決勝戦のレビューの前に、ベストイレブンを考えたいと思います。いつもは気になっているイレブンと表現しています。しかし、今回はファイナルラウンドからの試合をすべて観戦することができました。よって、ベストイレブンを選ぶ資格があるのではないかと考えています。すべての試合を見ていないと後ろめたさが残りますからね。よって、今回はベストイレブンと銘打ちます。ベストイレブンなので、いつもの枕詞はありません。なお、コメント欄には、俺が、私が考えたベストイレブンを発表していただけると、嬉しいです。
■Rui Pedro dos Santos Patrício
ポルトガルのゴールキーパー。クラブチームでは、スポルティング・リスボン一筋という、今では珍しい経歴の選手です。幅広く移ろいを見せたポルトガルのゲームプランに、適応していました。特に守る時間が多い中でのミスの少なさは、他のキーパーの追随を許さなかったと思います。ファイナルラウンドでの失点は、レヴァンドフスキのゴールのみ。その他の試合は、無失点祭り。さらに、決勝戦ではチームの混乱を個の能力で支えきることで、試合の流れをポルトガルに戻す力技を魅せつけました。まさに、優勝の立役者といえるでしょう。次点は、ブッフォン、ロリス、キラーイ。
■Raphaël Adelino José Guerreiro
ポルトガルの左サイドバック。来季はドルトムントでのプレーが決まっています。シュメルツァーとのポジション争いは熾烈を極めるでしょう。ただし、ウイングバックとしては、ラファエル・ゲレイロのほうが上かもしれません。チームがボール保持から守りを重視するスタイルに変化する中でも、生き残って見せました。攻撃面でチームを牽引できる選手です。オーバーラップ、インナーラップを場面によって使い分け、セットプレーのキッカーとしての役割も果たせます。決勝戦でフリーキックを決めていたら、世界的に大騒ぎになっていたでしょう。それはまだ先の話になるのかもしれません。次点はリカルド・ロドリゲス、ブレイディ。
■Képler Laveran Lima Ferreira
ペペです。ポルトガルのセンターバック。レアル・マドリー所属です。グループリーグでは残念そこはペペという、かつてのバルセロナでのプジョル仕事を思い出させるプレーでした。ファイナルラウンドに入ると、相方がフォンテにかわり、撤退守備でも強さを発揮していました。攻撃では、チームがビルドアップで苦労すれば、前に出てくることもできます。守備では相手のハイボールでは無類の強さを誇り、裏抜けにも迅速なスピートで対応できます。かつての悪童っぷりをほのかに残していますが、センターバックとしてのレベルは世界屈指に迫りつつあります。次点はバルザーリ、アルナソン。
■Laurent Koscielny
フランスのセンターバック。アーセナル所属です。フランスのセンターバックのベストメンバーは誰だったのだろうと、ヴァランの離脱などを考えると、頭が痛くなります。途中でラミもいなくなりましたし。でも、コシェルニーは不動なんだろうなというパフォーマンスでした。ペペと同じように、高さでもスピードでも存在感を放ち、攻撃面でも長い楔のボールで何度もチームの攻撃の起点として機能していました。特に相方がユムティティになってからの負担は、尋常でなかったと思います。欲を言えば、ボールを保持しているときにもう少し高い位置でもプレーできたような気がしますし、決勝戦のハンドは不運だったと思います。前線の仕組みが様変わりするなかで、ロリスとチームを支えた主導者だったと感じました。次点は、キエッリーニ、フンメルス、アシュリー・ウィリアムズ。
■Thomas Meunier
ベルギーの右サイドバック。クラブ・ブルージュ所属です。ベルギーのわけのわからなさを少しでも解決しようと起用されたムニエ。なぜ最初からスタメンでなかったのだろうというプレーで、右サイドの攻撃を牽引しました。よって、起用されてからはスタメンが続いていきます。追い越すこともできるし、後方に残って守ることもできるし、後ろから攻撃を作ることもできます。190センチというサイドバックらしくない高い身長も今後のサイドバックのモデルケースになっていくような選手になるかもしれません。争奪戦必死かと思いましたが、特に噂はないようなので、サイドバックに難のあるチームは大チャンスです。パリ・サンジェルマンへの移籍が決まったそうな!!!!次点は、セドリック、ピスチェク。
■Toni Kroos
ドイツのセントラルハーフ。レアル・マドリー所属です。バイエルンがなぜ放出したのか未だに謎です。そのプレーぶりはドイツ代表でも核であり、絶対に欠かせない選手になっています。ポジショニングで時間とスペースを得ることもできますし、かりにチームの仕組みで余裕のない状況に追い込まれても、独力でどうにかしていまいます。クラブのチームメイトであるモドリッチや、バルセロナのイニエスタたちのような何もないところから何かを生み出すようなプレーはまだ少ないですが、個人で試合の結果をどうにかする、試合内容に大きな影響を与えるという意味では、世界屈指の選手になりつつあると思います。ドイツの中では、もっとも化物じみたパフォーマンスでした。次点は、マテュイディ、クリホビアク。
■Emanuele Giaccherini
