マンチェスター・シティ対リヴァプールの雑感

マッチレポ×マンチェスター・シティ1718

いけいけ!ぼくらのマンチェスター・シティ。

さて、今週末からプレミア・リーグは、新しいシーズンを迎えることになる。しかし、マンチェスター・シティのレポは、21節くらいで止まっている。もう無理だ、さすがに間に合わない!!本当にごめん(・∀・)

というわけで、未消化の中で最も気になる試合くらいは見てみなければならない!という流れになりました。マンチェスター・シティ関連で最も気になる試合といえば、リヴァプール。言うまでもない。まさかの三タテである。プレミア・リーグの覇者に3連勝である。これは何か秘密があるのではないかというわけで、正月に行われたリーグ戦、チャンピオンズリーグの2試合から振り返っていこうと思います。

ボール保持と非ボール保持状態をめくるめく

・最初に3試合を振り返って、お願いします。

ーー想像していたよりは、普通の試合でした。クロップといえば、ゲーゲンプレッシングや相手陣地からの攻撃的なプレッシングが強調されるじゃないですか。一般的には、グアルディオラのボールを保持するサッカーとクロップのサッカーは相性が悪いと。だから、そういう試合になったのかな?と予想していたのですが、そうでもなかったなと。特にセカンドレグの試合は、マンチェスター・シティにとっては不運な判定が続きましたよね。ワールドカップを見たあとだと、余計にそのように感じさせられました。

・リーグ戦の試合について振り返ってください。

ーーリヴァプールのプレッシングが良かった試合でした。特にミドルゾーンからのプレッシングは秀逸でした。ただ、この2チームを比べると、非ボール保持で差がえぐいです。リヴァプールはどのエリアからでも、プレッシングで相手に仕掛けることができる。マンチェスター・シティはそれができません。ナポリ戦でも露呈したように、セットされた状態で相手のビルドアップが始まると、なかなか止めきれない現実があります。その現実と向き合いたくないから、撤退的なボール保持と最速のネガトラを整備しているのだとはわかっているのですが。

・つまり、非ボール保持の差が試合内容に反映されたということでしょうか。

ーーリーグ戦に関して言えば、その指摘が正しいと思います。リヴァプールがボールを保持する場面も結構長かったように思えます。マンチェスター・シティが奪い返せないんですよね。もちろん、マンチェスター・シティが撤退守備に移行すれば、リヴァプールのボール保持攻撃にも新たな問題が出てくるかもしれません。しかし、マンチェスター・シティはすぐにボールを奪いかえしたい。でも、リヴァプールの4-3-3に対して、良い位置でプレッシングをかけることができていませんでした。普段はセンターバックに同数の4-4-2で相手を焦らせるのかもしれませんが、リヴァプールは全く焦っていませんでしたよね。

・リヴァプールのロングボールはシャフタル・ドネツクをリスペクトしていたということでいいでしょうか。

ーークロップに聞いてみないとわかりませんが、似たような現象は起きていました。前から奪いに来るマンチェスター・シティの面々をひきつけて一気にロングボールを蹴る。そして、セカンドボール回収大作戦ですね。フィルミーノが空中戦で強さを見せたこと&インサイドハーフの面々が超献身的だったこともあって、その狙いは機能していたと思います。

・リヴァプールの4-3-3の守備でマンチェスター・シティの配置的な優位性を消せた理由はどこにあるのでしょうか

ーーたぶん、ロバートソンだったと思うのですが、一度だけ五度追いみたいなことをしました。実際には四度追いかもしれませんが、どちらだとしてもえぐいプレーだと思いますし、リヴァプールのプレッシングの象徴のようなプレーでした。リヴァプールのプレッシングの特徴は、スピード、ジャンプ、ディアゴナーレの再構築、そしてデュエルを受け入れていることでしょう。それらを文字通り速いスピードでの移動と速い判断で行っています。なので、マンチェスター・シティは数的優位だと計算していた4バック対3トップのエリアでも、そのスピードに面食らっているように見えました。

・次にチャンピオンズリーグのファーストレグに話を移していきます。絶対に復讐するマンとして名高いグアルディオラですが、ファーストレグでは2センター(フェルナンジーニョとデ・ブライネ)で望みました。その意図はどこにあるのでしょうか。

ーーリヴァプールは相手陣地では4-3-3。自陣では4-5-1で守備の形を作ります。おそらく、この形をいじることはほとんどないのでしょう。この形に対して、配置的な優位性を得ようとしたグアルディオラは3-2という形を試みます。リーグ戦でダニーロがおそらくは勝手にアラバロールをやっていたのですが、それを採用した可能性が高いです。3バックで3トップは同数になってしまします。しかし、リヴァプールの3トップの間にフェルナンジーニョとデ・ブライネがポジショニングすることで、リヴァプールの3トップは困っていました。

