【サッカーの現在位置】プレーモデルの教科書【トレーニングの構成要素】

書評
Bitly

「さて、今日も元気に書評のふりした読書感想文を書いていきたい」

「今回のお題は『プレーモデルの教科書』著者は濱吉さんだ。」

「枕として濱吉さんとの思い出を語っていこうと思う。濱吉さんは今はなきスポナビ+にブログを書いていたことで有名だ。」

「当時の濱吉さんは確かスロベニア帰りで静岡でサッカースクールなどをやっていたと記憶している。バルセロナ帰りの村松さんもスポナビ+でブログを書いていたので、群雄割拠な場所だったんだなと」

「その後は本田圭佑とタッグを組み、欧州で監督をやったり、記憶しては指導者に講習会をしたり、最終的には大学の監督におさまっていると。」

「講習会に参加するチャンスは何度かあったのだけど、華麗にスルーしてしまったことが今となってはやるせない思い出になっているな」

「では、本書の内容に入っていきたい」

「最初にプレーモデルとゲームモデルについて考えていきたい。」

「日本に最初に入ってきた言葉はプレーモデルだった。それを浦和レッズの分析コーチになった林マイキーの鶴の一声によって、プレーモデルという単語がゲームモデルに置き換えられるようになった。正誤性の問題ではなく、訳の違いだ。ただし、プレーのモデルなのか、ゲームのモデルなのか?と考えると堂々めぐりをしたくなる気もする。実際のところは、ゲームモデル→プレーモデル(プレー原則)みたいな形で区別されて利用されているような印象をうけている。」

「濱吉さんはプレーモデル派のようだが、ゲームでもプレーモデルでもどちらでもいいみたいだったな。」

「一方でコンセプト主義というのも登場している。ゲームモデルやプレーモデルはチームごとに策定されるようなものだが、コンセプトはどんなサッカーでも必要になる能力という定義がある。最近になって叫ばれるようになったが、トップチームだけではなく、どこのチームでも活躍できるように下部組織では教育を施しましょう。尖りすぎると外の環境に出たときに通用しないのは元も子もないじゃないか、みたいな」

「濱吉さんのプレーモデルはちょっとコンセプトに近い。このあたりは流派によって異なるのだと思う」

「話を本の題名に戻すと、この本の題名はプレーモデルの教科書だ。しかし、我々が想像しているプレーモデルの教科書は、読後にプレーモデルを理解できる、自分たちでプレーモデルを作れるようになる、というところだと思う。その目的がこの本を読んだあとに果たせるか?というと非常に怪しい。」

「実際にプレーモデルの教科書はすでにわっきーさんが本で出している。さらに、フットボリスタでもさんざん特集している。多分、ネットにも転がっている。そういった既知なことが改めてまとめられているのだが、改めて読む必要があるか?というと非常に怪しい。」

「ただし、濱吉さんの指導をしてきたことで得てきた知見の共有はとても興味深い、そういう意味では、テーマを特に設けずに好き勝手に書いてもらったほうが興味深いものができた可能性はある。」

「それでは企画が通らないのかもしれないけどな」

「一章はプレーモデルがなぜ必要なのか?について書かれている。既知なことが多いが、清水市と旧東諸国の共通点などは非常に興味深い。」

「特に興味深いのは現代サッカーの各構成要素について触れている部分や、選手育成における成功要素だ」

「前者はぎりぎりセーフとはいえ、後者はプレーモデルと関係がない。」

「話はそれるが、全般的に図のクオリティが高い。おそらく講習会や欧州の教科書に載っていることをまとめてくれたのだろう。」

「二章はナーゲルスマン時代のトレーニングキャンプのレポートが載っている。具体的なメニューも載っているので、単純に興味深い。」

「ただし、なんで二章にこれを載せるねんとはみんなが思ったに違いない。ただ、本書の裏の核とも言えるのが、ダイナミクストレーニングである。そのトレーニングの大事さを証明するにはナーゲルスマンを利用するのが得策だったということなのだろう。」

「第三章がえぐい。プレーモデルの構築法と書いてあるが、どちらかというとトレーニングをどのように組み立てていくか、トレーニングに必要な要素はなにか?が延々と書いてある。」

「この章は必読。非常に当たり前のことが延々と書かれているが、当たり前なことはとても大事なことである。直接は触れられていないが、戦ピリやフィジプリを土台に話していることがわかる。現場での試行錯誤も透けて見える。日本と欧州で指導者をやってきた人がトレーニングについてどのように注意して作成しているか、そしてたどり着いたまとめを読めることは貴重な体験だと思う。」

「最後に四章。個人的にこの章がもっとも役に立った。自分はパスコンが超苦手だった。しかし、JFAの仕事をすると、パスコンができないといけないというルールがある。パスコンは相手がいないことが多く、判断の要素も入れにくい。そして魔法陣をやって怒られるというのがいつものパターンだった。」

「この四章を読めば、パスコンのやり方が分かる。こんなふうにやればいいんだなと。二章で触れていたダイナミクストレーニングがつながってくるわけだ。というわけで、みんなでパスコンをしよう。」

「最後にまとめよう」

「自チームのプレーモデルをさらしているのは素晴らしいと思った。実際にこんな感じなのね、ってわかるのは教科書として素晴らしいと思う。」

「三章と四章は良かった。是非ちらっと覗いてみてください。」

「指導者の人にはおすすめ。他の人は買ってもしょうがないと思う。」

「ではこんなところで、高校サッカーも終わったので欧州のサッカーを久々に見ようと思います。」

「目指せ週刊」

「ところで、三章と四章、そして、山口くんの本を読み返してトレーニングの作り方みたいなまとめをしようと思う。」

「それは表に出さないので、各位で取り組んでみてください。」

「では」

コメント

タイトルとURLをコピーしました