イタリアのインサイドハーフ。サンダーランド所属ですが、ボローニャにローンで貸し出されていました。かつての長友の同僚ということで、日本でも知名度の高いジャッケリーニ。コンテ式をマスターしていることもあって、大活躍の大会となりました。パローロと比べると、トップの選手を追い越す裏抜け、ビルドアップではサイドに流れてボールを受ける、または、相手を動かしてパスコースを作ると、獅子奮迅の活躍でした。コンテ式のなかでも、最も役割が多く、ある意味で走って死んでを体現する選手として、最後まで戦いぬきました。次点は、ジョアン・マリオ、ナインゴラン。
■Aaron James Ramsey
ウェールズのインサイドハーフ兼セカンドストライカー。アーセナル所属です。今大会のウェールズ躍進の中心人物であり、ウェールズ敗退の遠因になった選手です。持ち前の運動量とアーセナルらしいパスを紡いでいく技術でチームを支えていました。特に列を移動するプレーが秀逸です。トップを追い越すような動きをしたかと思えば、ジョー・アレンの近くでビルドアップをサポートし、本来のポジションでライン間ポジショニングで勝負を仕掛けるなど、多彩な役割を楽しそうにこなしていました。だからこそ、準決勝での出場停止がとっても痛かったです。それでも、プレーをまたみたいなと思わせる意味では、もっとも目立っていた選手だと思います。次点は、レナト・サンチェス、グンナルソン。
■Gareth Frank Bale
ウェールズのエース。レアル・マドリー所属です。今大会のウェールズ躍進の中心人物です。レアル・マドリーで充実のシーズンを過ごしたベイルは、その調子を本大会でも持続させました。クラブではあまり機会のない直接フリーキックで世界を騒がせ、カウンターのスピードではポルトガルの守備陣をざわつかせました。また、ウェールズのボール保持攻撃でも、ラインを移動する動きでチームのボール保持に貢献していました。ラムジーと役割をいれかえながら、ストライカーとチャンスメイカーを行き来するプレーは、他の追随を許さなかったと思います。次点は、グロシツキ、ビャルナソン。
■Luís Carlos Almeida da Cunha
ナニです。ポルトガルのフォワード兼サイドハーフ。フェネルバフチェにいましたが、来季からはバレンシアでのプレーが決まっています。マンチェスター・ユナイテッドを離れ、都落ち感が半端無かった選手ですが、劇的な復活を遂げています。マリオ・ゴメスも存在感をましているので、トルコリーグには何かがあるのかもしれません。相方のクリスチャーノ・ロナウドが守備をあまりしない中で、攻守にハードワークをします。時にはトップでの裏抜け、時にはサイドハーフからドリブル突破、時にはキャプテンと、多彩な攻撃のパターンを見せてくれました。いわゆる四大リーグへの帰還も納得のプレーです。次点は、エジル、イニエスタ。
■Antoine Griezmann
フランスのセカンドストライカー兼サイドハーフ。アトレチコ・マドリー所属です。悩めるフランスの解決策となったグリーズマンの中央起用。その起用に答えるかのように得点を量産しました。そして、得点王。6点という数字も立派です。ジルーとのコンビネーションも冴え渡り、アトレチコ・マドリーでみせているかのような中央をわるカウンターは、フランスの武器となっていました。ドイツとの試合でみせた2点目のセレブレーションは、世界中で真似をする人が続出する気がします。そのプレーぶりは非常に優雅で、人を魅了するものがありました。次点は、ジルー、ジュジャーク、ペッレ。
まとめ
センターフォワードがいないのが玉に瑕です。せっかくなので、次点に選んだ選手を相手に想定してみました。
白チームのほうが強そうなのは、いつものことです。決勝戦のレビュー、大会の総括は今週中に。それで、EUROが終わります。次はJリーグのセカンド・ステージですね。EUROに負けない試合を期待しています。
コメント
僕の愛する新潟がヤバそうです。
毎年落ちる落ちると言われながら残留して来ましたが、今年はそろそろかな?と思ってしまいます。
オレンジ色のチームは落ちないジンクスがあったものの大宮や清水は落ちました。
次節は西城秀樹さんが等々力にやって来て、呪いが発動しそうです。
らいかーるとさん、吉田達磨監督ってどうなんですか?
なんで急に新潟(・∀・)こんど試合を見てみます。吉田達磨監督は、レジェンドですよ
キーパーは人外レベルで活躍していた選手が多かったので悩ましいところですね。
ベスト監督はぶっちぎりでフェルナンド・サントスでしょうか。
塩試合メーカーっぽいのは玉に傷ですがw
確かにキーパーのレベルはうなぎのぼりですね。
ベスト監督は迷うことなくフェルナンド・サントスで(・∀・)
こんにちは。
あんまり試合見れなかったので、それこそ気になったイレブンということで…()内は次点です
キラーイ(ルイ・パトリシオ)
ウォーカー(サニャ)
コシェルニー(ペペ)
ボヌッチ(ボアテング)
ゲレイロ(ブレイディ)
ルーニー(アレン)
ラムジー(ナインゴラン)
レナト・サンチェス(クロース)
ベイル(マリオ)
ナニ(ジルー)
グリーズマン (パイェ)
ってところでしょうか。
ルーニー以外は王道です。モウリーニョのもとで、本来のポジションで起用されるルーニーがみたいですね。