アルゼンチン復活の理由と立ち位置の優先順位における考察

2022 FIFA World Cup

「さて」

「今日は劇的な復活を遂げたアルゼンチンについて考えていきたい」

「サウジアラビアに負けたときはどうなるか!と思ったが、メキシコ、ポーランドに勝利しての1位突破は見事だったな」

「誰もが最初からやれ!と思ったろうけど、できない理由でもあったのだろうな」

「気になるのは南米予選をどのような差配で臨んでいたのかだけど」

「それを知る由もないからな」

「なので、最初に4231が元々の形なのか、ポーランド戦で見せた433が本来の形なのかはほっておくとして」

「で、サウジアラビア戦のスタメンはこちら」「本来はアレハンドロ・ゴメスのポジションに他の選手がいたと聞いたことがある」

「で、この試合のアルゼンチンはご存知のようにハイライン!に苦しむ展開になるんだけど」

「アルゼンチンの配置は4231でメッシが自由人って感じだったな」

「さらにサイドハーフとサイドバックの位置関係は整理されておらず」

「セントラルハーフコンビのサリーも不必要に行われ」

「メッシが何とかするしかない!みたいな展開になっていった」

「試合を観戦していた人からすると、アルゼンチンはなぜ無敗街道を突っ走れたんだ?と不思議になるところだったな」

「サウジアラビアのハイラインによって、配置関係が狂った可能性は否定できないけどな」

「PKでアルゼンチンは先制するものの」

「サウジアラビアの勇気であるボール保持をメッシありで邪魔することはできなかった」

「メッシが諸刃の刃であることは周知の事実なわけで、それを込みでどのようにチームを設計するかが鍵となる」

「そのあたりも曖昧であったことがサウジアラビアにつけいる隙きを与え、一気に逆転されてしまう」

「ハイラインにはロングボールだ!とリサ丸が登場し、機能しないアレハンドロ・ゴメスの位置にアルバレスが入り、配球をエンソ・フェルナンデスに託し、左サイドの大外ロールをアクーニャに託したけれど」

