【第19節】マンチェスター・シティ対ボーンマス【ビルドアップで狙いたいエリアと配置とさらに変化】

マッチレポ×マンチェスター・シティ1718

いけいけ!ぼくらのマンチェスター・シティ。だめじゃん、ワールドカップ開幕までに終わらないじゃん!状態のマンチェスター・シティ特集。こうなったら、リヴァプール戦だけでもやるべきか否かを悩んでいる。まあ、プレミア・リーグの開幕に間に合えばいいかと思ってもいる。なお、ワールドカップ中はワールドカップに死ぬほど集中をする予定であります。ただし、この試合で1周は終わったんだなと。まだ半分あんのかよ!という気にもなるけれど、気にしない。

ボーンマスの5-4-1

特別なことはしていないオースドックスな5-4-1のボーンマス。特徴があるとすれば、3列目(ディフェンスライン)を高めに設定しているところ。2列目と3列目の距離を圧縮することで、ライン間でプレーしたいマンチェスター・シティの狙いを消す狙いがある。そのかわりに、3列目とキーパーの間にスペースをあけてしまうのだが、それは割り切っているようだった、

もちろん、マンチェスター・シティが3列目とキーパーの間のスペースに裏抜けを連発してくれば、非常にめんどくさいことになる。しかし、マンチェスター・シティはボールを保持することを優先する習慣がある。また、裏抜けを狙ったボールは成功しようがしまいが、攻撃が完結することに繋がるケースが多い。それはマンチェスター・シティのボール保持攻撃の終わりを同時に意味する。たぶん、ボーンマスはそんな罠も含めて、高いディフェンスラインと圧縮してライン間を消しに来たのだろう。むろん、簡単に裏を取られてゴールを決められたら元も子もないけれど。

なお、5-4-1の2列目はペナルティエリアの幅で、3列目はウイングバックに大外を担当させることが5-4-1のトレンドになってきている。もうスタンダードと言っても良いかもしれない。デ・ブライネとシルバの前にサイドハーフのアイブとスタニスラス、スターリングとサネの前にはウイングバックのフレイザーとスミスが控えるみたいな。

マンチェスター・シティの狙い所

最初に水色四角エリアから。このエリアに名前がほしいのだけど、なにかいい案はないだろうか。FWの選手は前への守備力は頑張っても後ろに下がってくることはあまりない。また、人への守備の意識は強くてもスペースを埋める意識の強い選手はあまりいない。いや、本当はできるんだけど、カウンターに備える必要もあるんだ!と考えると、全部を実行するのは無理となる。

よって、1.2列目の間を支配することがボールを保持するチームにとって命題となる。この位置でオープンな状況でボールを持てれば、相手はプレッシングに出てくるしかない。出てこないこともあるけど。相手が動けば、それは守備が整理されていない状況にゆっくりと近づいていくという流れになっている。この位置にシルバやデ・ブライネが降りてくるのもマンチェスター・シティの得意技となっている。

次に黄色四角エリアは、いわゆる大外レーンとなる。相手の2列目がペナルティエリア幅で守っているなら、大外にはプレーエリアがある。そして、ウイングバックには前に出てこないようにピンどめもできている。パターンは2つで、サイドバックを起点に大外からライン間の選手にボールを入れるか、ウイングの選手を中に移動させて、あいたスペースにサイドバックを上げる。本当がゴスリングとアイブの間にパスラインを見つけて、ライン間でボールを持つ選手にボールを届けたいマンチェスター・シティ。しかし、相手が中央圧縮でそれを防いでくるならば、サイドからライン間に入れます!みたいな。

最後に紫色の円。いわゆる1トップの脇。相手が2トップなら2トップの脇。なお、3トップで中央レーン、ハーフスペースレーンを消す守備も出てきてる。その場合は3トップの脇となるかどうかは不明だ。この両方の円に選手が配置されれば、1トップの選手の守備の機能は滅びる。ビルドアップはボール保持者をオープンな状態にするために行われる。数的優位が前提で行われ、パスコースを制限しながらプレッシングを行うのだが、大抵の場合は途中で心が折れる。また、1トップの選手を助けるために後方の選手が支援しにくれば、空いたエリアを使われるという無限地獄となる。

アラバロールと運ぶドリブル

この試合でもよく見られた形がこの二種類。別にマンチェスター・シティ以外のチームも行っているプレーなので、特別感はない。オタメンディの運ぶドリブルとウォーカーのアラバロールだ。特にアラバロールはボールを失ったときに相手のカウンターを消すためにも機能することで知られている。

マンチェスター・シティの面々は基本的に移動を頻繁に行うのだが、あまり動かない役割の選手がいる。それがフェルナンジーニョだ。動かないということは実は狙いやすいということに繋がってくる。バルセロナでブスケツに攻守にマンマークをつけることで、ブスケツを試合から追い出すという対策はなかなかの好手であった。ボールを失ったときのバランサー、ボールを奪う役割としてのブスケツのそばにいることで、徹底的に邪魔をする的な。これはアンカーを置くチームに対してかなりはまる戦い方である。それを防ぐためのアラバロール。でも、この試合ではサイドバックは黄色い四角でプレーしてほしいのだった。だったら、どうする?という話で。

中心軸からずれるフェルナンジーニョ

アンカーにマンマークはこの試合でも、地味に行われていた。他の選手がプレーできていれば、別に試合から消えても構わないフェルナンジーニョだったが、試合を重ねるに連れて中央レーンから動く場面が出てくるようになる。相手がフェルナンジーニョについてくれば、自分の移動したエリアでないセンターバックがプレーエリアを得ることになる。もしも、相手がついてこなければ、自分がフリーでプレーをすることができる。相手が守備をどこまでやるの?のFWの選手であることが多いので、このフェルナンジーニョの移動は1トップの守備の基準点を狂わせることが多かった。

それが自動化されるようになると、この図のように1トップの周りにオタメンディとフェルナンジーニョという配置になる。相手が自陣に撤退しているならば、コンパニを残すだけで問題はない。こうして、ポジショニングを支配していったマンチェスター・シティは試合をオープンな状態で継続することに成功し、結果もあっさりと手に入れることに成功した。普段はボールを保持するボーンマスが殴り返す場面がないわけではなかったが、点が入ってからの試合のゆるさは異常であった。ボーンマスもこれ以上の傷を広げたくない意思が試合の変化をもたらさなかったこともあって、危なげない試合でマンチェスター・シティは連勝を伸ばすこととなった。

ひとりごと

ワールドカップでベルナルド・シウバは活躍するかもしれない。左サイドからのカット・インからのシュートは言うまでもなく、クロスの精度がやばい。EUROのように地味でいやらしいけど、論理的なチームを作ってくるフェルナンド・サントスは要チェックだ。

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