アルメリア対レアル・マドリーの雑感

2023/24欧州サッカー

スタメンはこちら

簡素版でもブログを書こうと思った理由はレアル・マドリーやマンチェスター・シティの試合を記録するためにある。アナログのノートにやれや!という意見もあるだろうが、ネットの検索性に勝てない。レアル・マドリーの初戦はチュアメニとカマヴィンガコンビが中盤に君臨し、ロドリゴの立ち位置に応じて、カルバハルとバルベルデがサポートする印象を受けた。なんてことを記録に残しておきたい。

本日のレアル・マドリーの配置

今日のレアル・マドリーは【235】。SBのカルバハルとガルシアがウイング化することが特徴。前節では開きなおったロドリゴのウイング化がゴールに繋がったが、アンチェロッティはそれを好んでいないのかもしれない。

【442】のひし形は【4D2】とも表現される。ダイヤモンドだからD。アンチェロッティの【4D2】といえば、ミラン時代にカカやルイ・コスタをトップ下に配置した形が思い出される。クリスマスツリーでも可。

トップ下にベリンガム!!となりそうだけど、ネタは中央3レーンを3人で共有する世界中の誰もが行っている形。2トップの初期配置をセンバと殴り合いにするのか、センバとサイドバックの間に置くのか?で、レアル・マドリーは後者を選択。と言いたいけれど、ヴィニシウスはサイドに流れることもあるし、ロドリゴも言わずもがな。

ゴール前が空になってしまうからこそ、誰がゴールに飛び込むの問題の解答はベリンガム。特に2点目のクロースからのクロスをヘディングで合わせた場面は秀逸。ツートップが下がってトップ下が飛び出す二段構えが自然と成り立っているところにアンチェロッティの巧みさが目立つ。さらに、バルベルデ、クロスがマイナスのクロスを待ち構えるとか地獄の始まり。

ちなみに、アリバスの位置がクロース寄りなところはアルメリアの狙いだろう。たぶん、チュアメニとクロースのセントラルをスアレスとアリバスで抑える計画だったのかもしれない。レアル・マドリーの左サイドが脅威であることは間違いないので、選択としても悪くはない。バルベルデもいたけれど、そのまま実行したのだろう、多分。

ガルシアの大外ロールによって、以前よりも相手に捕まえにくくなったヴィニシウスのドリブル力は健在で、自由ななかでもボールを受ける能力がべらぼうに高いロドリゴとベリンガムも脅威で、彼らに合わせてポジションをとれるバルベルデとカルバハルも異常。

結局のところ、選手の個性のかみ合わせをしくじらないアンチェロッティが鬼。淀みがないというか。サイドバックのウイング化は流行りそうである。ほら、ウイングの選手に大外にいてもらっても5バックに追い出されるから。だったら、内側と外側のレーンを行ったり来たりしながらボールを引き出す方が試合に絡める機会は増えそうじゃないですが。今日のヴィニシウスのように。囮な雰囲気もあるけれど、ガルシアには頑張って欲しい。

不安要素であり、レアル・マドリーらしさ

相手のゴールキックなどに関しては強度を見せるレアル・マドリーのプレッシングだが、撤退風味になると枚数が足りない問題が出てくる。ベリンガムは守備に参加する気満々なのだが、役割が安定しない。例えば、図のようにトップ下の位置にいたり、チュアメニの横にいたりする。役割が不安定なので、周りの選手のプレーにも悪影響が出る。例えば、ベリンガムが下がってきているのに、チュアメニたちは3センターの振る舞いを続けたりとか。

だったら、ベリンガムを完全に下ろして【442】にしてしまえばいいとなるのだが、その場合はクロースがサイドハーフになってしまう。実は守備のセカンド出発点、、ほら、サイドから攻撃を作るチームが多いからね、、として、クロースが強度を発揮できるか!というと微妙な場面が多数。

レアル・マドリーは相手に希望を与えならが絶望を与えると過去に表現したけど、まさにそんな感じで。勇気を持てばレアル・マドリーを相手にボールを持つこともできるし、シュートまで行ける。というわけで、ルニンの身のこなしは何だか面白かったし、リュディガー、アラバ、チュアメニで理不尽に耐えきるあたりは非常にレアル・マドリーらしい景色だった。

絶望を与えるレアル・マドリー

レアル・マドリーらしさを感じさせなくなった場面がモドリッチ登場以降。70分すぎにモドリッチが登場したことで、ボール保持の精度を上げる狙い。70分以降の行ったり来たりする無秩序を避けることが念頭にあったのだろう。さらに、【4411】に変化させることで、守備の穴を防ぐベニテスプランの発動。

ベニテスプランとは、かつてレアル・マドリーの監督であったベニテスが残り20分くらいでよく行った采配。平たく言うと、サイドハーフに守れる人材を配置するだけである。試合を終わらせるために。

ボール保持とプレッシングの修正が見事にハマり、あれよあれよとゴール前に迫っていくレアル・マドリーは、表情をかえて相手に絶望しか与えないモードになっていた。右サイドを疾走するバルベルデはなかなか良かった。ロドリゴがサイドに流れてバルベルデが内側でカルバハルが後方支援のトライアングルをもう少し組めるともっと面白くなるかも知れない。

なお、左サイドはカマヴィンガが後方支援を熱心に行っていた。このようにチーム全体の配置を変えても、他の配置で行っていた策が自然に行えるところにレアル・マドリーの強さがある。【433】じゃないとこの現象は起こしにくい!なんてことは基本的にはない。設計の問題。

ひとりごと

ライン間のうろちょろとスペースアタックを謳歌しているベリンガムがゴールを決めすぎている。周りがボールを運んでくれる状況もあって、ゴール前に飛び込んでいく、ゴールに絡むプレーを中心に構築できて楽しいのかもしれない。

充実のときを迎えている選手はチュアメニ。カゼミーロを超えたはまだ時期尚早かもしれないが、アンカーとしての役割を淡々とこなしてる。特にレアル・マドリーのセンバは出張も多いのだが、カバーリングをサボらずに行うし、マイナスのクロスも立ち位置で防いでいる。むろん、ボール保持での貢献は昨年に続いて問題なし。

コメント

タイトルとURLをコピーしました