浦和のレーン補完計画と鹿島が探している自分たちが変わるためのトリガー 2021.4.3 J1 第7節 浦和レッズ対鹿島アントラーズ

「さて、インターナショナルウィークに甘えて更新が途絶えていたけれど、今日から元気に更新をしていくよと」

「今までの流れからすると、更新が途絶えたらそのままフェードアウトしていく流れだったけれど、再開するんだな」

「気がつけばJリーグだらけになっているので、空気を読まずに欧州サッカーも書きたいんだけどな」

「それはさておき、今日は浦和対鹿島の試合を振り返っていく」

「最初のテーマは浦和のシステムだろうな」

「システムは電場番号!の時代なので、システムについて語ってもあまり意味はなさそうだけどな」

「これまでの浦和は西川+ツーセンターバック+ツーセントラルハーフ+ときどきサイドバック+フリーマンの小泉でビルドアップをしていた」

「この試合の浦和は西川+ツーセンターバック+アンカー+ときどき西大伍+常駐する小泉+ときどき武田だった」

「わかりにくいな」

「わざとわかりにくくしている節を否定しないけどな」

「シンプルに言うと、あべちゃんとあつきが担っていた仕事を小泉が一人でこなし、西と武田が状況によって助けに来ると」

「アンカーの柴戸にサリーをさせて、小泉がビルドアップの要の仕事を一人でこなしていたのが印象に残っている」

「武田と小泉の役割は同じインサイドハーフのようで全く異なっていたな」

「小泉はビルドアップの要、武田は右インサイドレーンを主戦場としていた」

「ちなみに、左インサイドレーンには明本、左サイドには山中、右サイドには関根となる。5レーンは埋まっていることも良かったな」

「余談だが、インサイドレーンと大外レーンを交換することは浦和レッズにとって日常となってきている」

「よって、平均ポジションのデータを見ると、全体の配置バランスが重なっていることが多い」

「これをポジショナルプレーからの卒業と呼ぶ」

「さらに面白い役割を担っていたのが武藤だった」

「杉本と異なり、武藤は相手とのどつきあいや裏への飛び出しでチームを牽引することを長所としていない。狭いエリアでもボールを受ける能力と自分の動きによるスペースメイクを得意としている」

