【プレビューの答え合わせ】マンチェスター・シティ対モナコ【殴り合いになった理由】

トレーニング

私事でありますが、マンチェスター・シティ対モナコのプレビューをfootballista様で書かせて頂きました。もともとプレビューは占いだと思っているですが、せっかくなので、答え合わせをしようと思います。プレビューを読んでいない方には非常に申し訳ないのですが、たまにはそういう趣旨のものにもお付き合い頂ければと思います。結果のスコアを聞いたときには、やるせない気持ちになったのは秘密です(・∀・)

スタメンの答え合わせ

・マンチェスター・シティ編

スタメン予想との違いは、ブラボ→カバジェロ。コラロフ→フェルナンジーニョでした。グアルディオラがカバジェロを選択した理由を考えると、やはりボールストップを期待して、ということなのかなと。また、モナコが前から来ないなら(この予想は華麗に外れた)カバジェロでも良いと考えたのかもしれません。結果として、カバジェロはビルドアップミスで失点のきっかけとなってしまいます。一方で、ファルカオのPKを止め、さらに、終了間際にファルカオのエリア内のシュートをストップするなど、繋げないけど止められることを改めて証明することになりました。

コラロフ→フェルナンジーニョは当てられるわけもなく。ちなみに、スタメン予想は一ヶ月くらい前に行っています。この予想のあとに新加入のガブリエルが存在感を増し、アグエロが出番を失っているときいて、まじかよ!と思ったことも秘密です。フェルナンジーニョを起用した理由は、アラバロールをするならフェルナンジーニョということでしょう。実際に後半になると、フェルナンジーニョがアラバロールをする機会がとても増えました。ヤヤ・トゥーレが下りると、両サイドバックがアラバロールを行なう。ヤヤ・トゥーレが降りないと、フェルナンジーニョだけがアラバロールを行なう、みたいな関係性になっていました。

アラバロールを行った理由は、ボールを保持していないときのモナコのシステムが442だったからでしょう。実際にアラバロールのポジションニングに対して、ベルナルド・シルバとバカヨコ、ファビーニョは苦戦していました。途中でサバレタにしたのは、しっかり守りましょうねと、モナコが前から来なくなったからでしょう。いるだけでいいならサニャでもできる。なお、サバレタはサイドにはり、シルバが下りることが多かったです。3-2ビルドアップの形はこの試合でも何度も繰り返されました。

地味に予想が外れたのがストーンズとオタメンディの位置関係です。いつもと逆やんみたいな。なんでかなと試合を眺めていると、3バックへの変化が2通りあることに気がつきます。ヤヤ・トゥーレが降りるパターンと降りないパターン。ヤヤ・トゥーレが降りるときはヤヤ・トゥーレが3バックの中央、ヤヤ・トゥーレが降りないときは、ストーンズが中央でプレーしていました。なお、このストーンズの絶妙なパスからマンチェスター・シティは得点を決めています。まあ、ファルカオのループの場面のストーンズは切なさつのるものがありましたが。つまり、ストーンズを中央で使うには右にする必要があったということです。フェルナンジーニョがアラバロール専任でしたからね。

・モナコ編

モナコの試合を何試合かチェックしたときに未見だったラッジとムバッペがスタメンへ。誰やねんと。特にセンターバックコンビは盤石だったではないかと。なお、累積のため、セカンドレグはグリクがいません。このブログをずっっと読んでくださっている方々はおわかりかと思いますが、累積と怪我の情報は取りに行きません。行けよ!って話なんですけど。ジェルマンはどこへ消えた。まあ、ベンチにもいなかったので、怪我か累積だと思います。

モナコのプレッシングの答え合わせ

筆者が確認した何試合かで、モナコは相手陣地からのプレッシングを行っていませんでした。もちろん、ときどきは相手を驚かす意味でやることもあるのですが、日常的に行っている雰囲気はありませんでした。チャンピオンズ・リーグしかチェックしていなかったから気がつけなかっただけなんでしょう。

