「さて」
「怒涛の4連戦が終わった」
「パラグアイ、ブラジル、ガーナ、チュニジアと日本代表の試合のマッチレポをフットボリスタさんで書かせてもらったな」
「ありがたい話だな」
「WEB版に関しては、ブログを書いているノリでやらせてもらっている」
「ここではあちらで書かなかったことにふれていきたい」
「多少の重なる部分はあるかもしれないけどな」
「そんなことで目くじらを立てる人たちではないだろうと期待したい」
結果よりも実験!?
「最初に4試合を通じての率直な感想をお願いしたい」
「実験まみれの4試合だったのではないかと」
「その心は」
「ベストメンバーで一試合もこなせてないやろ」
「ブラジル戦とチュニジア戦はA戦な雰囲気はあったけどな」
「雰囲気やろ」
「やたら噛みついてくるな」
「恐らくだが、守田の離脱でチームとしても割り切った感がある。守田いないならベストメンバー無理やろ、みたいな」
「日本の433は守田、田中が鍵であることは間違いないからな」
「守田の離脱によって、守田中の代わりを探そうに目標を変更した疑惑を強く感じる」
「チュニジア戦でも原口と鎌田だったからな」
「ガーナ戦の久保と柴崎もなかなかの選択だった」
「絶対的な田中碧がベンチスタートであることが多く、後半から登場してピッチを整えるおなじみの展開が繰り返されたし」
「確かにプレータイムを考えてもチュニジア戦ではスタートから田中碧でも良かった気はするな」
「だからこそ実験的な要素を強く感じた」
「ブラジル戦でも勝ちに行くよりも、ブラジルを相手にボールを保持できるか大会になっていたしな」
「次に考えていきたいことはなんの実験だったのか?ってことだろうな」
「守田中の代役を探すってこともあるんだろうけど、日本は選手の相互作用に依存しているところが大きいやろう」
「相互作用とはなんぞや」
「翼くん、岬くんみたいなもんや」
「例えば、左サイドに南野を使うときは長友、三笘を使うときには中山みたいなもんか」
「賛否両論はありそうだが、堂安と久保みたいなものだな」
「で、それは試合で試してみないとわからない」
「トレーニングでわからないものなのか?」
「ほら、西野監督に率いられたロシアのときも直前に親善試合で答えを見つけた感があったろう」
「なるほど」
「あのときとそこまで変わらないチーム作りを森保監督も行っていると仮定すると、それぞれの選手が目に写してきた景色が大切となる」
「そしてその目を揃えられるか大会というわけか」
「これが誰が出ても同じようなサッカーができるような設計図があれば、トレーニングの段階でユーは無理だなと仮説はできそうなものだけどな」
「現状は守田中が作った設計図をトレースしながら自分の個性を出せるかどうかが求められた答えというわけで」
「だからこそ、本番で相互作用を確認する必要がある。パラグアイ戦だけでなくチュニジア戦でも原口鎌田を試した理由はそんなところなのではないかと」
「遠藤、守田、田中の3センターくるくる大作戦も相互作用といえば相互作用なのかもしれんな」
「で、無理やなというわけで、チュニジア戦の後半に田中碧が登場すると」
「一応は結果を求める姿勢はあったのだな」
「追いつけたらいいよね、くらいだと思うけどな」
「鎌田、原口のセットがそもそもどうか。彼らの相棒に三笘、堂安セットと南野、伊東セットを試すことが大切になったと」
「で、問題はその実験結果がどうだったのか?となる」
「ま、これは成功不成功を決めるのは今後になるから現段階ではなんともいえんな」
「はっきりしたことくらいはあるやろ」
「相手の守備の基準点を狂わすために、立ち位置は曖昧なほうがいい。日本の場合は433と4231を行ったり来たりする選択肢しか現状はない」
「ときどきサリーするけどな」
「なので、インサイドハーフの片割れは遠藤の横でボール保持非保持に関わらずこなせる選手でないと柔軟さが保たれない」
「守田、田中碧、柴崎が必須か」
「遠藤を開放することは重要だろう」
「遠藤を静的にすると、狩り場にされるからな」
「もう片方は鎌田、南野、堂安、久保、原口でも誰でもよい」
「誰でもよいは言いすぎだな」
「トップ下でトップの選手と相互作用ができれば誰でもいいいだろう」
「本戦では南野とかありそうだな」
「三笘をジョーカーで使うか、スタメンで使うかは楽しみなところで」
「となると実験の結果はそれなりに有意義だったということか」
「ミスも多かったが、伊藤洋輝は一定のパフォーマンスだったし、長友の右サイドバックは意外と機能していたし、板倉はセンターバックでナンバーワンになったし」
「三笘はより存在感を増したし、原口と鎌田のインサイドハーフも悪くはなかったし、南野の中央も試せたし、堂安と久保は再会したし、山根はあいも変わらずサポートの達人だったし」
「振り返ってみると、本当に様々な組み合わせを試しながら相互作用をチェックする。守田中で実現できたことを他のメンバーでもできるかを試す。ついでに長友のようにいろいろなポジションにチャレンジもさせてみると」
「勝つことよりも実験優先だったな」
森保監督の方向性について
「続いてのお題はなんだ」
「チーム森保の方向性をどう感じるか?だな」
「柴崎のインタビューが最高に面白くてな」
「なんて発言したんだ?」
「どれだけ個性の差をピッチに反映させられるか?みたいなことを言っていた」
「いいこというやないか」
「守田中に比べると、鎌田原口はアタッカー色が強くなる」
「南野に比べると、三笘のほうがサイド色が強くなる」
「サイド色が何かはほっておく」
「ただ、個性の差が全面的に反映されすぎ感は強いな」
