」

「デンベレとアンス、フェランとラファエルコンビのどちらを重視するかの答えはなさそうな雰囲気だな」

「そしてフレンキーをアンカーにして、ガビが登場する」

「フレンキーはドリブルでボールを運べる選手なので、オープンな状況を好んでいる」

「相手のライン間でボールを受けずに相手のライン前でボールを受けても別に問題ないくらいにボールを運べてしまう」

「なので、ブスケツと比較するとサリーを行うことが多い」

「この試合でもフレンキーのサリーをスイッチとして、バルセロナの面々が自分の持ち場を離れてバランスの維持をはかる場面が多く見られた」

「特にペドリはその傾向にある」

「また、フレンキーのサリーによって外側のレーンでのプレーになるセンターバックコンビは運ぶドリブルをするようになる」

「バレンシアの2トップを前にしてちょっと嫌そうだったもんな」

「理屈を言えば、それでもなんとかせえやとなるのだが、無理なものは無理だからな」

「フレンキーの立ち位置によって、バルセロナの面々が相手を見て配置を取れるようになると」

「流れがバルセロナに渡っていくことは自明だったな」

「しかし、点がどうしても入らず」

「ぶっちゃけ意地でもビルドアップをするバレンシアのミスからバルセロナはチャンスを得る場面も多かったのだけど」

「それでもやっぱり入らず」

「しかし、最後にレヴァンドフスキが決めて試合は終了した」

「というわけで、まとめに入る」

「この試合はサイドバックがフリーであることから動的な要素を出す必要がないと考えた前半と」

「相手がより攻撃的なプレッシングを仕掛けてきたことでその必要がでてきたら実行したと」

「なかなか興味深い現象だった」

「また、バイエルン戦では見られなかった裏への飛び出しとロングボールもそれなりに見られたことも面白かった」

「ただ、各々の良さを出す、そして、良さを引き出すことを考えたときの連動性、ユニット力はまだまだのような気がする」

「選手の組み合わせで対応するといえばかっこよいが、現状はわかっている人たちのわかっているプレーでどうにかなっている感が強い」

「同じエリアでプレーしているのにプレー選択がちょいと違いすぎやろみたいなことか」

「個性の差といえばかっこよいところだけどな」

「シャビがどのような結論を出すかは興味深いところで」

「ではまた」

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