「そして何よりもボールを失わない判断をできるところが素晴らしい」

「相手とのどつきあいを頑張っていた杉本だが、決して効果的ではなかった」

「泥仕事をやってたのは素晴らしいと思うけどな」

「なので、武藤には得意技に全力を尽くしてもらう、そして、裏には明本を飛び出させる」

「武田も飛び出せれば最強だったんだけどな。この位置に杉本を使うと面白いかもしれない」

「で、ここからが本題になるんだけど」

「なんだ」

「武藤は器用なので、おそらくだが、中央レーン、インサイドレーンならどこでもプレーができる」

「なるほど」

「なので、浦和の選手がレーンを交換していく中で、レーンから人がいなくなることが多い」

「そうなると、ちょっとだけバランスがいびつになる」

「レーン補完計画を円滑に進めていたのが、武藤、小泉、西となる」

「マンチェスター・シティがそうなんだけど、5レーンを埋める、そしてトライアングルを作るためにはもう少し人が必要になる」

「5人ではサイドにトライアングルを作ることは無理ということか」

「できなくはないが、どこからのレーンが空っぽになってしまう」

「それを解決していたのがカンセロというのは別の話で」

「つまり、大外レーンとインサイドレーンにいる選手を斜め後ろでサポートする選手がほしい」

「この役割を担っていたのが小泉と西」

「無論だが、この二人は大外レーンでもインサイドレーンでもプレーができる。つまり、三角形の頂点が入れ替わっても全く問題にならない」

「さらに中央にレーン補完計画を可能とする武藤がいる」

「ポジションやシステムで役割を規定するのではなく、レーンや列で役割を割り振って、その位置にいる選手がその役割を全うする時代か」

「なので、武田が明本くらいスペースへの突撃ができればギュンドアンになれる」

「マンチェスター・シティもビルドアップは3-2-5だけれど、相手を押し込むと2-3-5になるからな。浦和の場合はその真ん中の3が柴戸、西、小泉ということか」

「ま、まだまだ配置が定まっていない感は否定できないけどな。未来予想図としてはそんなところだろう。」

「なんにせよ、不親切な浦和の説明はそろそろやめるとして、問題の鹿島について考えていく」

「今日もやるせなかった鹿島だな」

「やるせないけど、それなりに形にしてくるところに恐ろしいポテンシャルを感じることもまた事実なんだけどな」

「浦和が方法を変えてきたこともあって、プレッシングが空転してしまったことは同情ができる」

「しかし、最後までじゃあどうする?の解決策があるようでなかったことは切なかったな」

「関川対武藤の関係性も大きく改善されることはなかったもんな」

「浦和の長所がよりにもよって、鹿島の関川と常本サイドとマッチングしてしまったことも多分偶然だろうしな」

「で、この試合の鹿島の愚直にボールを繋いでいた」

「切ないのは裏抜けを試みていた上田へボールが出ずに、その上田が途中からボールを受けに下がってくる場面だろうな」

「さらにエヴェラウドも左サイドに流れてドリブルしながらのほうが迫力が出ていた」

「お互いに変に何でもできるため、本来の持ち味で勝負できていない感があるな」

「では、机上の空論を始めるとするか」

「この試合ではボールを受ける、運ぶ能力に長けている白崎と荒木を起用していた」

「彼らをリンクマンとして活かしながら、前線にボールを届けるプランだったと思うんだけど」

「実際には浦和の人生は勢いが大事プレッシングによって、時間とスペースを紡ぐことができていなかったな」

「だったら蹴っ飛ばせばいいんのだけど蹴っ飛ばさない」

「となると、ときどき繋げた場面で中央突破がデフォルトになるんだけど、その機会がそもそも少ない」

「鹿島の2列目にはわかりやすい質的優位を表現できる選手もいないので、エヴェラウドの左サイドからの突撃が恋しくなる」

「これが最後まで続いたからな」

「途中で松村を出したけれど、松村が一対一を仕掛ける状況を作らんことには始まらないからな」

「最終的にはセントラルハーフを両方交代するからな」

「交代策も今日は大混乱だったな」

「で、考えてみようと思うんだけど」

「ようやく始まる机上の空論か」

「上田はクロスに合わせることも上手いし、相手の裏に飛び出すこともうまい」

「だから前線に鎮座してもらう」

「エヴェラウドは左サイドに流れて、かつてのパトリック仕事をしてもらう」

「裏に走って陣地回復と空中戦の的としては最高である」

「となると、左サイドにはエヴェラウドが来るので、左サイドハーフにはシャドーストライカーみたいな選手が欲しくなる」

「右サイドは荒木で良いとして、鹿島の面々にシャドーストライカーは見当たらないな。ちょうど浦和の明本みたいな選手が良い」

「いないな。染野くんがその仕事をできるかどうかは何とも言えん」

「なので、徳島ヴォルティスに頭を下げて垣田に帰ってきてもらう。なお、現実的に帰還が可能かどうかはスルーしている。机上の空論だからな」

「徳島ヴォルティスからすれば、飛んだ流れ弾だな」

「別に垣田と上田のツートップにエヴェラウドを左サイドでもいいんだけどな」

「ま、なんにせよ、大きく変化しないと鹿島はこの状態が続いていくと思うんだけど」

「どこかでがらっと変えるとすればそのきっかけは何になるのかは非常に興味深い」

「そんな日をゆっくり待つとするか」

「それではまた」

コメント

  1. たくみ より:

    この記事とは関係の無いことで申し訳ないのですが質問です。
    1つの試合を2回観るのと、2つの試合を1回ずつ観るのとではどちらの方が戦術的な視点を養えると思いますか。
    答えられる範囲で良いのでお願いします。

タイトルとURLをコピーしました