【書評】モダンサッカーの教科書Ⅲ【消えたトップ下、インサイドハーフ、そしてウイング】

Bitly

「さて、今回も書評のふりをした読書感想文をしていきたい」

「世間は日本代表たちの試合で盛り上がっているかもしれないけれど」

「吾輩は淡々と本を読み、感想を書いていきたい」

「今回のお題はモダンサッカーの教科書Ⅲである」

「賢明な読者の方々ならおわかりだろうが、フットボリスタで最も質の高い記事を提供している片野さんとレナート・バルディのゴールデンコンビによって書かれた本だ」

「賢明な読者でなくても知っていそうだな」

「もう三作目だからな」

「二作目から三作目の間隔が狭すぎて、本の中身が心配になったくらいなんだけどな」

「今回はポジション進化論と銘打って、現代サッカーにおけるポジションの役割を徹底的に整理されている」

「GKからFWまで余すことなく載っているんだけど」

「分類が面白いな」

「GK、CB、SB、CHまではわかる話やろ」

「そこから二列目、トップだからな」

「トップ下とか、サイドハーフなんて分類ではなく、二列目でまとまっている」

「今っぽいな」

「ちなみに、FWも色々な種類にカテゴライズされている」

「二列目にトップ下やサイドハーフやインサイドハーフががっちゃんこになっているのはなぜだと思うか」

「これが5レーンってところなんだろうな」

「その心は、トップ下やインサイドハーフやサイドハーフなんてポジションがなくなって、大外レーン、内側レーン、中央レーンにいるときにそのエリアに割り振られた役割を実行していると」

「で、今回はレナート・バルディだけじゃなくて、アントニオ・ガリアルディも語っているんだけど、これがなかなかおもしろい」

「どんなところが面白かったんだ」

「最初に目についたのはマッチアナリシスがシステム優先主義、パターン戦術主義の監督を時代遅れにした!って内容だな」

「試合分析が世界の流れに影響を与えたということか」

「毎試合同じことをしていれば流石にばれてしまうからな」

「なので、プレー原則で整理してやろう、その場に応じて判断をするようにしよう、パターンにはならないように時代がくるわけか」

「みんなががんがんやっている戦術分析にも意味があるわけか」

「わずかな一反かもしれんけどな」

「で、最も面白かったのがコンストラクターとインベーダーの下りだな」

「コンストラクターとインベーダーとはなんだ」

「コンストラクターは構築者で、インベーダーは侵入者だ。ようするに、相手のブロックの外にいる構築者とブロックの中にいる侵入者だな」

「ちょっと違うと思うけどな」

「コンストラクターはビルドアップユニットで、インベーダーはフィニッシュユニットと本でも表現されているぞ」

「もう一声だな」

「3-2がビルドアップ要員で、5がチャンスメイカーとフィニッシャーだな」

「だいぶわかりやすくなったな」

「この分類の仕方でも判明するんだけど、トップ下とかサイドハーフなんて表現があるようでない」

「確かにないな」

「ビルドアップを5枚で行い、フィニッシュを5枚で行うことはチェルシーもシティも行っていたからな」

「そんな両者の頂上決戦だったわけで」

「今後の課題は+1をどのように捻出するか」

「その答えがカンセロだったわけだし、押し込んだときのシティの2-3-5だったと思うんだけどな」

「あれか、カンセロとウォーカーがインサイドハーフが5枚をサポートする形で、サイドでトライアングルグルをやっていたときか」

「ちなみに、リカルド・ロドリゲス時代の徳島ヴォルティスは+1をやったりやらなかったりしたけどな」

「あのときはビルドアップを4枚でやっていて、フィニッシュを5枚で行っていた」

「残りの一人はフリーマン渡井だった」

「あれはかっこよかったな」

「話を戻すと、システムを数字で3列で表すよりも、ビルドアップ隊とフィニッシャー隊で分けたほうが今を適格に表している気がする」

「そして、ビルドアップ隊とフィニッシャー隊を行き来する仕組みが違いを作る」

「5-5の間を旅する人がいるわけか」

「シティならベルナルド・シウバだろうし、チェルシーならマウントだろう」

「そしてフィニッシャーユニットはチャンスメイクとフィニッシュをできるかぎり両立させたいと」

「フィニッシュに専念する人もいるだろうけどな」

「ただ、せめてハーフスペースでもプレーできないときついだろうな」

「ハーフスペースでもプレーできることで、本来の9番が必修としていたフィジカル能力が必修でなくなったことも見逃せないしな」

「それでもカウンターもあるだろうし、高さが必要になる場面もあるだろうし」

「悩みはつきないということか」

「さて、最後にまとめると」

「今回も流石だったな。ボローニャのコーチにしろ、ユベントスのスタッフにしろ、現場の人がこれだけ語ってくれるのは貴重だ。指導者は全員必修だろう」

「世界で何が起きているかを簡単に知ることができるわけだからな」

「ちなみに、日本の指導者の人にも色々と語ってほしいんだけどな」

「サッカークリニックくらいだろうか」

「テーマを決めるよりももっと普遍的なことについて語ってほしいし、書いてほしんだけどな」

「増えてきた分析官のひとたちにJ1とJ2ってどう違うの?とかやってほしいな」

「岡ちゃんプレーモデル本も面白かったしな」

「というわけで、そんな本が出る未来を待ちながら」

「モダンサッカーの教科書の続編も待ちましょう」

「では、さらばじゃ」

 

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