「さて、今回はU24代表について考えていきたい」
「最初に代表のサッカーについて振り返っていきたい」
「久保と堂安のコンビネーションがチームの最大の武器としていたな」
「親善試合でも見られていたように中央から右サイドを二人でシェアしながら果敢に仕掛けていくスタイルは迫力満点だった」
「即興によるコンビネーションだが、試合を重ねていくうちに勢いが失っていったのはなぜなのか気になる」
「疲労か、アイディアが尽きたのかもしれない」
「そもそも二人組のコンビネーションのパターンなんてそんなに多くないけどな」
「その二人組に他の選手が絡んでくればパターンは無限大になるかもしれないけど」
「そのためには彼らが他の選手を待たなければいけない」
「しかし、各々の能力が高いので孤独にフィニッシュまで行けてしまうから味方のサポートを待たない場面もしばしば」
「良く言えば勇気があり、悪く言えば蛮勇ということか」
「その他では左サイドに相馬が出ているときはボール保持に幅ができ、旗手が出ているときは緩急ができていた」
「ただ、攻撃の中心が久保と堂安であったことは誰の目から見ても明らかだったな」
「惜しむらくは彼らにもっと時間とスペースを与えるような仕組みがあればと言ったところか」
「だからこそ林大地のスペースメイクが重宝されていたような気はする」
「試合を振り返ってみると、日本はいつのまにかボール保持が怪しくなっているような気がする」
「相手がボール保持を邪魔するぜ!って意思をみせているときはロングボールになってしまう場面が多かった」
「自陣からの前進を阻むプレッシングの進化はえぐいからな」
「日本がボールを持てなくなった原因は世界のプレッシングの進化にあるわけか」
「裏返せば、南アフリカやニュージーランドのように配置で殴ることも進化のひとつだとは思うけどな」
「ボール非保持についてもみていく」
「基本は4-4-2で高い位置からのプレッシングも低い位置からの撤退も悪くはなかった」
「スペインには中央を割られる場面もあったが、オーバーエイジ組の強さを基軸としたボール非保持はなかなか強さを見せていたと思う」
「グループリーグのメキシコ戦での中山の強さは特に印象に残っている」
「ただし、林大地の守備に全フリのような配置も含めて、カウンターにいけるルートはあるのかないのかよくわからなかったな」
「ときどきなんで前に残ってんねんという選手がいたこともあったしな」
「いっそのこと久保と堂安を浮かせて彼らを起点にしてサイドハーフが走りまくるほうがカウンターはできそうな気配だったけどな」
「また、スペイン戦で目立っていたのはカウンターの機会をファウルで消されていたことだな」
「このトランジションにおける攻防についてはこの方法論のチームでも突き詰めることができそうなポイントなのではないかと」
「一度まとめてみようか」
「ボール保持による前進は相手次第。堂安と久保の仕掛けがゴールへ向かうきっかけ。ただし、相手次第のボール保持では彼らに時間とスペースを常に与えることはあまりできなかった。その代わりに林大地が走る」
「ボール非保持ではプレッシング開始ラインを変えながら、オーバーエイジ組の強さを基軸に耐え抜く強さを見せていた」
「で、このサッカーの限界を引き出した森保監督はすごいと思う」
「褒める方向に行くのか」
「選手はやりきったやろ。このサッカーでの限界点は振り切っていたように見える」
「確かに2006年のワールドカップのように選手内で色々あったわけではないし、その後のザッケローニやハリルホジッチのときのように選手と監督の志向性がずれることもなかったと」
「たぶん、JFAからすると、それらの経験がトラウマになっているんじゃないかなと思う」
「JFA側からすると、上記の問題は方法論さえ失敗しなければ避けられる問題と考えているからな」
「監督が協力してくれればな」
「そういう意味で選手の考えている最大値を引き出した森保監督はJFAが後悔するようなしくじりはしないで仕事を遂行したと。メダルを取れていれば大絶賛だったのではないかと考えている」
