【混沌への適応と】森保ストラテジー【ドイツ代表のギャップレーン戦術とは?】

書評

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「唐突なAmazonのリンクで始まるブログは書評と決まっている」

「書評といえば、大げさだが読書感想文だと思ってください」

「夏休みの宿題みたいなものだな」

「今回のお題は森保ストラテジー。親愛なる500さんの本である」

「500さんは身体の向きが異なるため唯一無二の存在と思っている」

「身体の向きとは何なのか」

「そこに深い意味はない。試合をあらゆる角度から分析することが大事だとすると、500さんの角度はなかなか興味深いという話だ」

「あふれんばかりの教養が鬼だな。本書の中でも突然にジョン・ル・カレが出てくるからな。誰が知ってるねんみたいな」

「そんなわけで本書の内容に触れていきたい」

第一章:ミシャ式と森保式の違い

「ここでくいずです。ミシャ式と森保式の違いがわかりますか???その答えが書かれている」

「コンサドーレ札幌で繰り広げられているミシャ式ではなく、サンフレッチェ広島時代のミシャ式である」

「なので、当時を振り返りたい人にはオススメの本である」

「サンフレッチェ広島サポの人にはツッコミながら読んでもらいたい」

「本書の中身をがっつり引用したい」

・問題の特定

・特徴・独自性の認識

・最低限求められる競争力の客観的定義

・それらを統合して勝利する可能性の高い戦略的枠組みを組み立てる

・戦略的枠組みのなかで、中長期的な上積みとする要素を設定、発展させる

「ミシャ式を森保式にどのように変化させていったかの過程が分析されている」

「戦術と戦略の違いとは!みたいな問は使い古されている感が強いが、具体的に語られると腑に落ちまくるところがポイントである」

「では、二章にうつっていこう」

第二章・現代サッカーと混沌

「結論から言うと、この章がやばい」

「やばいのか」

「森保サッカーと関係があるようでほとんどない章なのだけど、500さんの現代サッカーの流れは必読である」

「でたな、必読」

「序盤はモウリーニョとグアルディオラのサッカーについて解説してある」

「非常に簡潔でわかりやすい」

「グアルディオラの項目ではポジショナルプレーについても説明してある」

「ポジショナルプレーは均衡を維持せよ、のくだりは最高だったな」

「で、この章ではさらに奥行きがある。がっつり引用したい」

「引用だらけだな」

「発売から時間が経過しているからな、引用でもしないと興味がひけないやろ」

・混沌に適応する

・混沌をコントローラーする(起きないようにする)

・混沌を誘発する

「混沌か」

「サッカーと混沌の付き合いは長いからな」

「推しているチームが混沌とどのように付き合っているかを考えてみることも面白いかもしれない」

「ポジショナルプレーと混沌はどのような関係性があるのか、とかを考え出すと深海に乗り出すようなものだな」

「というわけで、二章はえぐいので、本屋で立ち読みでもしてみてください」

第三章・チーム森保のアジアカップまで

「というわけで、ようやく試合の話に移ろってゆく」

「お前の本なんて最初から試合だったよな」

「はじめに、は書いた記憶があるけどな」

「500さんの分析や文章を読んでいて感じるネガティブなこともある」

「それはなんだ」

「流石にそれは考えすぎちゃうか?みたいな」

「でも、実際にパナマ戦とウルグアイ戦の試合内容がその後の試合のお手本のような試合内容になったことは事実やろ」

「是非、森保監督に本当のところを聞いてきてほしい」

「配置戦略とボール保持戦略、エリア戦略とメタ戦略のくだりは4種から1種まで使える考え方だけどな」

「この章の最高なくだりはイラン戦にある」

「イラン戦か」

「イラン戦では、相手の得意な形を当の相手にぶつけることで長所を消し、モメンタムを奪うと書いてある」

「さりげない引用だな」

「ワールドカップのアルゼンチンはこれが大得意であった」

「ミラーゲームとはまた異なる手法によるところがポイントか」

「対配置戦略って考え方ではないからな」

「実は自分もこの戦略をとって試合を進めていくことが多い」

「多いのか」

「プロの試合でもよく見るし、指導者諸君は思い当たるところもあると思う」

「そんなところをうまく表現してもらってご満悦なわけか」

「そのとおりである」

「なお、第4章は華麗にスルーする」

「なんでだ」

「フルボッコにされたメキシコ戦とオリンピックについて書いてあるんだけど、そもそも文量が少ない」

「でも、メキシコに対するスカウティングは見事だったな」

「東京五輪くらいからビルドアップなんてしらねえ、トランジションサッカーになっていたことも記憶に新しい」

第五章:最終予選!!

「このあたりからお前の書いた本とリンクしていくわけか」

「ところで思うんだけど、らいかーるとの書いた本と500さんの書いた本は、、、、、、、映像無しでどれだけ理解できるものなのか少しだけ気になるな」

「確かに人に気軽に進められる本ではないな」

「わかるか!!!!って言われそうだからな」

「それはさておき最終予選である」

「サウジアラビア戦とオーストラリア戦の分析に500さんの本気度が垣間見られる」

「ところで、面白い話がある」

「なんだ」

「他の場所で話したけど、ここでも話したい」

「だからなんだ」

「オーストラリア戦から突然に守田中を登用して433を日本が行った。でも、オーストラリアは知っているかのように対応してみせた」

「オーストラリアの柔軟性がその場で対応したのではないか?」

「スタートポジションからその気配が濃厚だったんだ」

「情報が漏れていたということなのか?」

「恐らくアパホテルやろうな」

「本当かどうかは神のみぞ知る」

第6章・ワールドカップ本番

「第二章に続いての必読な章である」

「どのあたりが必読なのだ?」

「ドイツ、スペインの分析がやばい」

「どのようにやばいのだ」

「マンチェスター・シティは325→433→325にストーンズを添えての変化を見せているのだが、433に変化する前に妙なサッカーをしていたと記憶している」

「どんなサッカーなんだ?」

「5レーンを埋めたり空けたりではなく、相手の立ち位置をポジショニングの基準にしているようだった」

「なるほど」

「で、フリックドイツのサッカーの説明がそのときのマンチェスターシティに非常に酷似している」

「500さんの言葉を借りると、レーン概念自体を動的なものに変えてしまうアイディアで5レーンで待ち構える戦術を乗り越えていったと」

「これは今季のナポリも似たようなサッカーをしていたな」

「ボール保持戦略も配置は静的、動的と語られることが多いけれど、動的に配置を動かすときの原則がここにあるといえばいいのかどうか」

「スペインについてはどうだ?」

「それは本書を見てほしいが、体幹直下のくだりだけよくわからなかった」

「体幹直下か」

「実際には体幹直下のようで体幹直下ではないような気がするんだよな」

「細かいことはいいやろ」

「クロアチアの分析も面白かったな」

「というわけで、試合内容の分析も面白いので是非に」

ひとりごと

試合についての記述がメインなのかもしれないけれど、おまけ部分が非常に面白かった。こっちがメイン!と言っても過言ではないと思う。本書を通じてのポジショナルプレーの説明と混沌との付き合い方、そして、ドイツ代表の分析は本当に面白かった。現実にも応用可能なことは間違いないので、チャレンジしたい人は是非におすすめしたい。

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