2019.11.10 プレミアリーグ 第12節 リバプール×マンチェスター・シティの雑感

マッチレポ1920

さて、久々の更新は懐かしの雑感となります。試合をインプットして、ブログでアウトプットして!という形を取り戻すためのリハビリです。たぶん、来年度には復活できると思うのですが、しばらくは雑感で更新しないよりはいいだろう!方式で参りたいと思います。現状の更新ペースは月刊になっているので、根性で週刊、もしくはスペリオール方式にしたい、そんな願い。

--最初に試合を見た感想を教えて下さい。

未来感をとても感じる内容でした。エキサイティングな試合であったことを否定するつもりはありませんが、早すぎる2点が試合のテンポを停滞させたことは事実だったと思います。もちろん、試合のテンポをコントロールすることができる!ということはリヴァプールの見事な新たな芸当だったとは思いますけど。

-- 未来感についてもう少し教えて下さい。

両チームともに空を使う場面が多かったですよね。リヴァプールは空を使われて、ウイングの頭上をボールが飛び越えて相手のサイドバックにボールが届くことが多いのですが、自分たちも空を使う場面が多かったと思います。個人的には空中を利用したボールでも五分五分の展開はあんまり好きではないのですが、致し方ない流れなのかもしれませんね。

-- 前半のマンチェスター・シティについてどのように感じましたか?

20分くらいまでは狙い通りだったのではないか?と感じました。デ・ブライネを前列に出す442のプレッシングをリヴァプールが嫌がっていたことは紛れもない事実ですし。ただし、20分が過ぎてプレッシングの強度が下がると、ファビーニョが空き始めましたね。デ・ブライネとアグエロのプレッシング開始ラインに後方が連動できないと厳しいというやつです。

フェルナンジーニョがいるから442で守るようになっている説がありますが、この試合では442で攻めきっているようにも見えました。スターリングとアグエロがペア、ベルナルド・シウバとデ・ブライネがペア。残りの選手はあんまり前に上がってこなかったこともあって、マンチェスター・シティらしい攻撃、ハーフスペース突撃とかがあまり見られなかったことは、配置の変更に原因があったのではないかと思います。

-- 前半のリヴァプールについてどのように感じましたか?

ストーミングの文脈ではほとんど語れないチームになってきている気がします。ロングボールを蹴っても前線のトリオはボールを失いませんし、プレッシングもストーミングという名を表すほどの激しさもありません。リードしてから試合のテンポを落とすようにキーパーを何度も使いながら試合を展開していったことからもボールを保持することに自信を持っているのではないでしょうか。

マンチェスター・シティのプレッシングに苦戦している場面はありましたが、強度が落ちたこととワイナルドゥムの列を降りる動きで状況を一気に解決させました。ビルドアップの枚数の調整がヘンダーソンでなく、ワイナルドゥムがやるんだ!というのは試合を継続してみていないと、ちょっと驚きかもしれません。

なお、ヘンダーソンはラキティッチロールをやっていて、サラーの自由化を行いながら、アンヘリーノを狙う!という一粒で二度おいしい役割でした。3点目のサイドの突破からのヘンダーソンのクロスはそんな文脈で生まれたゴールだと思います。

-- リヴァプールはサイドチェンジも目立ちましたね。

アーノルドのサイドチェンジは立派な武器ですね。ボアテングをちょっと思い出しました。マンチェスター・シティが442で守るならば、捨てているだろう逆サイドから一気に強襲!というのは準備されたプランだったのではないでしょうか。恐らく普段からやっているとは思いますけど。なにげにリヴァプールのほうがマンチェスター・シティ対策をしていたように思えますし、自分たちの長所がそのまま使えたように感じました。特に2点目はこの文脈から生まれていますし。

-- 後半になると、マンチェスター・シティが少し流れを取り戻したように見えました。

後半のマンチェスター・シティは普段どおりに戻してきたと思います。前半はリヴァプールの3トップのプレッシングに対して、間にギュンドアンとロドリを配置することに命をかけていましたが、なりふりかまってられないか!になったのでしょう。特にアンヘリーノの攻撃参加は前半と後半で全く異なる量だったと思います。

マンチェスター・シティがなりふりかまってられないからといって、試合の流れがマンチェスター・シティに行くか?というとそんなことはありません。ただ、リヴァプールのプレッシングはどうしてもサイドが空きますし、両サイドで偏りが出ます。前半は攻撃の枚数が少なかったマンチェスター・シティですが、後半はそのエリアも攻め立てて来ました。

リードしているリヴァプールからすれば、カウンターで殴り倒すことよりも、しっかりと守備をする枚数を揃えることを優先し、サネを右サイド、ミルナーが左サイドハーフに登場して、451に変更します。この変更によって、マンチェスター・シティはビルドアップで苦労する場面が減り、ギュンドアンが解き放たれます。よって、よりマンチェスター・シティらしい攻撃を後半は見せるようになりました。

-- 451への変更が悪手だったということでしょうか??

デ・ブライネがちょっと暴走気味なポジショニングでしたが、後半のマンチェスター・シティはリヴァプールのゴールを脅かすような場面が作れていたと思います。お得意の3トップのプレッシングで相手のビルドアップ隊の枚数を増やさせ、かりに突破されても攻撃機会を削ることはとっても大きいことでした。

しかし、451になると、途端に1列目のプレッシングがなんとも言えない状態になります。それでも撤退守備で跳ね返せる!という計算になるんでしょうけど、個人的には危なっかしい印象を受けました。ま、勝ったので、それはそれで良いんでしょうけれども。

-- マンチェスター・シティの442について少し

もともと相手の配置に合わせるところはありましたが、今日は442でした。相手のアンカーがいるときは4312でインサイドハーフの位置にウイングの選手が入る形がより強烈なプレッシングになると思います。自分たちの理由でそれをやらなかったような気もしますし、リヴァプールのサイドバックのそばに人を置きたかったからのような気もします。

後半のデ・ブライネはトップ下のままプレーしているように感じました。インサイドハーフから前列に移動し、攻守にそのままプレーしているような。リヴァプールにとって厄介なバグになっていたのは間違いないのですが、ベルナルド・シウバはなかなか大変だったと思います。

怪我人や使える駒の関係で、相手よりも自分たちの都合を優先するしかなかったと考えることもできるので、そういう意味ではちょっと分の悪い勝負だったのかもしれません。そういう意味では前半からいつも通りに戦うような姿勢が無責任な観客は見たかった、というのは素直な気持ちです。

ひとりごと

未来は空中戦の嵐になるかもしれない。パスラインを切られている。でも、空中を使えば問題ない。そのボールを処理できれば。失っても回収できれば。予め蹴ることがわかっていれば、サポートも相手よりも早くできる。フライパスの精度と競り合いの技術が必須になる時代が来るのかどうか。

そして、古典的なサイドチェンジは普遍的な強さを見せていた。これもある意味では空中戦に根っこは似ている。精度の高いサイドチェンジはパスカットは物理的に不可能。サイドハーフががっつり守れる選手でないと追いつけない。スターリングとベルナルド・シウバに守備の奔走させられれば、それはそれでOK。相手の都合と自分の都合を両立させる手札を多く持っていたリヴァプールが巧みな試合だった。

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