バルセロナのスタメンは、ブラボ、ジョルディ・アルバ、フェルメーレン、ピケ、アレイシュ・ビダル、セルジ・ロベルト、アルダ、ラキティッチ、ネイマール、スアレス、メッシ。年が明けたことで、アレイシュ・ビダルとアルダが出場できるようになたバルセロナ。一気に戦力がました印象。ベンチには、アウベス、アドリアーノ、ブスケツ、イニエスタと豪華な面々が揃っている。リーグ戦、国王杯とエスパニョールと激戦で幕をあけた新年だったが、アトレチコ・マドリーに首位の座を明け渡してしまっている。クラブ・ワールドカップの影響により、試合数が少ないことは忘れはいけないが。
グラナダのスタメンは、アンドレス、ビラーギ、ドリア、ロンバン、エドガル、ルベンベレス、ウチェ、クルヒン、サクセス、ベニャランダ、ロチーナ。昨シーズンもぎりぎりの残留を決めたが、今季も似たような筋書きになりそうな予感。ウディネーゼ連合軍の一角として君臨するグラナダ。グラナダと言えば、ガンダム。カンプ・ノウではまったく結果を残せていなかったようだが、果たしてこの試合はどうなるだろうか。
■システム変換などの短所
グラナダのシステムは、5-3-2。バイエルン対策として、ブンデスリーガでも見られたマンツーマンのような形を特徴としている。ただし、解説者曰く、グラナダは普段から5-3-2を基本としているらしい。よって、バルセロナ対策というよりは、自分たちの行っている形がたまたまバルセロナ対策の形にはまってしまった可能性が高い。しかし、グランダの形はブンデスリーガで見られた形に酷似していたことも事実だ。
マッチアップは図のようになる。5-3-2と書いたが、相手のビルドアップをつぶしに行くときは3バックとなる。ビルドアップは数的有利を前線に繋げていくことで、時間とスペースを供給するものだ。よって、ビルドアップの前提である数的有利を破壊するために、図のようなマンツーマンを仕掛けることを特徴としているのが、ポゼッションサッカー対策の3バックとなっている。なお、相手にボールを前進させられてしまったときは5-3のゾーン・ディフェンスで守る決まりになっている。
このようなマンツーマンのビルドアップ対策に対して、バルセロナはロングボールで対抗する。すべてのエリアで数的同数状態になっているならば、仕掛けるエリアは2つ。質的優位か、ノーリスク・ハイリターンな前線となる。バルセロナの前線にはネイマール、メッシ、スアレスが控えている。これを3バックで抑えるのはなかなか骨の折れる作業になる。なお、この3バックのみ常にゾーン・ディフェンスで対応することになっている。この位置がマンマークだったら、一対一で負けた瞬間に詰んでしまうからだ。
バルセロナはビルドアップには数的同数プレッシングに苦しむことになる。しかし、ロングボールから始まる攻撃で状況を打開することに成功する。メッシたちがボールをキープできればOK。ボールが外にでても、味方のスローインだったら問題ない。相手ボールになっても奪い返せばOKと、しっかりと準備されていた。バルセロナの狙いは、ロングボールを起点にボールを前進させることで、グラナダの守備隊形をマンマークからゾーン・ディフェンスに移行させることにあった。そのためのスイッチはボールを前進させることにあり、そのためにはロングボールが適していた。
相手を押し込んだあとのバルセロナは、ポジションチェンジを活発化させる。ゾーン・ディフェンスに移行したとしても、マンマークの癖みたいなものはどうしても残る。また、状況によっては綺麗にマンマークからゾーン・ディフェンスに移行するよりも、マンマークのまま対応したほうがいいときもある。そんな移行の際に発生するずれみたいなものを極大化するために、バルセロナはポジションチェンジを行う。この動きにグラナダの守備の組織は崩壊。最初の失点場面でもメッシの突破とネイマールのポジションチェンジにつられて、サイドががら空きになる始末。
バルセロナの攻撃は延々と続く。特に裏への飛び出しが非常に多かった。マンマークだと、どこまでもついていく。ゾーン・ディフェンスだと状況に応じて。でも、基本はついていかない。でも、ボール保持者がフリーだったらついていかないと、ピンポイントのパスを通される。しかし、マンマークからゾーン・ディフェンスに切り替わると、その判断も曖昧となる。よって、ついてこないだろうと判断したのだろう。繰り返される裏へのランニングで決定機を量産するバルセロナ。インサイドハーフに裏に走れるラキティッチとアルダが起用されていることも大きい。
さらにとどめは試合の流れを止めない。ゴールキックなどのアウトオブプレーになれば、グランダは守備をセットする時間を与えられる。だったら、その時間を与えないように試合を構成する。特にボールを奪ってからのカウンターで相手の守備が整っていないときにさっさとボールを前進させてしまう場面が目立った。エスパニョール戦では激戦につぐ激戦だったようだが、グラナダの守備の稚拙さに助けられ、バルセロナにとって気持ちの良い試合はメッシのハットトリックとネイマールのゴールで終了した。アルダ、アレイシュ・ビダルのリハビリ、そしてセルジ・ロベルトのアンカー起用と実験的要素もあった試合だったが、終わってみればすべてが成功というバルセロナにとっては良い試合となった。
■ひとりごと
今日から更新は復活。久々だったので、リハビリのような内容になってしまった。ブンデスリーガで見られたような対策がリーガエスパニョーラでも観られたことで、世界が繋がっていることを実感させられる。それにしても、戦い方をかえることの難しさよ。ロングボール大作戦から相手の撤退によって、ボールを持たされる形になったときに頭が追いつかないという現象もときどき目にする。極端なことをやることのデメリットみたいなもの。というわけで、全部できるようにしっかりとチームを設計しましょう。正確にいうと、全部ができる必要もなく、あらゆる状況に対応する術を身につけましょうということでしょうか。
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