「JFA的には選手がやりきれる環境を整備することが大事だと考えている節はある。やりきれずに終わるのは最悪だからな」
「ただし、全力を尽くした、もたは尽くせたと考えると、これ以上はないわけだ」
「トランジションを整備したらもうちょっと上までいけそうやけどな」
「あとはボール保持だろうな」
「相手が同数プレッシングやキーパーまでプレッシングを仕掛けてきたら蹴るしかないけれど、そうでないのに繋げない場面が多いからな」
「柴崎岳のいつだってサリーが少し懐かしくなるな」
「なので、今のサッカーに色々と上乗せしていけば面白くなるかもしれない」
「でも、フル代表で試合に出る選手が変わればピッチでの様相は変わるだろう」
「伊東は外側でも内側でもプレーできるようになっているけどな」
「そもそも2列目に鎌田と南野がいるではないか」
「林大地と上田綾世もキャラがぜんぜん違うし、左サイドに三好と相馬と旗手でぜんぜん違かったからな」
「そういった個性の差によるチームの変化は歓迎すべきなんだけど、その差を利用するつもりは監督になさそうでな」
「最後に三笘と上田がでてきたときにメキシコは驚いていたと思うけどな」
「当面の問題は自陣でのボール保持の仕組みとトランジション全般か」
「あとは3バックへのプレッシングだろうな」
「最後に気になるメンバーの選び方について振り返っていく」
「18名+4名が22名になったところがにくい。最初から22名だったら間違いなくメンバー選考の結果は変わっていたと思う」
「なるほど。エクスキューズが成り立つわけか」
「さらに、林大地がめっちゃ重宝されていた」
「林大地が出られなかった世界線では上田と前田のコンビが躍動したのか、ゼロトップでもやるのかどっちだったんだろうな」
「上田は怪我だったしな」
「さらに三笘もACLでコンディションを崩してしまっていたらしい」
「らしいか」
「試合に出たり出なかったりしたから本当のところはよくわからん。ずっとベンチ外なら諦めもつくけどな。調子が悪かったのは間違いないやろう」
「そして灼熱の中二日でスタメンをほぼ固定で戦うことになった」
「三好は堂安、久保のもう少しプレータイムを分け合うと予想していたんだけどな」
「ローテーションを組んでいたのは左サイドハーフくらいだろう」
「それも意図的なローテーションかは謎だったな」
「ポリバレント枠な雰囲気だった板倉はほとんど冨安の代理として、中山は左サイドバックの専門家としてプレーしていた」
「セントラルハーフの控えって誰だったんだろうな」
「板倉があそこまでセンターバック仕事をするなら、町田と瀬古はどちらかで良かっただろうな」
「それは結果論になるんだろうけど、なぜにセンターバックを2人もいれたのかは気になるところで」
「そういう意味では冨安の怪我もチームには大ダメージだったのかもしれない」
「ただし、そのしわ寄せが板倉を失ったセントラルハーフコンビに重くのしかかったわけか」
「チマが親善試合に出てくるくらいだからな」
「では誰を呼べば良かったというのか」
「マリノスの岩田とか探せばいくらでもいるだろう」
「ベンチ入りのルールが変更になったことや怪我人が多数出たことなどエクスキューズはあるが、ちょっとメンバー選考は失敗した感じだったわけか」
「ワールドカップでこの反省が活かされるかは注目だ。前田大然は本当に気の毒だったと思う」
「ガンバ戦に出てもいいんじゃないかと思っている人もいただろうな」
「最後にまとめようか」
「現時点でチーム森保が準備してきたサッカーを選手も含めてやりきったと思う」
「これ以上の幸運は望めないくらいにやりきったと思う」
「なので、これ以上の結果を求めるならさらに準備を増やさないといけない」
「自陣でのボール支配を可能とする仕組み」
「相手の配置にあわせたプレッシングスタイル」
「トランジション全般」
「ついでに相手に合わせて自分たちのスタイルを変更するカメレオンスタイル」
「周りの色に馴染めない出来損ないのカメレオン」
「ではまた」
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