チャンピオンズ・リーグ全試合見るマンを宣言したのにも関わらず、今日も元気に更新する試合はサレルニターナ対ボローニャ。自分の中でジローナとボローニャをある程度の理解ができるまでは追いかけようかと。ダ・ゾーン民なので、過去の試合を振り返ることはできません。リアルタイムで追いかけるのだ。
スタメンはこちら
相変わらずグーグル先生から引っ張ってきています。ときどき選手配置がブレるところがグーグル先生のおちゃめなところです。ボローニャの監督がモッタならば、サレルニターナの監督はフィリッポインザーギです。モッタといえば、【272】と世界を騒がしたことがあります。どういうことやねん!と検索をかけてみると、縦割りでなく横割りで配置を表現しているだけという記事を見かけました。
サイドに2人、中央に7人。図に書いてあることをそのまま。たぶん、【272】に深い意味はない。
実際の配置はこちら
シンプルな【433】を基本配置とする。ちなみに開始早々からずっとボールを握り続けるボローニャに度肝を抜かれた。ほら、開始5分は安全にって言うじゃないですか。最初から通常運転を実行できるってことは、ボールを保持することに自信があるんだろうなと。
レーンを横断する動き
昨今のマンマーク戦術の流行によって、ポジショナルプレー、もとい静的な配置によって優位性を得ることは困難な時代になってきている。ゆえに、ボールを動かして人を動かすんだ!は今でも正なりとしても、人を動かしたほうが手っ取り早いよね、時代であることも、また正である。
マリノスかよ!と突っ込みたくなったことは秘密。ボローニャのインサイドハーフは大外レーンへの移動を好んで行う。外から内へ、ということよりも、内から外へ、のほうが相手は対応が難しくなる。ボールを奪う、前進させない、ゴールを守ると目的が変化していくボール非保持において、内側への移動はついていきやすいが、外側への移動はついていくにくいことも真なりだろう。
外側への移動に伴って、ザークツィーやサレマーカーズが内側に移動する仕込みも備わっている。
・外側への移動でインサイドハーフの選手がフリーになるならOK
・外側への移動に相手がついてくれば、前線へのパスラインが創出されるからOK
二段構えである。あとはポストプレーが可能な状況さえ作れれば、絵に描いた餅が現実となって現れる。ちなみにサイドバックは内側も取れる器用さを持ち合わせているので、外側に流れたインサイドハーフをどのようにでもサポート可能。
密集
主に相手陣地での話になるのだけど、、、でも、それは本質的には誤りになりそうなのだけど、ボローニャは密集作戦を得意としている。特に左サイドでの密集からのエンドイェのアイソレーションを狙っているなんてことはない。選択肢の一つというか。特徴として、インサイドハーフが同じサイドでプレーする場面が多い。どこまで相手についていくか?を強いる判断として密集もよくある手法になりつつある。サレマーカーズも面白いタレントを持っているが、孤独にアイソレーションを行える選手ではない。
となると、コンビネーションと密集によって相手の守備の基準点を乱すのあわせ技。興味深い選手はザークツィーだろう。ハーランドのように純粋なCFが求められる時代が戻ってきたようで、レヴァークーゼンのボニフェイスのようにCFなのに、多種多様な役割を平気でこなす選手も出てくるようになっている。ザークツィーもその一因。ときにはライン間で受けたり、内側で裏抜けしたり、中盤の一因のような振る舞いも見せる。
その柔軟性がさらなるポジションチェンジとバランスの維持を生む。誰がどの位置にいてもいいけど、いるべき場所は決まっている、みたいな。このような位置原則によるプレーは馴染みが深い。昨日の記事でプレー原則によるチームビルディングみたいなことを書いたけど、本当はコンセプト主義による、というべきか。
密集によって優位性をチームに持たせる作戦はテンハーフ時代のアヤックスにくりそつである。なお、ビルドアップでも同じような場面が見られる。
列を上げるサポート
この場面はゴールキックなのだけど、センターバックの選手がアンカーのフロイラーの横に移動する。列を下げるプレーがサリーとするならば、列を上げるプレーは逆サリー。キーパーをフィールドプレイヤーのように扱うモッタという記事を見かけたことがある。そんなことを象徴するかのようなゴールキック。
その他でもディフェンスラインの選手がキーパーにバックパスをしたときに、キーパーの横にサポートするのではなく、中盤に紛れるプレーが多かった。そして、代わりに横を作るのはサイドバックだったりする。誰がどの位置にいても良いルールがビルドアップでも適用されているところがにくい。周りの選手も味方の位置を見てプレーできるので、いてほしいところに選手がいない、なんてことがあまりない。
キーマンはフロイラー
アンカーは動くべきか、否か論がある。個人的にはどっちでもいい。チームを助けているならばどっちでもいい。アンカーを任されているフロイラーは動きに動く。ときどきモロと役割を交換することがあるくらいに動く。3センターという解釈なのかな?と思うけども、近い選手がいるべき場所に移動するルールになっているので、深い意味はないのだろう。
アンカーは縦軸で分解してみる
でも、フロイラーが真ん中にどっしり構えると、アンカー脇のエリアの空間は均等となる。狭くもなく、広くもなく。中央からずれることで、片方のエリアを広げることはできる。
ここに入る選手も誰でもOK。ときどきセンターバックが上がっていって、アヤックスのティンバーを思い出した場面が多数だった。
まとめると、
・マンマークが流行ってきた時代に選手の移動で対抗
・選手を動かすことで相手を動かし、パスラインの創出、もしくはその選手がフリーになる
・レーンを跨いだ移動もあれば、列の移動も頻繁に行う
・誰がどこにいても良いルールでポジションチェンジが活発化する
・特にセンターバックの自由化とアンカーの移動によるスペースメイクが厄介
というわけで、なかなかおもしろいチームを作っているモッタであった。なお、次の相手がローマなので、モウリーニョのボローニャ対策に期待したい。
ひとりごと
レヴァークーゼンやジローナと比べると、なんだか理解がしやすいボローニャ。このあたりをうまく言葉にできると、自分の指導の力にもなるだろうで引き続き観察を続けます。
コメント