セカンドレグのことも考えれば、慎重に戦うだろうと予想したモナコですが、がんがん前から来ました。実際にマンチェスター・シティのビルドアップはスムーズさがなかったこともあって、モナコの策が成功したといってもいいでしょう。ただし、マンチェスター・シティがプレッシング回避に成功する場面も多々ありました。そうなると、マンチェスター・シティの攻撃が加速します。マンチェスター・シティが先制する26分までは、マンチェスター・シティがビルドアップに苦戦しながらもボールを前進させていたという試合内容だったのではないかと。最後のゴールと先制点はキーパーをパスで交わしてあとは決めるだけだったマンチェスター・シティ。そこまで崩せることもまれなんですが、1試合に2回もあったところに、モナコの守備の切なさを感じさせます。マンチェスター・シティを褒めてもいいんでしょうけど。

マンチェスター・シティのビルドアッププランは2つありました。

最初のプランは4-1ビルドアップにシルバを加える形です。モナコのプレッシングの特徴は、ボールサイドでないサイドハーフがセンターバックまでつめるでした。なので、ときどき3トップのようになります。その3トップの間にシルバが登場する形で、ビルドアップの出口としていました。ちなみに、マンチェスター・シティのビルドアップミスの失点は、カバジェロがシルバを見落とした判断から始まっています。視野と認知って大事ですね。

次のプランは3-2ビルドアップ。3バックの変化の形は前述したとおりです。ポジションを固定されたオタメンディの運ぶドリブルはなかなかの脅威でした。人を基準に守備をするモナコは、3バックに変化していてもサニャにサイドハーフが寄せるなど、非常にらしかったです。オタメンディの運ぶドリブルにさらされたのがベルナルド・シウバ。なかなかきつそうでした。ベルナルド・シウバを動かさないで後ろの選手を動かすことで状況打破を狙ったモナコでしたが、そこじゃない感は強かったです。でも、ベルナルド・シウバをカウンターに残すんだというプランは最高でしたけど。

マンチェスター・シティの定位置攻撃の答え合わせ

筆者が書いたプランは、3つ。サイドチェンジ・アイソレーションとインサイドハーフとウイングの縦のポジションチェンジ。そして、人を基準にするモナコの守備の仕組みを逆手に取ったアグエロに縦パスを入れる形です。アグエロが出なかったら、最後のプランはその次点で終了という切なさでした。

・サイドチェンジ・アイソレーション

ほとんどなかったです。0ではなかったので、自分を正当化しようと思えばできなくないですが、ないもんはない。コラロフいないし。後半になってサイドチェンジが増えた印象ですが、サイドからの一対一というよりは、インサイドハーフとウイングの連携という形でした。それでも、マンチェスター・シティの先制点のように、サネが質的優位を見せていたのはさすがでした。

・インサイドハーフとウイングの縦のポジションチェンジ

横のポジションチェンジは頻繁に見られたのですが、縦はあまり。というか、これもほとんどなし。結果としてそのように見えた場面もちょっとだけありましたが、イメージしていたのとは違う感じでした。

・アグエロに縦パスを入れまくる&サポート作戦

答えはこの形でした。まあ、何度も繰り返される。ゴールを決めたことからもアグエロがこの試合のMVPで間違いないと思います。自分がきっかけでボールを失ったときの守備も超気合が入っていたかと。ヤヤ・トゥーレも気合が入っていたように見えましたが、チャンピオンズ・リーグは火事場のクソ力を引き出すように感じます。ちなみに、マンチェスター・シティの最後のゴールがまさにこの形でした。アグエロに縦パスからのインサイドハーフ(この場面ではシルバ)のサポート。自分たちでどうこうする、というよりは、相手の形で得られやすい時間とスペースを最大限に利用する、という形が優先された印象を受けます。

ちなみに、アグエロへのパスコースを作るために、デ・ブライネとシルバはサイドにポジショニングすることで、バカヨコとファビーニョをサイドに誘導します。パスラインができれば、あとはアグエロが相手に優位性を発揮できるかでしたが、お見事でした。ダイブをとられて我を失ってもおかしくない展開で、カウンターからの同点ゴールとコーナーキックからのボレーシュート、最後のゴールの冷静なアシストと獅子奮迅の活躍のアグエロさんでした。さん、をつけたくなるようなプレーの連続で。インサイドハーフがサイドにながれる関係で、サネとスターリングとの縦のポジションチェンジはやる必要がなくなります。それよりもコンビネーション発動みたいな。実際に、モナコのサイドハーフとサイドバックの間のエリアをマンチェスター・シティは攻撃の起点としようとしていたと思います。

