2019.11.27 チャンピオンズリーググループE 第5節 ヘンク対ザルツブルグの雑感

マッチレポ1920

さて、今回はチャンピオンズリーグで日本人対決となったヘンク対ザルツブルグの試合から感じたことをつらつらと書いていきたい。

最初にヘンクは監督が変わったばかり!というわけで、なかなか厳しい状況のようであった。その中でも伊東純也は相当の違いを見せつけていた。特に右サイドからの縦突破だけでなく、カットインからの攻撃方向の変化はかなり効いていたと思う。

伊東純也の報告が終わったところで、ザルツブルグについて書いていきたい。ザルツブルグを観戦した理由はストーミングを求めて、である。

で、結論から言えば、非常にストーミングっぽいチームがザルツブルグであった。

ザルツブルグの配置は、4-3-1-2。いわゆる4-4-2のひし形である。なお、トップ下に配置されているのが南野であった。なお、解説者曰く、ザルツブルグは色々な配置で試合に臨んでいるらしいので、いつもこの形というわけではないのだろう。

ストーミングの第一条件は兎にも角にもプレッシングだ。

プレッシングを行うのは枚数が必要で、2トップ+トップ下という形は枚数という意味での条件を満たしている。相手が2バック+アンカーならそのまま噛み合うし、相手が3バックならトップ下を前に出してしまえば良い。なお、この試合では前者の形でハマることが多かった。キーパーまでプレッシングにためらわずに行くこともあって、ヘンクはボールを蹴らされる場面が非常に多かった。

なので、最終的にヘンクからはめっちゃ背の高い選手が途中から出場してきたのはちょっと驚いたけれど。パウル・オヌアチュは何者だろう。身長が2メートルあるらしい。

ストーミングの第二条件は兎にも角にも縦に早い攻撃だ。

ボールを奪ったときのスピードはかなり早かった。特にファン・ヒチャンが相手のサイドバックの裏を駆け上がるスピードは異常。地味に2トップ+トップ下の関係になっていることから、2トップがサイドに思い切り流れても、中央から人がいなくなることはない、というにくい配置になっている。ある意味でミシャ式の関係性を彷彿とさせるものだった。

そして地味にポジショナルプレーを彷彿とさせるプレーもボール保持では見られた。

攻撃が遅らせられた、というよりは相手の撤退が完了している状態で始まった攻撃は、2センターバック+アンカーでボールを動かしながら、前線の選手の動き出しをじっと観察する。ヘンクの配置は4-4-2だったのだけれど、インサイドハーフの選手が相手のサイドハーフとセントラルハーフの間に立つことで、相手の2列目の選手をピン留め。前線のトリオのダブルパンチ(誰かが上がったら誰かが下がる)に合わせてロングボールを蹴る形は、まるで定位置攻撃のようだった。

セカンドボールを拾う配置も意識もべらぼうに高く、ボールを奪ったときの相手ゴールに迫るワンツーや攻撃参加も速く、ストーミングってこういうことか!と思わせられるような試合内容であった。

感想を言えば、とにかく速い。攻撃ボタンを連打しているようだった。それでいて持つときは持つ。配置的な優位性を得てからしっかりと攻撃を加速させる、つまりはロングボールを蹴る。でも、2列目が空いているならば、2列目を使うと、いつだって速いわけではなかった。チームにとってより優位になるほうをしっかりと判断しているというか。

特にこの試合では2トップ+トップ下のポジションバランスが秀逸だった。サイドに流れたり、裏に走ったり、相手をひきつけたり、ビルドアップの出口となったり、わざとマークをかぶらせて相手を追い込んだりと、2人ではできない3人だからこそできることを執拗にやっていたことが印象に残っている。たぶん、この関係性が機能していないならば、ロングボールを蹴っても意味ないので、重要な肝と言えるかもしれない。

さて、お題はあと2つ。

まずは配置についてだ。

マンチェスター・シティもプレッシングで4-3-1-2を使うことがある。かつてのトーマス・トゥヘルもマインツ時代に使っていた配置だ。この配置をするときの注意事項は誰に負荷をかけるか?となる。

4-3-1-2を使うときは相手のサイドバックはどうしても空く。リヴァプール方式を利用しても、空中を使われれば、サイドバックにボールを渡ることは防げない。そのときに誰がサイドバックに寄せるか。普通はインサイドハーフの役割になる。頑張る1列目の選手がいるならば、1列目の選手が追うかもしれない。

問題はボール保持の場面だ。1列目の選手がサイドに流れてくれるとしても、最近の流れでは4-3-1-2のインサイドハーフの選手がサイドハーフのような役割をこなす事が多い。つまり、インサイドハーフとサイドハーフを兼任するようなポリバレント能力が何だか必要とされる時代が近づいてきている気がする。ビルドアップの進化によって、同数プレッシングが開発されたわけだけど、4-3-1-2は意外に前からのプレッシングに向いている。

で、最後の話題はリヴァプールとザルツブルグの共通点についてだ。

この試合では両チームともに3トップを前に残し気味な雰囲気のある配置でプレッシングに臨んだ。で、めっちゃ機能するときもあれば、あっさりと運ばれることも多い。ナポリのような全員で撤退守備でしのぐぜ!というチームでは両方ともない。

そして両チームに共通するのはトランジションに強い、特にボールを奪ってからの速攻、カウンターが得意ということだ。となると、相手に攻めてきてほしいという願望も間違いなく存在する。相手に攻めてきてほしいならば、相手にボールを渡す必要がある。しかし、ボールを失うことを恐れば、失っても問題ない場所でのボール損失をデザインしたボール保持を仕掛けてくるだろう。

だったら、どうすればいいか?トラップを仕掛ければいい。一番良いのは相手の攻撃が苦手な選手にボールをもたせれば良いのだけど、そういう選手は徐々に減ってきている気がする。となると、相手の前進ルートをわざと空けるのも手である。どうせ最後はゴールに迫ってくるわけで、肉を切らせて骨を断つこともできるかもしれない。

というわけで、次は週明けにリヴァプールとザルツブルグの試合を検証してみます。第二節ね。

ではまた(・∀・)

なお、南野は大活躍、途中から出てきた奥川も得点に絡みそうでしたよん(・∀・)

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