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恒例の知ったかぶりのコーナーと言いたいが、両チーム共にちょいちょい目撃している記憶がある。横浜FCは正面衝突という先入観があり、横浜FMはブライトンなイメージがある。マスカット監督はなぜブライトンに手を出したのだろうか?僕には不明である。すべての物事には何かしらの理由があるので、大なり小なり理由があるのだろう。ということをチーム森保から学んだ。
といっても、横浜FMのブライトン味は自陣での振る舞いにある。
序盤の横浜FCは小川を前に出して、配置を変換していたように見えた。断言ができない理由は画角にある。
ブライトンのビルドアップの配置で面白いなーと感じた部分は2トップのインサイドハーフ化。ハーフスペースに常駐してビルドアップの出口となる。【22】ビルドアップのようで、サイドバックが彩りを与えるところもにくい。ただし、横浜FMの場合は永戸はおとなしく、松原は頑張るところがちょっともったいない。二人共に動けるようになれば変幻自在。
試合を振り返ると、横浜FCの高い位置からのプレッシングに対して、ロングボールを織り交ぜながらガンガン攻める横浜FM。コーナーキックでは様々な仕込みをみせつけ、ニアそらしから得点。セットプレーを蹴る松原に感動した。そんなことできたのか!!
走る走るエウベルと宮市と裏への意識も忘れない横浜FMを前に、リードされた横浜FCは自分たちがボールを保持したり、少し下がって守備を開始したりと器用さを見せる。配置のずれを利用し、大外アタックを仕込まれている横浜FCの攻撃は厄介。横浜FMのゴールにしかと迫れるのでやはり只者ではない。ただし、結果が出るかどうかは別である。でも、ちゃんとやっていればそれなりに結果はついてくる定めになっている。
横浜FMからすれば、テンポを落として試合をコントロールしたい。でも、横浜FMのテーマは「HIGH」である。いや、今のテーマは知らない。ポステコグルーのときは間違いなく「HIGH」がテーマであったように見えた。平たくいうと、すべての単語に「HIGH」をつけてもらえればいい。ハイテンポとかハイプレッシングとか、ハイテンションとか。スパーズがポステコグルーを招集した理由もこの「HIGH」を手に入れたかったからなのではないかと思う。いわゆるアタッキングフットボールってやつである。
「HIGH」を日本語に訳すと「自ら」といったところだろうか。リードしていようがなんだろうが、相手が隙を見せるならばガンガン攻めようぜスタイルと言えばいいのだろうか。一方でブライトンのスタイルは「HIGH&LOW」である。映画ではない。ビルドアップ隊がまったりとボールを保持していると思いきや、急に裏に蹴ったりダイレクトパスの連打で相手のゴールに迫ったりするブライトンスタイルである。センターバックが足の裏でボールを止め、相手が来るまでじっとしている姿はブライトン名物になっている。
ブライトンを参考にチームを作りつつも、横浜FMらしくガンガン前に仕掛けることを両立させることは不可能ではない一方で、そのぶんの粗は見え隠れするものだ。実際にこの試合の横浜FMの敗戦の直接的な原因はこの「HIGH」な姿勢ゆえに攻撃を仕掛けまくったこと、そして前半で得た決定機を決めきれなかったことだろう。そんなことは火を見るよりも明らかである。
横浜FCのスーパーゴール(林のシュートは言うまでもなく、伊藤翔のゴールもちょっとスーパーだった)によって、逆転を許してしまった横浜FMは【541】撤退に向き合うことになる。
で、めっちゃ苦戦する展開へ。
結果として相手を押し込む形に導かれた横浜FMだけど、5バックでシンプルなウイングの質的優位が活かせない状況になると、こんなに苦戦するとは思わなかった。エウベルが左ならまた違う展開になったかもしれんけど。宮市も別に悪くなかったし。
横浜FCが5レーンを埋める作戦にでたけど、横浜FMは別に5レーンを埋める気がないようにも見えた。大事なことはそこじゃないけど、枚数が足りなければ相手に遊軍を与えることになることも事実で。あちらもこちらも数的不利みたいな。そんななかで松原の攻撃参加はバグのようになっていたけど、ゴールには至らず。
松原がいる右サイドは枚数が揃えど、左サイドは何だか曖昧なご様子。そもそも松原を入れて5レーンを埋めたとしても、6人目が不在。川崎フロンターレが鬼のような強さを支えていた選手は山根の三人目攻撃。例えば、松原がポケットをとりにいく→相手のモラエスを動かす。このエリアに誰が入ってくるか問題。欧州では4人目が必要?みたいな議論になっているけど。でも、物量的にそれは無理?みたいなケースになったので、逆サイドから持ってこようぜで選手の距離が近くなる昨今→リレーショナルなんちゃらの流れになる。
マンチェスター・シティのように1バックにすることも策だけども。1バックの前にロドリとコバチッチがいればなんとかしてくれるみたいな。普通はそんな勇気もそれをこなしてくれる選手もいないんだけど。
横浜FMの場合は喜田と渡辺が6人目として登場する。そういえば、ポステコグルーの時代に扇原がゴール前に飛び出してきたことがあった。そんな名残と言いたいが、こうなると、カウンターに備える人がいなくなる。伊藤翔だけなら2人で抑えれそうだが、山下、小川が曖昧な位置でカウンターの起点になる場面もしばしば。2人は物理的に速いし、横浜FCのにくい設定である。
カウンター対応もボールに寄せる選手が逆なような気もしたので、上島とエドゥアルドセットはまだまだこれからな気配。怪我人の多発は大変大変。西村あたりはスペースメイクとスペースアタックを両方ともにこなしそうなんだけど、問題はこの動きに呼応できる選手がいるか。喜田と渡辺以外で。無理ならアンデルソン・ロペスにクロス爆撃のほうがましかもしれないし。
交代で新戦力や若手が出てきたけれど、スペシャルだったらスタメンで出ているよね、といった感じで。
だったら、ブライトンみたいにボールを踏んで相手が出てくるのを待つ!みたいな方法もあるんだろうけど、そもそも負けていたら相手は出てこないかもしれないし。アンデルソン・ロペスに放り込んでセカンドボール回収大会で無秩序への誘いや!ってのもなにか違うのだろうし。この方法で勝つためには!みたいなチャレンジをしているのだろう。そのためにはフルメンバーでないと最適解をみつけられないかもしれないし、粗をうめるためにバランスが壊れるかも知れないし。カウンターを止める仕組みが立ち行かなくなるとか。
と、そんな試合でしたが、前半のハイテンポで仕留められそうだったことも事実なわけで。CBとSB周りをちょいちょい修正しながら偉大なチャレンジの成功を祈ります。
ひとりごと
スペースメイクとスペースアタック。大外からの折返し。トライアングルグル。密集してからの三人目からの四人目。大外と内側と後方支援。歪なトライアングルとネタはたくさんある。でも、攻撃にかけられる枚数はCBとGKの質に依存するし、あとはボールの失い方、もとい捨て方。
ブライトン博士でないのでなんとも言えないが、ビルドアップはブライトンだけど、相手陣地ではかつての横浜FMのように見えた。いや、選手が異なるのだから当たり前だろと言われればそうなんだけど。別に矛盾しているとか言うつもりはないんだけど、ちょっとだけ噛み合っていないように見えた。それだけ!!
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