「大迫と前田大然ではできることが違いすぎるからな」
「ある程度の枠組みができたうえで個性の差をのっけることが定跡だ」
「ある程度の枠組みくらいなら日本にもあるやろ」
「まあ、ないってことはないんだろうな」
「オリンピック代表の無から考えると進歩していると思うけどな」
「無か」
「あれは無だった」
「無だったな」
「選手の目に写してきた景色に寄り添うサッカーな方向性についてはどう感じている?」
「そこに文句を言うのは野暮でそれは監督が好きにすればいいと思う」
「なるほど、監督の権利か」
「ま、上の意向も多少はあるかもしれんけど、守田中を登用する決断も監督の権利だからな」
「だから、森保監督のチーム作りが現代サッカーのアンチテーゼになっていたとしてもそれはそれで別に構わないというか」
「選手から不平不満がでてもそのうちに解決されている印象もあるしな」
「三笘の発言もオレの言うことも聞いてくれや!くらに捉えると面白くなってくるしな」
「ただし、ザッケローニやハリルの時代を知っている選手と最近になって台頭してきた選手の間では色々と差がありそうだな」
「好きにやらせてくれ勢と設計図を作れや勢か」
「ただし育ってきた環境によって異なるから、世代で分けてしまうと齟齬が生じる気がするな」
「そのあたりはカタール後にどうなっていくかなんだと思う」
「森保監督のあとにどのような感じなるかは興味深いな」
ボールを保持する、ということ
「さて、最後のお題はボール保持についてだな」
「ブラジル戦の蛮勇な姿勢は歴史に名を刻む一方でなにしてんねん!と誰もが思ったに違いない」
「めっちゃボール保持にこだわっていたからな」
「433への変貌によってボールを保持する時間を手に入れた日本としては、その方向性も大事にしたいかもしれない」
「それが偶然の末に手に入れたものだとしてもか」
「岡ちゃんの南アフリカの戦い方はひとつの策としてありなんだと思うけど」
「あれでは安定的に勝てへんやろ!という声は大きかった」
「10回やって何回勝てんねんの確率をどれだけ挙げられるかか」
「で、そのときの評価基準でデータを利用していると聞いたことがある」
「聞いたことがあるのか」
「最初に言われたことはアクチュアリータイムを増やそうだった」
「懐かしい言葉だな」
「実際にピッチで試合が進んでいる時間を増やすことでゲーム体力の基準を世界と繋げようキャンペーン」
「そしてデータやな」
「パス数、パスの成功率、ボール保持率で負けないみたいな」
「それが頭に残っていたので、ブラジル戦のデータを観て少し驚いた」
「結果よりもそれができるかにチャレンジしたのかと」
「反町さんがそれを評価していて懐かしい気持ちになった」
「つまり、本大会だろうがある程度はボールを保持できる方向に舵をとらないとベスト8なんて夢のまた夢ってことか」
「くじ運でいける可能性もそのうちにありそうだけどな」
「それを実力で手繰り寄せるためのボール保持というか」
「全部できないといけない時代を考えると、まあ、間違ってはいないんだけどな」
「だったら設計図を作ったほうがええやろと堂々巡りになるところで」
「パラグアイ戦ではそんな雰囲気も少し感じたけどな」
「少しか」
「ないよりはいいやろ」
ひとりごと
「他に言い残したことはあるか?」
「実験の結果、どのようなスタメンになるかは考えてみたい」
「どのような希望があるのか」
「個人的には三笘に投資したい」
「投資か」
「スーパーサブでなくてスタメンで起用してほしい」
「そうなると、相方は中山か伊藤になるのか」
「ミナミーノはどうする?」
「インサイドハーフ兼トップ下で起用する」
「大迫との相互作用か」
「ミナミーノ、もしくは鎌田になるのではないかと」
「右サイドは伊東でいいのか?」
「両サイドがアタッカーであることを監督がどう考えるかは興味深い」
「三笘なら堂安、南野なら伊東みたいな」
「意外とコンプリケイテッドなんだな」
「右サイドバックは山根に期待したい」
「酒井宏樹で守るのか、山根で攻めるのか」
「センターバックはどうする?」
「今回のワールドカップは吉田キャプテンの卒業式だから、キャプテンを外したらびびる」
「びびる」
「吉田、板倉、冨安から選ばれるだろうな」
「普通だな」
「センターバックで博打をうつ必要ないやろ」
「まとめていこうか」
「キーパーは権田やろうな」
「センバは吉田、板倉、冨安」
「サイドバックは左は中山、伊藤、右に山根、酒井宏樹、そして両サイドに長友」
「アンカーに遠藤、守田、田中碧、板倉」
「インサイドハーフ兼セントラルハーフに守田、田中碧、柴崎、インサイドハーフ兼トップ下に南野、鎌田、原口、久保」
「左に三笘、南野、右に伊東、堂安、そして両サイドに原口」
「トップに大迫とその他大勢」
「サプライズに誰を期待するか?」
「サプライズなさそうな気がするけどな」
「ないのか」
「毎回あるけれど、鈴木優磨を選ぶとは思えん」
「家長もちょっと想像できんな」
「では、今回はこんなところで」
「ではまた」
コメント
大変面白かったです。
攻撃が個人任せであるとの批判を多々耳にしました。
代表チームは時間がないからある程度はコンビネーションは諦めているのかなとも思いました。
それとも何か秘策をワールドカップにとっておいているのでしょうか。
批判がすごいですが、日本代表の歴史的にはワールドカップに向けてぎりぎりに世界仕様に作り直すという過去の道筋を進んでいるのかなと思います。
私は秘策は個人プレイヤー、三苫冨安大迫だと思っています。
戦術的にも何かあれば嬉しいですね。
期待はしませんが、次につながる何かを見てみたいです。