・リヴァプールの3トップは、センターバックを見ながらサイドバックを見る役割ですからね。守備の基準点をなくしてしまうことで、相手を混乱させることは定跡のひとつになっている気がします。

ーーリーグ戦を思い出すと、デ・ブライネとフェルナンジーニョにリヴァプールのインサイドハーフが迎撃しそうですが、この位置にはシルバとギュンドアンがいました。マンチェスター・シティの中盤はボックスのような形で、右サイドはウォーカーに全部お任せ、左サイドはいつものサネで勝負となっていました。リーグ戦よりはボールを持てていた印象ですが、左右のサイドの破壊力に差がありすぎることがきつかったですね。また、ボールを入れていいのに入れないなんて場面も見られたので、配置的な優位性を得たのにも関わらず、この試合でも負けます。

・そして最後のセカンドレグですね。

ーーこの試合でマンチェスター・シティは3-2-3-2システムを採用します。左サイドにサネ、右サイドにベルナルド・シウバ。左右のバランスを改善して、一気に攻め込んでいきました。また、スターリングとジェズスを前線に配置したことで、死なばもろともも今までの試合と比べると機能していたと思います。ベルナルド・シウバの奮闘もあり、カリウスの守るゴールを何度も脅かしましたが、ゴールだけが遠い試合となり、追加点を決められて終了となりました。

・グアルディオラの修正を眺めていると、あくまでボールを保持してどのように試合をすすめるか?なんですね

ーーナポリ戦ではひし形のプレッシングを試みていましたが、失敗した記憶があります。なので、それに懲りたのかもしれません。懲りていなかったとしても、もともとがそのような志向なんだとは思います。ただし、ナポリ戦でもそうでしたが、ビルドアップ側が落ち着いてボールを回せる状態だと、マンチェスター・シティは結構苦労する印象を受けたシーズンでした。マンチェスター・シティなりの速さでどうにかなる相手ならそれで問題はないのでしょうけど。また、レアル・マドリーのように、プレッシングを根性で個人がはがせるか?というと、そういうのはないですね。まあ、あれは例外中の例外のような気もしますが。

・マンチェスター・シティに対して、リヴァプールが結果を残した理由を改めて整理してみてください。

ーー繰り返しになりますが、相手がボールを保持したときの守備の幅の差が大きかったです。リヴァプールは相手にボールを持たれても困らない。でも、マンチェスター・シティは相手にボールを持たれると困る。隠していた問題が顕在化する。ただし、リヴァプールの個々の能力、守備のルールに対して、マンチェスター・シティがポジショナルな答え(3-2-3-2)を見つけると、一気にマンチェスター・シティらしい試合になったことは忘れてはいけない事実です。

・来季のマンチェスター・シティはチャンピオンズリーグで結果を残せるでしょうか。

ーー左サイドのサネと比べると、右サイドはどうしても少し弱かった印象です。その位置にマフレズが入り、ベルナルド・シウバが成長していけば、マンチェスター・シティはより強くはなると思います。ただ、ある意味で縛りプレー(ボールは絶対に保持する、相手がボールを保持していることがおかしい)なので、ちょっと難しいかもしれません。なので、再戦が楽しみです。

ひとりごと

バイエルン対ドルトムントのチャンピオンズリーグの決勝を見たときに、ドルトムントの4-4-2がとっても印象に残っている。ああだこうだ言われているが、クロップは4-4-2や4-3-3のプレッシングを設計するのが上手なのかもしれない。ただし、どうしたって11人ではすべてのエリアを埋められない。それをどのように隠すかが大事なんだけど、その答えがスピードというのが良い。ついでにロングカウンターも決まるし。ただ、ブラジル代表のコウチーニョのプレーを見ていると、コウチーニョがボール保持で更に違いを見せていれば、リヴァプールはさらにえぐくなったかもしれないが、両雄並び立たずになること間違いなしなんだろう。というわけで、来シーズンにまた会いましょう!

コメント

  1. Starrk1st より:

    お疲れ様でした!!

    カップ戦を含め全試合を見た者として、各試合のレポートはとても参考になりました。

    18-19シーズンも非常に楽しみですが、アンカーの補強が進んでいないところが気になります。メンディが復帰したので、これは一つの大きな補強の気もしますが。

    でも、やっぱりアンカーが、、、ギュンドアンにやらせたりするのでしょうか。うーむ。

    そして、上記でご指摘の通り、即時奪取できなかった場合、意外とボールを奪い返せない。。。ボール保持をし続け、攻め続けているときは顕在化しないけど、ディフェンス陣は意外と、、、弱かったりしますね。

    シーズン後半では、下位チームの前プレにディフェンス陣が意外と四苦八苦していたような記憶もあります。攻撃陣も中央圧縮型の4-4ブロックに対して、最後の方は攻めあぐねていたような気が。

    来シーズンも楽しみにしております!!

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