煽り文句の答え合わせ

・正面衝突必至、グアルディオラらしさが結果につながるか

あるいみで正面衝突な試合でした。正面衝突というよりは、正面からの殴り合いというか。正面からの殴り合いになった理由が、モナコの相手陣地からのプレッシングだったかと。グアルディオラらしさが結果に繋がったか?と言われると、どうなんでしょうか。ある意味でマンチェスター・シティらしい結果にはなったような気がしますけども。

面白い巡り合わせだなーと思ったのが、失敗と成功を経験した選手が多かったこと。アグエロはダイブをとられたけど、そのかりをゴールで返す。PKを止められたファルカオは、芸術的なループで失敗を取り返す。ビルドアップミスをしたカバジェロは、ファルカオのPKを止める。デュエルでファルカオに負けたストーンズは、コーナーキックから逆転ゴールを決める。

モナコのカウンターと質的優位

レアル・マドリーやバルセロナ、昨シーズンのドルトムントの守備で、質的優位で殴られると厳しいみたいなことを感じる機会が多くなってきた昨今です。もう少し具体的に書いてみると、全員で守備をしない(スペシャルな選手たちが下ってこない、または守備免除されている)チームは、後方の選手の質的優位に期待する場面がどうしても増えてきます。この状況で能力を発揮することが得意なのが、セルヒオ・ラモス、ペペ、ヴァランのレアル・マドリーのセンターバックたちです。彼らは異常です。

香川とギュンドアンのインサイドハーフコンビで、相手の攻撃を迎え撃つのはやっぱり無茶がありました。イニエスタとブスケツのセントラルハーフコンビで相手を迎え撃つのは適材適所とは言え無いでしょう。レアル・マドリーでは、モドリッチとクロースがいつも厳しそうな表情をしています。

で、明らかにボールを保持したときに力を発揮できそうな選手は、守備でさらされるとなかなか厳しいです。守備でさらされるをもっと具体的にすると、トランジション局面で相手に広大なスペースがあるときにボール保持者と対面すると、突破されます。

モナコの面々を眺めると、ドリブラーがわんさかいます。セントラルハーフのファビーニョ、バカヨコはボールを持てます。ベルナルド・シウバとレマーは突破のドリブルを仕掛けてられますし、メンディとシディベはサイドバックなのに突破できちゃいます。よって、トランジション局面や分断されたデュエルでは優位にたてます。マンチェスター・シティにも守備職人のような選手がいればいいのですが、残念ながらいません。ビルドアップでボールを奪われて戻れないのは致し方ありません(時間的に不可能)が、定位置攻撃で相手を押し込んでボールを奪われての局面でもマンチェスター・シティの選手は戻ってきません。負けていたからしょうがないかもしれませんが。このときの相手のフリーランニング、ボール保持者の質によっては、超ピンチになるマンチェスター・シティ。

センターバックがレアル・マドリー級ならそれでもどうにかなるかもしれませんが、ファルカオにやられたストーンズと、単純に裏を取られた2点目を思い出すと、ぐぬぬとなります。ただし、リードしてしっかりと守ろうぜになると話は変わります。枚数がいれば大丈夫。フェルナンドを入れて、4-2の形にしたのも枚数を増やすという意味合いが強い采配でした。グアルディオラがどこにバランスを見いだすのか、それともこのメンバーではちょっとむずかしいでござるというようになるのかは、見守っていこうと思います。

ひとりごと

セカンドレグはどうなるかな?と考えると、スコアは5-3。マンチェスター・シティの失点を思い出すと、ビルドアップミス、セットプレーから裏とり一発、ロングカウンターと、攻撃のデザインでどうにかなりそうな失点が多いです。アウェイゴールを与えているとは言えど、モナコの骨格を殴れていたのも事実なので、バランスが大事になってくるかと思います。どれくらいリスクを冒すか。誰をどのような配置で後方に残すか。要チェックしたいと思います。

コメント

  1. ととや より:

    ブラーボは出場機会を求めてシティに来たのに控えに降格ですか。
    GKがプレミアへの適応に苦しむというのは流石に予想外でした。

    • らいかーると より:

      キーパーにとって、プレミアリーグが一番適応に苦しみそうな気がします。クロス爆撃ですし。

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