「サウジアラビアの前にスコアを動かすことはできなかった」

「メキシコ戦のスタメンはこちら」

「アルゼンチンはターンオーバーをしているというよりは、前回の反省を生かしたメンツに変更したという感じである」

「ロドリゲスのサリーでボールを保持しながら試合をすすめたいアルゼンチンだが、マック・アリスターが非常に良かった

「マック・アリスターか」

「カタカナ評議委員会に問い合わせしたい名前表記のブレがありそうな選手だな」

「アルゼンチンは左の大外レーンで活動する選手を欲していた。その答えがアクーニャとなり、この試合での抜擢となった」

「そのため左サイドハーフに求められたことは内側でのプレーとなる」

「さらにアルゼンチンのセントラルハーフはサリーする傾向にあるので」

「セントラルハーフの位置に降りてのプレーも必要となる」

「さらに」

「さらになんだ」

「個々の立ち位置やチーム全体の配置を変更するときにチームの決まりごとがあることが普通なのだが」

「その優先順位はチームによって異なっている」

「ボール、味方、相手、スペースが基本となっているんだけど」

「アルゼンチンの場合はメッシの立ち位置を基準に周りの選手の配置が決まってくる」

「メッシは基本的には自分がボールを受けることを前提としながらも相手をひきつける立ち位置を自由にとることで有名である」

「フラフラしているもんな」

「で、アレハンドロ・ゴメスもフリーな動きでボールを受けることが得意な選手なんだけど、恐らく人に合わせることはあまり得意としていない」

「自由に動き回る選手の枚数は多くでも2人が限界である」

「マック・アリスターは周りの選手の立ち位置を見て、最適な立ち位置に移動できる。さらに、移動した先で難なくプレーすることができる」

「まさに水を運ぶ選手ということか」

「マック・アリスターとアクーニャによって、左サイドには目処がたったことがアルゼンチンにとっては大きかった」

「ついでにデ・パウルがちょっと攻撃的な立ち位置を取れるようになったことでサウジアラビア戦よりは復活気味であった」

「しかし、もうひとりの自由人がアルゼンチンにはいて」

「ディ・マリアか」

「ディ・マリアについてもフリーで動き回ってもいいけど、基本的には大外レーンに置くことが徐々に決まってくる」

「で、サイドバックのモンティエルが内側を走ったり後方支援に走ったり、ディ・マリアを追い越したりと迷いがだんだんとなくなり」

「右サイドも活性化するヒントを掴んだところでメキシコ戦が終わる」

「最終的にこのようになる」

「メッシのゼロトップか」

「プレッシングは433で行い、相手のサイドバックが攻撃参加するならウイングコンビは下がることもある」

「メッシの守備を計算に入れず、いざとなったら45で守ろう作戦である」

「守る!と決めたときのアルゼンチンの守備の堅さは異常だからな」

「この差配がなかなか面白くてちょっと解説したい」

「サウジアラビア戦でみせたようにアルゼンチンはメッシにボールが入らないと何も起きない感が強かった」

「なので、アルゼンチンはメッシなしでボールを運ぶことを考える」

「最初のゲームメイカーはエンソ・フェルナンデスで彼が周りに時間とスペースを配ることでビルドアップの最初の一歩が完成している」

「次にサイドに選手を集めることでユニットを形成する」

「なので、ビルドアップの次の手はサイドにボールを運びサイドユニットでの前進と破壊となる」

「もちろん、ビルドアップで困ったらデ・パウルもマック・アリスターも助けに来る仕組みとなっている」

「それでもディ・マリアが自由に動き回る傾向にあるが」

「サイドで3人、もしくは2人のユニットが形成されればボール保持の継続は難しくないし、あわよくば突破も可能となる」

「サイドユニット形成においてはラウタロ・マルティネスよりもアルバレスに分があると計算したのは完璧だったな」

「初戦では低い位置でごちゃごちゃしていたデ・パウルもサイドユニットに放り込まれてからは活き活きとしていた」

「このアルゼンチンの差配が優れていることはメッシ抜きでどうにかなるというところにある」

「ボール保持でもボール非保持でもメッシは両刃を目立たぬようにすることができている」

「実際のゴールもメッシをあまり経由せずに生まれているところがにくい」

「それでいてメッシはカウンターの起点、相手がサイドに集中したら中央から攻める、そしてサイドユニットに加わり+1となると」

「メッシにお任せから仕上げのメッシに変化しつつある」

「メッシ依存から始まってしまったチームがメッシなしでもどうにかできるようになり、さらにメッシの良さも出るようになったということか」

「ただし、ちょっと問題がある」

「なんだ」

「ポーランド戦で先制したアルゼンチンはさっそうと442に戻してしまった」

「それでもセントラルハーフの片方は自由なエンソ・フェルナンデスが見事な仕事を成し遂げたけれど」

「リーベルコンビの躍動だな」

「4231でもメッシのゼロトップの433の良さは両立すると思うが、どこまでサイドユニットの容易な形成を評価していてどこまでデメリットと考えているかはわからない」

「あのままでも別に良かったような疑惑はあるけどな」

「ま、ポーランドの消極的な姿勢に助けられ、その後もボールを保持しまくることに成功したからな」

「そのあたりの選択は負けたら終わりの次から出てくるというところで」

「ところで、アルゼンチンの次の相手はどこだ?」

「オーストラリアだな」

「最終予選で日本としのぎを削ったオーストラリアがアルゼンチンのサイドユニットをどのように止めるかは興味深いところで」

「サイドユニットに気を取られ過ぎると、メッシが襲いかかってくる」

「二の矢をメッシにできたことはまじで大きい」

「では、本日のクロアチア対ベルギーのモドリッチ対デ・ブライネ、どっちがサッカー仙人か対決と」

「日本対スペインの日本の奇襲はどうなるかを楽しみながら」

「一日を過ごしましょう」

「ではまた」

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